「エルヴィー」リトル・ヴォイス いずるさんの映画レビュー(感想・評価)
エルヴィー
利己的な大人に振り回されなかったのは、彼女の強さです。
彼女が用いる言葉は有名な女優の科白ばかり。
どこかで聞いた自分の言葉ではないセリフを使うのは
世界から閉じこもった彼女の拒絶の形です。
一枚レコードを挟んだ向こうに彼女がいる。
彼女が初めて自由に話した言葉は、拒絶や憤り。
だけどそれでもいいのです。
レコード越しではなく、生身のエルヴィが世界に触れた瞬間。
話を聞かない大人に一言言ってやれ!と彼女を応援していたので、感動しました。
鳥のように自由に飛べるのだから、良い人生を歩んでほしい。
ラストシーンで、飛び回るハトたちが彼女の旅立ちを象徴しています。
ユアン・マクレガーも初々しくて、寡黙な青年役がよく似合います。
こういう純粋な役が彼に似合いますね。清潔感があるからでしょうか。
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