「真面目なタランティーノ」レザボア・ドッグス yanpakenさんの映画レビュー(感想・評価)
真面目なタランティーノ
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第1作目らしい感じがよかった。タランティーノ自身の演技もよかった。
強盗団のメンバーが集まる最初の場面の会話がいい。悪そうだけど、憎めない。上下関係もなく、冗談を言っているが、時々、緊張感が高まる時があり、引きつけられる。
拷問されている警官のそばで死んだようになっていた男が、突然、拷問している仲間を銃で撃ち殺すシーンは、何度見てもすばらしい。
撃ち殺された男は、撃たれる前に踊りを踊りながら、警官の耳をカミソリで切り取っていたが、肝心の切り取る場面はカメラが目をそむけた。耳が切り取られるのを見ずにすんだので、ほっとした直後に、カメラが切り取られた耳を映し出す。耳のない側頭部も映すが、一瞬だけ。その側頭部は血があまり流れていないので、ちゃんと見たい気もするし、見てほしそうに作っている。
警官を拷問した仲間が殺された後、ホモらしいボンクラに見える仲間がやってきて、拷問した男を撃った男を問い詰める。そのあげく、拷問した仲間を撃った男を殺そうとすると、その男をかばう正義感の強そうな男が立ちはだかる。みんな、それぞれ別の理由で、誰かをかばい、別の誰かの行動のじゃまをする。最後はうまく立ち回って、こっそり隠れていた奴が引き金引いたのかな?
はらはらどきどきする映画でも、ヒッチコックの場合、物事の偶然の成り行きが重視されるが、この映画は、物事の成り行きよりも人間関係に重きが置かれていて、そこが面白い。
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