ラン・ローラ・ランのレビュー・感想・評価
全17件を表示
これから歩きだすための「走る」。
◯作品全体
映画のクライマックスシーンは「走る」が定番になってる。切羽詰まった感情を煽るかのようにBGMが流れ、誰かに会うために、なにかに間に合わせるために走るわけだけど、定番過ぎてちょっと食傷気味。一つ一つ紐解いていけば「走る」にはいろいろなものがあるんだろうけど、ほとんどの場合は走ったあとの結果へ繋いでいるだけで、アクション映画の戦闘シーン同様、物語上の意味付けはあまりない。画面は派手だけど、アクション自体に物語を動かす力がない、というような。
本作は主人公・ローラが恋人・マニのために走る。そこだけ切り取ると食傷気味の演出に当てはまってしまうが、本作は走ることで物語が変わるのが面白い。
物語が変わる法則は明確には存在せず、繰り返すことでハッピーエンドに近づく、という一点だけだが、ローラが走ることで周りの人物の「それから」が変わり、そしてローラ自身の運命も変わるという単純さが良い。「走る」という単純な行為とシンクロしているし、「走る」が繋ぎの役割ではなくて、ひたむきさや力強さによってそのまま登場人物に影響を及ぼしている。ローラのド派手な赤髪、コメディチックなアニメーション、ローラの行動の破天荒さ…トリッキーな要素はたくさんあるのだが、ローラが動くことで世界が変わるという、その一点だけが根本にある潔さが心地いい。
そしてローラとマニは失敗を重ねる中で、互いが隣にいることの大切さを知る。中途半端に停滞していた感情が、「走る」ことによって心も動き出したかのようだ。目的を達成し、交差点で合流する二人は手をつないで歩きだす…そう、二人にとってラストシーンは出発点であり、ローラはその出発点に到達するために走り続けていたのだ。本作のファーストカットにある引用句、「我々はすべての探求を終えた時 はじめて出発点を知る」がラストシーンで強く浮かび上がる構成が見事だった。
〇カメラワークとか
・電話ボックスがある交差点はカッコいいカットが多かった。電話ボックスを中心としたシンメトリーなレイアウトや赤信号をなめ構図で撮ったレイアウトとか。
・オープニングでマグショット演出。これの元ネタってなんだろう。『踊る』シリーズでも使われてたやつ。
◯その他
・テクノ調のBGMがすごく良かった。父に見放されたり、足を引っ掛けられて痛めてしまったり、ローラにとって状況が良くない場面でも一定のビートが流れてる。ローラの背中をずっと押しているような感じがして、すごく良い。
・カジノのくだりは正直蛇足感あったし唐突すぎたなぁ。今までのやり直しでカジノが絡んでるのであればアレだけど、全然関係なかったし。そのお金が無くても二人は手を取って歩き出せた気がする。
おすすめドイツ映画
監督と脚本は『クラウドアトラス』の1936年1973年2012年の物語を担当したトム・ティクバ
久々の鑑賞
3度目の鑑賞
ドイツ映画の傑作
『Lola rennt』はドイツ版のタイトル
「rennt」はドイツ語で「走る」
ヒロインは赤毛
走りやすいラフなスタイル
とにかく力強く走る
叫ぶとガラスが割れる
エスパーか
BGMが良い
監督も音楽家らしい
犯罪組織のボスに仕事を頼まれた彼氏がやばい売上金を電車に置き忘れてしまう
公衆電話からローラに助けを求める彼氏
助けに走るローラ
1発目
本編はまだまだ時間があるのにかなり早めに警察に撃たれ瀕死のローラ
やり直し2発目
今度は彼氏が車に轢かれる
やり直し3発目
彼氏が置き引きのホームレスからヤバいカネを取り返しハッピーエンド
父から強奪したカネが入った袋を持ちニッコリするローラ
ヒロインが登場前の冒頭のセリフがちょっとむずい
階段を降りるシーンがなぜかアニメ
ローラが腕枕しているのはちょっと変
いくら男女平等といえ
腕枕をはずすタイミングって難しいけど他の人はどうしているんだろう
パシャパシャとモブキャラのその後を紹介する必要があったのか疑問
ちょっとわかりにくい面もあった
最高に面白い展開
おすすめの映画と聞かれたらまず教えるのがこの作品
まだ観てない人は是非観よう
すごいとか傑作とかではなく好き
劇場公開時鑑賞。
パラレルワールド3パターン。アニメが混ざってきたり、してくるのを新規な工夫と見るか、小手先のごまかしと見るか。当時だからというのはたぶんにあるが、でも好き。
うわっ!これ面白いわ!
エンドロールも逆だし。。。実験的な映像満載ですね~~ま、個人的見解では走るだけでも面白いと思ったのですが、ここまで凝ってるとは予想がつきませんでした。
普通のタイム・パラドクスを扱ったSFならば「こうなって、ああなって」なんて考えさせられるんだろうけど、これは身体を動かし、心拍数・体温を上昇させて映画と一体感を味わってみるともっと楽しいかもしれない。『タイムマシン』だと、どんなに頑張っても同じ結末になっちゃうのに、これはこれでいいのかも。
この手の音楽はそれほど好きではないし、3本目のストーリーがハッピーエンドに向かい過ぎていてちょっと不満だが、それでも合格点ですよね。息をつく暇もないけど81分に見事にまとめ上げられているのも素晴らしい。ドミノ倒しの日本語もいい!『ブリキの太鼓』のような叫び声もいいかも・・・(マジかよ)
20分間走りカジノで20番大当たりの女の子の映画を20年もたってやっと観た
1990年代のベルリンはラブパレードやテクノの中心地で、安価な家賃や家屋の不法占拠もできて世界中の若者が集まっていた頃だ。壁が崩壊してまだ10年たつかたたないかで、あちこちが工事中で古い建物と資本主義経済ーアメックスの看板もあるしスーパーの陳列棚には商品がたっぷりで西の高級車が普通に走っているーが混在している。少なくとも心の壁と言われる東西格差はまだそれほど問題にならなくて(旧西ドイツの若者による難民やユダヤ人への襲撃がはるかにショックだった時代だ)、何だか前向きで明るい未来が待っている空気がベルリンにドイツ全体にあったんだろう。
この映画は当時ドイツ人、特に女性にとてもポジティブに捉えられていた。恋人の命を救うためにすぐさま決心して女の子が走る。斬新な構成と音楽もあいまってとても新鮮に映ったに違いない。あんまりにも皆が誉めるから私は食わず嫌いになってしまって見なかった、忙しい時期でもあったし。
そしてやっと見た。20年以上もたってから。プライプトロイが恋人役のマニをやっていたなんて知らなかった。まだ20代。若くてかわいい。ローラは決してジョギングやってる子でもなければスーパーウーマンでもない。煙草吸って酒飲んでマリファナも吸ってるかも知れないしタトゥーして指輪もいっぱいしてる。そういう普通の女の子が愛する男の為に走る。力強くキラキラと輝きながら前を向いて走る。それが私はすごく気に入った。
カジノでのローラの金切り声は「ブリキの太鼓」のオスカーみたいだった。バリバリとガラスが割れる音が気持ちよかった。
おまけ
マニが電話ボックスの中、そのボックスの外に居た目の見えない年配の女性役はプライプトロイの本当のママのモニカだ。プライプトロイのファミリーは俳優一家だ。このモニカは「ソウル・キッチン」でナディーンのお祖母ちゃん役もやってました。そのモニカ、2009年5月13日に65歳で亡くなってました😢彼女はドイツ映画「4分間のピアニスト」(2006)のピアノ教師役を演じてたんだー、見てないー!
当時の新鮮味は無い
一回だけ観た記憶から面白かった印象があったが今の時代だとコレ系は古くはないが廃れた感じ。
スピーディーに進んでいるかのように思えて実際はノロノロな感じで展開しているしアニメ入れたりトランス的な音楽で誤魔化している雰囲気。
関係無い人物のそれからな感じと三度続く同じスタートラインに退屈感が。
結局、頼るのはいつも父親だし「キャリー」みたいな超能力も意味が解らないし最後はカジノって!?
ガラスを救急車が衝突する場面は気持ちよかった。
90年代の中盤以降、2000年代初期には斬新だったこんな感じの手法も今は通じないし寧ろ古い。
「トレインスポッティング」みたいなシーンもワザとらしいしヨーロッパ映画に多いミニシアター系好きのお洒落を好む輩の映画!?
赤髪が走る走る走る作
ループ3パターン
走り出しはアニメ
運命が変わる人々(シャッター音連続写真)
運命が変わらない人(衝突事故)
シャッター音ハッピーエンド
軽快なテクノに合わせテンポ良く影響し合い収束
痩せそう
いっぱい走ってます。あの全力疾走であんまり息が切れてないのがすごいです。
レビューでは賛否両論あるようですが、私はクールでポップなオシャレ映画として楽しめました。主人公のアパートにある階段の降り方で未来が変わりますが、そのときのアニメーションの主人公が、元speedの新垣仁絵ちゃんの絵に似ていて、クールでポップな感じでした。
貴方の為なら何度でもやり直す
あらすじ
「愛する人のピンチを救う為に主人公がタイムリープしまくります」
ある1日の始まりから、些細なことで物語が分岐していく様子を描いてます。
(映画)バタフライエフェクトのように何度も愛する人の為に自分の時間を遡ってやりなおすので
映像的に1日の始まりを何回も観ることになる為に、その辺のだるさは若干あるんですけど
まあ少しずつ変化する部分を楽しんでください。
で、これはベタベタな恋愛映画ではないんだけれど
根本にあるのは「彼の為なら何だってやるわ」という強い愛と意志をもった主人公の奮闘なので
そういう愛の為に逆境にめげすに立ち向かう姿がとても良かったと思います。
やってる行為はハチャメチャで、いやいやもう少し他の方法考えようぜって事ばかりではありますが笑
例え自分のプライドを傷つけられても、好きな人の為になりふりかまわず走って走って走りまくる
そんな映画なので私は個人的にけっこう好きな作品です。
うわ~最悪クドイ。
正直知名度の割には最悪です。
3回目のストーリーに入った時本気で観るのやめようかと思った。一般論ではオシャレ感はあるかもですが内容です。
きっとバタフライエフゥクト的なストーリーの先駆けで良いかもですが観てるとイライラします。
パラレルワールド②
こないだ「バタフライエフェクト」で書いたパラレルワールドの世界観が
ここでも出てきました。(といっても公開はこっちが先か…)
公開時にTVで某映画評論家の方が褒めてた記憶がうっすらとあって
そういえばまだみてないや…と何となく手に取ったのですが、
まずこういう展開だったというのはちょっと意外。嬉しい誤算です。
まずはオープニングでのルール説明的なプロローグ。
(ど頭なのであえて多少ネタバレしちゃいますが)
“我々は全ての研究を終えて初めて出発点を知る。 T.S.エリオット”
“試合前とは試合後のことだ。 S・ヘルベルガー”
ナレーションバックで全編を通して流れるテクノのリズムの中、
雑踏の中からちょい役の方々が次々登場しては消えて行き
「ボールは丸くて試合は90分。それが事実であとは推測さ。」
と、サッカーに例えて言っている言葉でタイトル画面に移ります。
初見ではここまでなんのことやらさっぱり…
とりあえず流れに身を任せるしかない掴みの部分ですが
これが後々になってつながってくるので観る時は良く覚えておいて下さい。
その後の本編が始まって30分はまぁ予想通りの展開。
アニメーションやモノクロシーン、リズムに合わせたフラッシュ画像などなど
映像と音楽には凝って撮ってるなぁ~くらいに流して観てしまいます。
そしてターニングポイントのシーン。
始まって30~40分で早くもいわゆるエンディングに。
・・・・・・? 終わり?
と戸惑っていると主人公が呟きます。
「ストップ」
すると場面は冒頭のシーンからやり直し。パラレルワールドの始まりです。
平行世界なのか、時間が戻ったのか、そもそも想像だけで時間は経ってなかったのか、
分からないまま同じシーンが微妙に変化を起こしながら再び繰り広げられます。
まぁプロローグからすると恐らく「想像」ですかね。
1つの判断の違いや微妙なタイミングの差でどんどん変っていく結末。
これを何回か繰り返して、いろいろに変わる小ネタや結末を楽しませてくれます。
観る前のイメージとしてはただ走る、走る、走る…のビジュアル勝負。
その中でちょっとした小ネタとか人間模様を挟んでくる位に考えてましたが、
いざ観てみると短い上映時間(81分)をより短く感じさせる魅力がいっぱい。
決して単なる若者向けミクスチャー映画に終わっていません。
思わぬところで良作に出会えました。
個人的にはバタフライエフェクトよりもこっちの方が好みかな。
※他サイトより転載(投稿日:2008/02/28)
全17件を表示