「“The wall wishes come true“ 願いは叶わなくても...」ローマの休日 アキ爺さんの映画レビュー(感想・評価)
“The wall wishes come true“ 願いは叶わなくても...
魅力的な唇のためには、優しい言葉を紡ぐこと。愛らしい瞳のためには、他人の美点を見つけること。by オードリー・ヘップバーン
オードリー・ヘップバーンの永遠の名作を午前10時の映画祭にて鑑賞。白黒ですし古い映画なので「自分には合わないかも知れないけど、有名なんで映画好きの義務教育的に一応観とくかぁ」ぐらいの気持ちで観に行ったのですが、意外や意外面白かったです。
本作で一気に名を上げたオードリー。実際に観てみると納得でした。王女という重圧に嫌気がさしてるちょっと子供っぽく見える序盤から、生き生きとローマを散策する姿、そして、自分の人生を受け入れ凛とした女性に成長した最後までどのシーンを取ってもメッチャ素敵でしたね。個人的に一番のお気に入りは追手の頭をギターで叩いてるショットでした。
願いの壁ではきっとあのまま自由になる事を願っていたと思います。それでも王女になる事を選んだアン。自分の責任を自覚した姿はとても凛々しく見えました。カッコいい女性だ!そして最後のジョーとの別れの握手が切ない!あ、さりげなくローマの写真を渡すアーヴィングは粋でしたね。
よく考えると公開された1953年ってまだテレビも一般的に普及されていないぐらいの時代なんですよね。今と違ってそれこそローマの景色とかまず観る事がなかった時代。やたらとローマの景色を映してあったので、きっと当時の人は映画を観て遠いローマの地に想いを馳せていたに違いない。
そんなローマでのラブストーリー。こりゃヒットしない訳がないですね。今観ても充分面白いので当時観てたら今よりもっと楽しめたんだろうなぁ。やっぱり映画は時代を映す鏡ですね。古い作品なので敬遠されがちですが、本作は永遠に輝きを失わない名作だと思います。オードリーの美しさと共にいつまでも。