ランボーのレビュー・感想・評価
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スタローンの脚本家としての非凡な才能を本作品でも感じましたね!
新文芸坐さんにて『明けましておめでとうございます!ランボーです!』と題した特集上映。公開から40年、4Kレストアに生れ変わった『ランボー』(1982)を鑑賞。
『ランボー(First Blood)』(1982)
幼少期に第2作『怒りの脱出』(1985)から先に観てしまったため、ゴリゴリマッチョなスーパーアクション映画の印象が残っておりますが、今回は完全に以後のシリーズのことを白紙に返し、初見の気持ちで何度目かの鑑賞。
事前に下調べしてみると原作は『一人だけの軍隊』。
原作小説が発表されると評判で、当初はクリント・イーストウッド、ジェームズ・ガーナ―、アル・パチーノ、ダスティン・ホフマン、ニック・ノルティ、ジョン・トラボルタ、スティーブン・マックイーンなどに打診、マックーンは体調不良でなければ本人も意欲的だったようです。誰が演じてもワクワクしますが、個人的にはパチーノの『スカーフェイス』のトニー・モンタナみたいなキレッキレのジョン・J・ランボーを見てみたかったですね。
第2弾以降がなく単独作品として鑑賞してみると色々と発見がありました。
ひとつはサミュエル・トラウトマン大佐(演:リチャード・クレンナ)との関係性。
育ての親のようにお互いに固い絆と愛情で結ばれているとすっかり思っていましたが、第1作を見る限りではランボーからの電話にも折り返さず、帰還後の部下の訃報にも疎く、積極的に当時の部下たちと関わろうとしていないことは明白でしたね。
原作では敵役保安官との対決後に自殺を図るが果たせないランボーを大佐が射殺するラストらしく、シーン自体も撮影されたらしいのですが、続編想定もあったので不採用になったらしいです。
確かに大佐を演じるリチャード・クレンナはジョン=ピエール・メルヴィル監督の遺作、アラン・ドロンと共演した『リスボン特急』(1972)でも表向きはパリのナイトクラブ経営者、裏の顔は仲間思いだが沈着冷静で計画のためなら仲間を殺すギャング(シモン)を演じており、同作ではアラン・ドロンを完全に食ってしまうほどの名演でしたが、キャスティングの際や大佐を演じる上での演技プランの参考にしたかも知れませんね。
もうひとつは最初にランボーに絡んだ不運なティーズル保安官(演:ブライアン・デネヒー)。
彼はランボーが「ベトナム帰還兵」だから町から排除したわけでなく、単純に身なりと顔つきだけで判断、劇中では語られてないのですが保安官自身も「朝鮮戦争帰還兵」で従軍体験を引きつづっている帰還兵同士の私闘だったという設定は驚き。作品イメージがガラッと変わりますね。
本作でも脚色にシルベスター・スタローン自身が参加しておりますが、とにかく最初からテンポ良くダレされず、盛り上げ上手で最後まで飽きさせないところに彼の脚本家としての非凡な才能を本作品でも感じましたね。
楽しみ方がわからない
有名な映画なのは知っていたけど、今回初めて映画館で鑑賞した。
正直言うと最後のランボーの独白まで、どういう楽しみ方をしていいのかわからなかった。
帰還兵に対する社会の差別、PTSDの問題みたいなことが語りたかったのかー、というのがラストでやっとわかった。
いや、もちろんそれは再序盤でランボーがフラッシュバックに苦しむ描写で分かっていたことなんだけど、中盤から後半にかけてそれがわからなくなっていっていた、というのが正しい。
でもラストにランボーの慟哭を持ってきたことで、この見方であってるんだよね、と確認できた。
しかしそうであるならば、こんなに派手に戦わせて、戦場エンタメとして観客を楽しませようとする意味がよくわからない。
エンタメ映画としての中盤の派手な描写と、主張したいテーマの食い合わせが悪いんじゃないか?と思った。
エンタメとして楽しませるところは楽しませつつ、重いテーマもしっかり扱っている作品も世の中にはあることはあるけど、それってほんとに難しいことなんだなと思いました。
エンタメとしての前半部分も、特殊部隊帰りのランボーが戦う相手が田舎の自警団ってのも、相手がしょぼくて緊張感に欠けるなー、と思って冷めてしまった。
自分が単純にドンパチするアクション映画にあんまならないが大きいとも思う。
全体としてどういう楽しみ方をしていいのかわからない、というのが感想。
そう言った居心地の悪さを抱かせること自体が目的といわれればすごいけど、そういうわけでもないだろうし。。。
もちろん当時の社会背景がよくわかってない若造の戯言ですので、いろいろ見て学びたいなとかも思いました。
スタローンの闇
40年振りに劇場鑑賞!!
日曜日
鑑賞日の10/27(日)、朝イチで衆議院総選挙の投票、午前中は大谷翔平のドジャース戦、午後は本作ランボー劇場鑑賞、夜は日本シリーズ観ながらの選挙特番と完璧な一日
しか~し、午後に劇場に到着し、メールからQRコードを起こし入場!のはずが、QRコードが出せない!?
調べると、何と二日前に予約した日にち付で買っていることが判明
「マジか!?」
ダメ元で係の人に聞いてみたら、何と大丈夫、とのこと!
「マジで!!」
大手シネコンなら確実にダメを出されるはずなのに、キネカ大森さんの懐の深さよ…
恐縮しながらの「ランボー」
サイコー!ランボー
保安官役のブライアン・デネヒーが今は亡き安部譲二にソックリでいい味
さすが、淀川先生推しの名優です(゚∀゚)
ランボー怒りの脱出、ランボー3怒りのアフガンも公開中だが、公開当時劇場で鑑賞済みだし、この時期のスタローンはロマンチック浮かれモードなので、まぁ観なくていいか…
オワリ
アメリカへの怒りから「アメリカ万歳」へ
覚えてないもんだなぁ
2024年劇場鑑賞270本目。
今週来週観たい映画目白押しで、正直一回観た今作はスルーするつもりでしたが、はしごで見事に時間がハマるのがこれしかなく、じゃあと鑑賞。
観て良かった、記憶半分くらいしかなかったー!もう自分でも呆れるくらいほとんどのシーン覚えていませんでした。ゴールデン洋画劇場で見たのである程度はカットされていたとは思うのですが、最後の説得のシーンの手前三十分は完全に記憶から飛んでました。
一般人だと思って虐げたらめちゃ強でしたという、リーアム・ニーソンお得意のジャンルの元祖だと思うのですが、ランボーシリーズでそれを満たすのは5作中最初と最後だけなんですよね。だからなめてた悪徳警官たちがどんどんやられていくのは気持ちいいのですが、誰一人後悔も謝罪もないのでカタルシスが少し足りないというところで4.5にしました。
トリロジー公開を
重いテーマ
2以降の戦争アクションと違ってベトナム帰還兵の苦悩と米社会の病巣がテーマです。
ほぼ全編アクションシーンであるにも関わらず、ランボー先輩の内面が非常にリアルに描かれています。
ベトナム終結わずか7年後、国中に帰還兵があふれている状況で悪者扱いされていた彼らの心情をテーマにしているので本国ではまずまずヒットに留まったようです。
日本人には決して理解できない事情ですが、ディアハンターや地獄の黙示録。後年のプラトーンとは全く異なった手法でアメリカ人の問題点を告発しています。
という感想がいえるのは現在60代以降のベトナムを知っている世代だからであって、知らない若い人が「暴力警官ヒドイ」とかアクション映画の観点でしか評価をしえないのは仕方がないでしょう。
ベトナム帰還兵の心を描こうとした反戦映画
「戦場では、100万ドルの戦車を任せてくれた!しかしアメリカに帰って駐車場の係すら任せてくれない!」
クライマックスでランボーが嘆くように吐き捨てたセリフ。これだけでランボーの置かれた状況、いやベトナム帰還兵が置かれている状況が痛切に響く・・・。本作はベトナム戦争に従軍した兵士が、アメリカに帰還後冷遇を受け、その苦しみを爆発的に描いた作品です。
ストーリーとしては、ベトナム帰還兵のジョン・ランボーは仲間を尋ねたが、戦争の後遺症で亡くなったのを聞き、近くの町に立ち寄った。しかしその町の保安官はよそ者を良しとせず、その仲間も職質と言う名の虐待を始めた。最初は黙っていたが、それを受けるたびに彼はPTSDを患っていたのかフラッシュバックのように戦地のことが頭によぎる。そして我慢できなくなった彼はついに反抗に打って出る。一度はランボーを取り逃がした警察だが、後の情報から彼は只者ではないことを知る。彼はグリーン・ベレーという米軍でも屈指の部隊に配属し、その中でも最強と謳われる英雄だった・・・てな感じです。
普通に見れば、最強軍人がただ街にやってきたのに保安官から浮浪者扱いされ虐げられ、それに対しゲリラ戦で猛反抗するというアクション映画です。しかし、この映画が公開された当時のことを考慮したうえで観ると、視点がガラリと変わります。
まず、ベトナム戦争に従軍した兵士は心的外傷ストレス(PTSD)を患う人が多かったこと。次に、アメリカ国内の世論はベトナム戦争に対し反対の声が非常に大きくなっていたこと。兵士は軍人としての職務を全うするために戦地へ派遣され、心の病を患うほどにまで戦ったのに、国に帰れば大多数を占める反戦派からバッシングを受ける・・・。
理不尽。ただその一言がよぎるんです。
ランボーの行動は、それに対する怒りやったんではないでしょうか。冒頭で紹介したセリフ、まさに彼らの心を表したものではなかろうか。崖からノースタントで飛び降りるなど(!!?)派手なアクションもありますが、自分はこの物語にじんわりとくるものがあると感じたんです。ただただ火薬を詰め込むだけやない、その裏に隠された人間としての苦しみ・葛藤を、じわっと描いているのが本作の良いところ。また敵役となる保安官も、ただの悪役ではない。なんやかんやで自分の街を愛している。ゆえに過激な行動にでているわけですが、ただの勧善懲悪的な展開になっていないところも好ポイントなんです。
映画は時にその時代のことを映し出す。歴史の本を読むように。本作は、当時のアメリカを反映した映画として、面白さ以上に価値がある映画やと自分は思うんです。
肉体で語るスタローン
It's A Long Road‼️
「ランボー」というフランチャイズが、ただ単なる血まみれ映画、ヤギの死骸と戯れるスポーツ映画になってしまう以前、この一作目はベトナム帰還兵の心の哀愁を描いた優れた反戦映画だった‼️自分がよそ者であること、ベトナム帰還兵であるというだけで、偏見と差別にあい、逮捕されてしまうランボー‼️怒りが頂点に達したランボーは山中へ逃走‼️ナメてかかった警察は地獄を見る・・・‼️崖から決死のスカイダイブ‼️樹木に掴みながら無事地面へ‼️寒い山中でシャツ一枚でのサバイバル‼️ホント目から鱗‼️自然を利用したゲリラ戦法に警察は手も足も出ず‼️あのギザギザナイフが欲しかった‼️一人ぼっちのランボーに手を差し伸べる、かつての上司トラウトマン大佐‼️これぞ理想の上司‼️ラスト、トラウトマンに自らの思いを涙ながらにぶつけるランボー‼️胸に染みます‼️現在のスタローンからは想像もできないくらい演技がウマい‼️「ロッキー」と並ぶ代表作をモノにしたスタローン‼️ここから彼の悪ノリ大将の歴史が始まります‼️
ベトナム帰還兵の姿
ベトナム戦争ではその高い戦闘能力やサバイバル能力で活躍したランボー。そして戦場には死線をくぐる中で強い絆が育まれた戦友もいた。彼にとっては戦場が居場所だった。しかし彼の能力は、一般社会に戻って来たら発揮できる場所が無かった。かつての戦友もいない。不器用な性格もあって社会に居場所を無くしたベトナム戦争帰還兵の姿がリアルに描かれている。
ストーリーは、PTSDによるフラッシュバックにより、思わず警察官に暴行を振るうことで戦闘につながるという、ランボーが戦うまでの動機づけがしっかりしている。また、最後の告白も痛ましい。そのような描写が、単なるアクション映画では無い深みをもたらしていて良かった。戦闘やサバイバルの描写もリアルなところが良い。森林の中でお手製の罠を用いたゲリラ戦を展開したり、熊を殺して食料にしたりするなど、タフな男のサバイバルが面白かった。
街並みが好き
人生で1番回数見た映画
意外と社会派作品。
子供の頃は結構観た。
2作目以降はスタローンの見せ所満載のアクション映画だけど、この作品は一応社会派的な要素もあり、良くできてる。
アメリカではチョイチョイ目にする理不尽な保守派の人達と帰還兵のPTSD。
アメリカの闇は相変わらず。
このランボーシリーズとロッキーシリーズは『自分の中で』同じような変遷をたどって面白い。
どちらも1作目は只のアクションじゃないけど、段々只のアクションに変わっていき、内容薄に。
子供の頃は2作目以降が面白く、大人になると1作目が良くなる。
そして両シリーズ共にあんな好きだったのに最後はどうでも良くなり最新作品は観てない。
両シリーズ共にこすり倒されて1作目とは違った物になりカスカスに…。
【故国の命により、ベトナムで熾烈な戦いをした男の、故国に戻ってからの孤独、哀しみ、怒りを見事に描き出した作品。】
ー 内容は巷間に流布しているので割愛。
だが、今作はベトナム戦争終結時のアメリカのベトナム従軍兵に対する扱いを映画制作陣が怒りを込めて叩きつけた社会派エンターテイメント作品である。-
■ベトナムでグリーン・ベレーとして活躍したランボー。
ある日、ベトナム時代の戦友を訪ねたが、戦争の後遺症ですでに死んでいた。
近くの街に立ち寄ったランボーは、警察署長・ティーズルたちにばかにされて陵辱され、ついに耐え切れずに逆襲に出る。
◆感想(シンプルに・・)
・ラスト、10分。ランボーが且つての指揮官トラウトマン大佐に訴えかけるシーンは何度観ても、心に響く。
”何も変わっていないんだ!”
”必死に闘って、空港に戻ったら避難轟轟だ!”
”惨めだよ・・”
<今作が、アメリカ映画界に与えた影響は「タクシー・ドライバー」と並んで多大なるものがあり、その後、アフガニスタン戦争、イラク戦争後も同様の戦時PTSDに悩ませるアメリカ兵を描いた作品が多く描かれた。(近年で言えば「アメリカン・スナイパー」など)
エンドロールで流れる”It's a Long Road"が、哀しく心に響く作品である。>
不死身のランボー
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