劇場公開日 2024年1月5日

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「屯する腹をすかせた野犬たち」レザボア・ドッグス かせさんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0屯する腹をすかせた野犬たち

2024年3月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、VOD

誰もが知ってる映画変態マニア、クエンティン・タランティーノの、監督脚本出演デビュー作。

【ストーリー】
ロサンゼルスを拠点とするマフィアのボス・ジョーの元に、息子エディと選りすぐりの6名の悪党たちが宝石強盗チームとして集められた。
彼らは互いをホワイト、オレンジ、ブロンド、ピンク、ブルー、ブラウンと色分けした偽名をつかい、互いの過去を詮索するなと命じられる。
周到な用意がなされた犯罪計画は、だが初手からトラブルにみまわれ、その後のミスも重なって完全に破綻してしまう。
ブラウンが頭を撃たれて死に、オレンジが腹部に弾を受けるという最悪の状態におちいり、リーダー格のホワイトは市民から車を奪っての逃走を余儀なくされる。
どうにかたどり着いた倉庫でも状況は暗澹たるもので、悪党たちの口論と仲間割れがくり返される。

暴力映画ならこの人、クエンティン・タランティーノのデビューにして出世作。
のっけからベラベラベラベラ無意味なこと喋りまくるタランティーノ本人からはじまる、その後の作品群を思い起こさせるオープニング。
さあ計画の始まりだ、と思わせて次のシーンですでに失敗してからの逃走、メイン舞台の倉庫へ。
そこから中間の場面や彼らの過去がフラッシュバックし、何故こうなったのか、そもそも男たちはどのような人物だったのかが倒叙的に語られます。
多用されるフラッシュバックの方が物語の本筋というほど長い独特の構成は、その後あちこちで見かけるようになり、近年では進撃の巨人でも使われた手法ですね。
銃を向けあう「メキシカン・スタンドオフ」という映画用語をメジャーにした作品でもあります。
犯罪映画なのにストーリーよりも存在感に重きをおいたキャラクター主導の作劇は、タランティーノ節というしかないスタイル。
場面の撮り方もスタイリッシュかつ暴力的で、VHS版のパッケージには「この映画、気に入ったぜ!」とあの深作欣二からの推薦の言葉もありました。
ヤクザ映画の大ファンだったタランティーノ監督、深作欣二と出会ったその夜に2人で日本酒三升空けたとか。
さすがバイオレンスの巨匠同士、命がけで飲んでます。

格好いいシーン続出、生々しい暴力が縦横に行使される、バイオレンス映画の傑作です。

かせさん
ふわりさんのコメント
2024年3月31日

またこちらに失礼します。いくつか共感コメントありがとうございます!
おっしゃるとおり、監督不行届の続きの還暦不行届です。ただ、いまだ読めてなくて積ん読状態に。

ふわり
ゆきさんのコメント
2024年3月31日

コメントありがとうございます。
タランティーノもタラ作品もマドンナも大好きなので、見る度にニヤニヤです。
次作でホントに引退するのかな。。気になります( ; ; )

ゆき
kossyさんのコメント
2024年3月31日

かせさん、いつもありがとうございます。
そうでしたか~進撃の巨人にも!
深作欣二も絶賛でしたか。色々面白いです!

kossy
ふわりさんのコメント
2024年3月31日

こんにちは。共感コメントありがとうございます。この作品、やっぱり見とかなきゃーですね!
命がけで飲んでます…すごいエピソードですね。

ふわり
トミーさんのコメント
2024年3月31日

共感ありがとうございます。
タランティーノ節と言えば、テンポもですよね~だらだらくっちゃべってても、なんか歯切れというかリズムが有る。ラップとかTVナレーションとか念頭に有る気がします。次のパルプフィクションでほぼ完成を見るんでしょうが、今作はまだ練れてない?

トミー
グレシャムの法則さんのコメント
2024年3月31日

のっけからベラベラベラベラ無意味な…

↑ ほんと!その通りですね。
007シリーズでは、冒頭に本筋とは別の〝ちょっとひと仕事〟のアクションシーンが出てきますが、それに匹敵するような見事な掴みだと思います。

グレシャムの法則
sow_miyaさんのコメント
2024年3月31日

コメントと共感ありがとうございます。

ホワイトが、かわいそうねところがまた、映画としていいんですよねぇ。

sow_miya
琥珀糖さんのコメント
2024年3月31日

コメント・共感ありがとうございます。
本当に何度観ても、格好いい映画ですね。
熱く語りたくなる気持ちに同感です。
深作欣二監督と3升の日本酒を・・・
よっぽどお話が盛り上がったんですね。

琥珀糖