「「常軌を逸した映画の誕生。まさに新しい波の象徴的な映画」」ローズマリーの赤ちゃん かなさんの映画レビュー(感想・評価)
「常軌を逸した映画の誕生。まさに新しい波の象徴的な映画」
ついにアメリカンニューシネマは、悪魔まで誕生させてしまった。小説家のアイラ・レヴィンが1967年3月に出版された原作をロマン・ポランスキーが、監督・脚本化し時をおかず1968年6月にアメリカで公開した。
ローズマリー(ミア・ファロー)と夫のガイ(ジョン・カサベテス)が、アパートに引っ越してからこの映画は始まる。隣人の老夫婦がしきりに面倒をみてくれる。ガイは、隣人との仲を深めていくがローズマリーは消極的だ。
二人が子供作ろうと決意した時、ローズマリーに恐ろしい夢かうつつかわからない体験をする。妊娠すると「つわり」ではなく「お腹が刺すような痛み」に毎日襲われる。
隣人の老婆は、ローズマリーに体にいいからと飲み物をすすめる。ローズマリーには何か怯えたような表情で警戒するようにそれでも飲み続ける。その時のミア・ファローの不安気な表情がたまらない。
ガイは舞台の主人公に抜擢される。主役の役者が突然失明したのだ。ガイはなにをしたのか。
ローズマリーは、隣人の老夫婦についに疑念を抱き行動をするが、ことごとく自分の疑念を否定される。そしてついに出産。その時ローズマリーが目にしたものは・・・
エクソシストが公開される前に「悪魔」が出てきた。しかし悪魔に取りつかれ、悪魔祓いをしたものより、精神的な恐怖感はこの映画のほうが恐ろしかった。
アメリカンニューシネマは、常軌を逸した映画を作るようになった。今までの映画にない「悪魔」を前面に打ち出した映画だ。そこにはアメリカンニューシネマという新たな波がそうさえた代表的な映画であったのだ。
そう、ミア・ファーローの表情だけで恐怖感を演出。『セブン』のブラピも同じ手法。金色の目の嬰児は初演ではカットでしたね。ポランスキー大ファン。いろいろやらかしてアメリカ出禁になったけど。