「ユーモアの重要性」ローマの休日 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
ユーモアの重要性
過去何度も鑑賞
監督は『嵐が丘(1939)』『ベン・ハー(1959)』『おしゃれ泥棒』のウィリアム・ワイラー
脚本は『スパルタカス』のダルトン・トランボ
新聞記者と王女がデートがてらにローマ観光するロマンティック・コメディー
オードリーには悪いが世界史上最も優れたアイドル映画といえる
彼女の1番の当たり役
あらすじ
とある国の王女が各国を親善訪問していた
連日分刻みのスケジュールにストレスが爆発し滞在先のイタリア大使館を抜け出したアン王女
一方ローマ支局のアメリカの新聞記者は夜に公園で寝ている若い女性に声をかけタクシーで自宅に送ろうとしたが住所がわからず仕方がなく自分が住むアパートで一晩寝かせることに
新聞記者は大寝坊でお昼過ぎに出勤し支局長に叱られる流れで介抱した若い女性がアン王女だと知る
新聞記者は彼女をローマ観光に連れ出しそれをスクープ記事にして大金を得ようと計画し友人のフォトグラファーにも同行させた
大遅刻した新聞記者と支局長のやりとりが秀逸
相棒のフォトグラファーが記者によって椅子ごと一人バックドロップ状態になっちゃうところで自分は今回も大笑い
他人のちょっとくらいの不幸ってとても面白い
あんな酷い仕打ちを何度も何度もやられても2人の絆が壊れることはないのが良い
この頃からライター型カメラなんて凝ったものがあったのかしら
なんと日本製
戦後間もない頃なのに町工場の職人凄いぜ
真実の口のシーンが新人オードリーの緊張をほぐすためのグレゴリーのアドリブだったことはあまりにも有名
広場の時計の逸話も理髪店のカツラの逸話も全て監督が何度も何度も繰り返し撮影しなかなか納得しない所以だがこのシーンだけは一発OKだったという
あの時の素のリアクションをするオードリーは可愛い
これだけでも人類の多くから愛され続ける理由がある
車内で別れの挨拶言えない言わなくていいのやりとりから抱きしめ合いキスするシーンが良い
フォトグラファーと記者がローマ観光を楽しむアン王女の写真の数々を見るシーンも良い
大使館での記者会見でフォトグラファーが撮った写真の数々を王女に渡すわけだがそのなかの一番上にきている写真が面白い
いいセンスしてる
ユーモアが洒落てる
やっぱりこの映画は名作で間違いない
配役
アメリカンニュース社ローマ支局のアメリカ人新聞記者のジョー・ブラッドレーにグレゴリー・ペック
「アーニャ・スミス」と名乗る某国の王女アンにオードリー・ヘップバーン
アン王女の件でブラッドレーに協力するC・Rフォトサービス所属フォトグラファーのアーヴィング・ラドビッチにエディ・アルバート
イタリア大使にハーコート・ウィリアムズ
アンの世話係のヴィアルバーグ伯爵夫人にマーガレット・ローリングス
アン王女の髪をカットした理容師のマリオ・デラーニにパオロ・カルリーニ
アメリカンニュース社ローマ支局長のヘネシーにハートリー・パワー