ラ・マンチャの男

劇場公開日:

解説

一九六五年十一月、ブロードウェイで初演以来、ニューヨーク演劇批評家賞を始めさまざまな賞を獲得し、ブロードウェイ、オブ・ブロードウェイで五年間のロングランを続けた『ラ・マンチャの男』の映画化。製作総指揮はアルベルト・グリマルディ、製作・監督は「ホスピタル」のアーサー・ヒラー、脚本はデイル・ワッサーマン、撮影はジュゼッペ・ロトゥンノ、音楽はミッチ・リイ、作詞はジョー・ダリオン、ミュージカル監督はローレンス・ローゼンタール、衣裳はビットリオ・ガイタ、美術はルチアーノ・ダミアニ、振付はギリアン・リン、編集はフォーマー・ブラングステッドが各々担当。出演はピーター・オトゥール、ソフィア・ローレン、ジェームズ・ココ、ハリー・アンドリュース、ジョン・キャッスル、ブライアン・ブレスド、イアン・リチャードソン、ジュリー・グレッグ、ロザリー・クラッチリー、ジーノ・コンフォルティ、ドロシー・シンクレアなど。日本語版監修は清水俊二。テクニカラー、七〇ミリ。

1972年製作/イタリア
原題または英題:Man of La Mancha
配給:ユナイト
劇場公開日:1972年12月16日

ストーリー

作家としても詩人としても、また税収吏としても失敗した失意のミゲル・デ・セルバンテス(P・オトゥール)は、教会を攻撃した罪でセビリアの牢獄にぶち込まれ、宗教裁判を待つ身となった。牢の中の泥棒、人殺し、売春婦、牢名主(H・アンドルース)の命令により模擬裁判を開き、セルバンテスの所持品を押収しようとした。その中には大切な「ドン・キホーテ」の原稿もあった。彼はそれを守るため、芝居の形式で自らを釈明し、人生に対する自分の態度を説明したいと申しでた。“裁判所”はこれを許可し、早速セルバンテスと彼の忠実な召使マンセルバント(J・ココ)は扮装して、ドン・キホーテとサンチョ・パンザに早変りし、他の囚人たちも役をもらって、いよいよ物語が始まった。--スペインの田舎を「ラ・マンチャの男」を歌いながらいく奇妙な主従がいた。甲冑に身を固めた老人ドン・キホーテと人のいいデブの従者サンチョ・パンザだった。騎士道精神を復活させ、悪しきをくじき、正しきを助けようと武者修業の旅にでたのだ。やがて二人は宿屋に着いた。ドン・キホーテはこれを城だと思い込み、宿屋の女中でパート・タイマーの売春婦アルドンサ(S・ローレン)を理想の女性ドルシネア姫とあがめたてまつった。一方、キホーテの故郷では姪のアントニア(J・グレッグ)と家政婦(R・クラッチレイ)に頼まれて、神父(I・リチャードソン)と、アントニアの婚約者サンソン・カラスコ(J・キャッスル)が気のふれたキハナ老人(ドン・キホーテ)を連れ戻すために旅立った。その頃、アルドンサはドン・キホーテの理想主義に次第にかぶれだし、辛い現実から逃避して夢を見るようになった。宿屋に辿りついた神父とカラスコ医師はドン・キホーテを正気に戻そうと、異様な装束の鏡の騎士に扮してドン・キホーテに決闘を挑んだ。彼は、鏡を見て遇かな気違いの姿に気づいた。ドン・キホーテと称したキハナ老人は破滅し、死の床についた。アルドンサは病室に押し込み、もう一度ドン・キホーテに戻り、自分に与えてくれた輝かしい夢をとり戻してと哀願した。彼の夢と情熱が甦ってきた。冑と剣を持て! キホーテとサンチョはドルシネア姫のために旅立とうとした。「ラ・マンチャの男」を歌いながらキハナ老人は息絶えた。しかしアルドンサの胸の中にはドン・キホーテは生き続け、彼の愛と信念は彼女をすっかり変えてしまった。--再び牢獄の中。罪人たちはセルバンテスの物語に深く感動し、原稿を返してくれた。本物の裁判に呼びだされるセルバンテスをドン・キホーテの「見果てぬ夢」を合唱しながら見送ってくれるのだ。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

第30回 ゴールデングローブ賞(1973年)

ノミネート

最優秀主演男優賞(コメディ/ミュージカル) ピーター・オトゥール
最優秀助演男優賞 ジェームズ・ココ
詳細情報を表示

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画レビュー

2.0詩人と変人は似てるのか・・・

2021年8月5日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 アロンソ・キハナ(ドン・キホーテ)と従者サンチョと 名馬のロシナンテ。風車に向かって突撃する。アルドンザ、ドルシネア。  ミュージカルは好きなのに、音楽が自分に合わなかった・・・

コメントする (0件)
共感した! 0件)
kossy

3.5中盤以降面白くなり終盤はさすがピーター・オトゥールとソフィア・ローレンだと感嘆させられる

2019年2月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

少々取っつきにくいミュージカル映画かもしれない 中盤以降面白くなり終盤はさすがピーター・オトゥールとソフィア・ローレンだと感嘆させられる しかし映画的に何が出来るのかに拘り過ぎているように思う それが決して成功していないからだ 肝心のミュージカルがおろそかになってはいないか ミュージカルの快感があまり得られないのだ これではミュージカルの舞台にはかなわないだろう

コメントする (0件)
共感した! 0件)
あき240

3.5見果てぬ夢

2017年5月27日
Androidアプリから投稿

印象深いミュージカルですね ソフィアローレンのスケールある演技 ピーターオトゥールの滑稽さ 今でも思い出しますね。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
シモカツ

4.0映像がやや暗いが、内容は力強い

2014年5月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

知的

ブラックなユーモアがある作品。狂気のせいもあり人生の見えざる敵に立ち向かう姿は同感する。ドン・キホーテ・デ・ ラマンチャのささやな冒険。高潔な騎士の狂気と高貴さは笑えると同時に少し哀しくなる。またソフィア・ローレンの素晴らしいスタイルばかりかツンとした意思の強い演技も光る。また「見果てぬ夢」のメロディや歌詞は味わいがある。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
ヤマザマン