「近代ホラー映画の先駆けともなった名作」ローズマリーの赤ちゃん 星組さんの映画レビュー(感想・評価)
近代ホラー映画の先駆けともなった名作
設定は1965年頃のNew York
悪魔崇拝者達に囚われた夫婦
彼らの運命を綴る。
この夫婦のスタイルは、当時としては新しいタイプと思われる。
引越し先のアパート(外観は高級なダコタハウス、内部はセットか別アパート)で、隣人の老夫婦と親しくなるが、お節介すぎるほど若い夫婦に口を出してくる。その常軌を逸した付き合い方に鑑賞者はイライラと違和感を覚えるはず。特に老婆ミニー役のルース・ゴードンの下品な演技はゾッとするほどで、本当に嫌らしさ満点。孤軍奮闘するローズマリーに肩入れしたいが、周りは全て敵ともいう状況に祈るしか無い。
そのローズマリー役で初主演したミア・ファローは、か細く頼りなさげな雰囲気で追い詰められてゆく役を好演。彼女の取る行動と恐怖に、鑑賞者は最後まで付き合うことになる。
内容が内容だけに主演には、肉体的・精神的にアタックをかけるヒッチコック的かと思えるが、そうでもなく、ロマン・ポランスキー監督流の、上品さとグロさの両方が存在する映画となっている。だから毒々しさの無いサラッとした仕上がりになっていると思う。
この手の映画は、呪われた場所とか、スタッフが…とか、恐ろしげな情報を流して宣伝効果を狙うが、そこは乗らずに常識的な意志で観るのが正しい。ただこの作品に影響を受けたと思われる後の事件については事実かも知れない。
制作総指揮のロバート・エヴァンスは自己中で強気の剛腕。
監督のロマン・ポランスキーも自己中で意志を曲げない人。
現場は上手くいっていたか、そうではなかったか、気になった。
個人的にロマン・ポランスキーの作品は好きだ。
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