ライフ・イズ・ビューティフルのレビュー・感想・評価
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悲しい中の幸せ
私の好きな映画に入る作品。
とにかく主人公が明るい。みていてミスタービーンのようなチャップリンのようなクスッと笑ってしまうところがたくさんある。
そのチャーミングな姿で、みごと妻を手に入れた。
そんな中に悲しく重いテーマのユダヤ人迫害。
働かされ過労死するものや殺される人々。
父は幼い息子を守るために、可愛いゲームを作ってなんとか生き延びる方法を見つけようとする。これも最初の伏線がまたいい。
ポップで楽しい恋愛映画からテイストががらりと変わって生きるためにどうすればいいのか、となる。
離れ離れになった妻への愛のコール。
僕たちは元気だよと伝える何もわからない息子。
重く難しいテーマだが、私でもわかるようなストーリーになっている。
最後、戦争が終わったのか、負けたのか、解放される時がくる。
ただ最後は父親は息子の前で笑いながら死ににいく。
とてもショッキングだった。
あそこで死んでほしくなかったけど、これがあったからこそこの映画に重みが出たのだ。
最後は死なずに、なおこの重さを残すことができたら私の中で満点のだった、、。
最後は父親のいうとおり、千点集めて戦車が見れた。嘘つきだけれど、息子には嘘はつかなかった。
たまに見たくなる映画。
何度も、何年も見てしまう。
ギャップが凄くて。。
どんな状況でも明るく前向きに生きる主人公の姿はとても素敵だ。
息子の為にヤケにならず最後までゲームを続ける姿、最後まで悲しい思いをさせない
姿は理想の父親像だと思う。
また、こんな状況下でも妻に僅かでもいいから、自分の存在を示そうという姿勢も
男としてかっこいいと思う。
ただ、収容所の状況は映画よりもずっと悲惨だったろうし、
あの様な環境下で主人公の明るさが逆に異様にも見える事は否めない。
状況が状況だけに主人公のおちゃらけが収容所の悲惨さをある意味馬鹿に
している様にも取られかねないとも思った。
収容所の他の人たちが主人公に寛容だな思ったし、
気に触って怒る人が居ない事を、人の優しさが描かれている
と捉えることも出来るが、自分的には不自然に感じたのは
自分の心の狭さだろうか、
終始明るく振る舞う主人公が最後、銃殺されてしまう結末は
ある意味、順当なのかもしれないが、あそこまでおちゃらけて居るのなら
最後は家族揃ってのハッピーエンドが相応しい作品ではないかと思った。
前半のコメディ展開から後半の収容所の悲惨さへの落差が
個人的には追いつけない感じがあった。
しかし、少年に思いはまさにライフイズビューテュフルであろう。
これ以上にない父親の父親のあり方は少年の人生を美しく彩らせる
姿に違いない。
父が遺してくれたこと
この作品の監督でもあり、主演グイドを演じたロベルト・ベニーニと、美しい妻ドーラを演じたニコレッタ・ブラスキのお二人が、実生活でもご夫婦だという事に驚き、感動がより深くなりました。
愛情に溢れた優しい眼差しは「本物」だったのですね。
愛息子ジョズエを演じたジョルジオ・カンタリーニの無垢な表情が、作品の透明感を増す。
深い愛情に満ちた記憶は、どこ迄も優しい。
NHK - BSを録画にて観賞
犠牲になる覚悟
この映画は私が幼い頃に見た映画で、すごく衝撃を受けたことを今でも覚えている。
ホロコーストについて詳しく描写しつつも、その中で懸命に生きる親子の愛が伝わってきた。
特に子どもを守るために自分が犠牲になって、殺されてしまうシーンに、親からの無償の愛を感じた。
悲惨な収容所描写は無いものの…
ユダヤ人強制収容所にまつわる映画は
「シンドラーのリスト」「サウルの息子」
等々、山のようにあり、
これまで数多く観賞したが、ある意味、
この映画が収容所実態の描写からは
一番離れた作品かも知れない。
フランクルの著書「夜と霧」や、
同名のアラン・レネのドキュメンタリー映画
等に接することにより、
この収容所の状況が、
この映画を遙かに上廻る悲惨な環境だった
ことを我々は知ることが出来る。
この作品は、日常的な命の略奪はもとより、
飢え、凍え、不衛生等の環境上の地獄絵図や、人間の尊厳剥奪等の悲惨な状況を
ほとんど描写しない、
ロベルト・ベニーニが爆発だぁ的
一人芝居映画と言えるだろう。
しかし、このことでこの映画の価値が
否定されることも無いだろう。
どんなに過酷で厳しい環境でも、
家族を思い、家族のために、
常に明るくポジティブに生きることの
崇高な価値を教えてくれるのが
この映画の真髄で、涙も誘う。
しかも、主人公が結局は殺されてしまう
ところに単なる“つくり話”では済まさない
との、監督ベニーニの意志も感じる
ことが出来た。
因みに、私の一番大切な
ユダヤ人強制収容所関連映画は
「ソフィーの選択」です。
どんな状況にあっても、人生は生きるに値するほど美しい
ドイツ衛兵に連行されながらも、おどけた表情で滑稽な姿で歩き始めた瞬間、ドバドバって来た。
人が、それを美しくしたいと思う分だけ
人が、美しくしようとした努力の分だけ
美しくなるのが人生。
それを苦しいと思えば思う分だけ苦しくなり
努力は無駄だと思えば思う分だけ虚しくなる
それが人生。
そんな映画でした。
とにかく、人生は己の心次第だって事で。
そこでですよ。グイド役を務めたロベルト・ベニーニ(監督兼脚本)は、「どんな状況にあっても、人生は生きるに値するほど美しい」という、ロシア人革命家レフ・トロツキーの言葉に、この物語の着想を得たそうです。
で、そのレフ・トロツキーとはどんな人物だったのか。トロツキーはロシア帝国時代にウクライナで生まれた革命家。ユダヤ人一家に生まれ、学生時代にマルクス主義に触れ共産主義運動に加わり、「君主制の打倒を目指す」勢力に身を置きます。ロシア革命までは逃亡生活を送る身の上。WWⅠ開戦時には「反戦」の立場を取りますが、彼自身は、レーニンの死後「赤軍」を創設し「白軍」との内戦を経て革命政府の中心的人物となります。
スターリン勢力との権力闘争に敗れたトロツキーは、カザフスタンへ国外追放。その後、トルコを皮切りに海外を転々。体制に批判的なトロツキーを快く思わないスターリンは、彼の元に刺客を送り込みます。変わらんよね、ロシアって。トロツキーの長男は留学先のパリでNKVDの刺客により殺害されています。1940年、トロツキーは逃亡先のメキシコで暗殺されましたが、当時トロツキーは日本への亡命目前であったとのトンデモ話すらありました。「国際社会主義運動の組織化」に乗り出そうとしていたとあれば、日本への亡命はあり得ない話ですけどね。
この映画に着想を与えた言葉は、スターリンが派遣する暗殺部隊の攻撃に曝されていたメキシコに居た頃のものの様です。思想的には「玉虫色」な印象もあり、一貫性に疑問を覚える行動もあるのですが、当時、機関銃乱射で自宅を攻撃されるような状況にありながら、「どんな状況にあっても、人生は生きるに値するほど美しい」なんて、よくぞ言えるもんだと思う訳で。これは尊敬に値します。
人生を生きて生きて生き抜いた
現実は非情だ
悲しみは世の中に溢れている
大小あれど、悲しいなと思えば、それは悲しいことになる
どんなに辛く、苦しく、死にたくなるような時だって、
人生は美しいはずなんだ
生きるとは…
とことん生き抜いた1人の人生
前を向くことの大切さ、大変さ、
自分が辛い時、彼の笑顔を思い出そう。
ありがとう。
残酷ながらも愉快で美しい映画。
残酷ながらも愉快で美しい映画。
あらすじ
1939年、ユダヤ系イタリア人のグイドは、小学校の教師ドーラに恋をする。彼の純粋さに惹かれた彼女は結婚を承諾。やがて可愛い息子も生まれ、3人は幸せな日々を送っていた。そんなある時、彼らに突然強制収容所への収監命令が下る。
グイドのユーモアに富んだ自由な生活っぷりが面白い。突然空から降ってきたドーラに恋をし、そのあと自転車でドーラとぶつかったり、将校のふりをして潜入した小学校で偶然ドーラに会い、彼女の予定を聞き出したり、ドーラの婚約パーティーで馬に乗ってきて彼女をさらってしまったり、、謳い文句のとおりに御伽噺のような、現実で考えたら破天荒な彼に魅了された。
強制収容所に送られても、息子を安心させるために”これはゲームだ。一等になったら戦車が貰えるんだよ。”と、嘘をつく。また、引き離された妻のためにナチス軍の隙をついてスピーカーで自分と息子の無事を知らせたり、給仕会場のレコードプレイヤーを外に向け、思い出の曲を流したりする。
苦境においても、知恵とユーモアを駆使して人々を楽しませることの素晴らしさや美しさを感じた。
最後に彼がナチス軍に殺されるところも、息子に受け継がれるものを表しているようでよかった。
陰鬱な時代をコミカルに描いた傑作
とても情熱的で、ユーモア溢れる楽しいお父さん。出会って恋に落ちてから、それこそ魔法使いみたいな仕掛けでお母さんのハートをキャッチする彼。見てるこっちが思わず微笑んでしまう。
そんな前半のコミカルな伏線が、後半の暗い状況での希望になる。
いろんな仕掛けで、不安な子供に収容所の生活を楽しいゲームだと思わせるお父さん。明石家さんまさんの、『さとうきび畑の歌』にもちょっと通じるものがある。
悲しいはずなんだけど、見終わったあとに残るのはあったかさ。最後の満点の、子供の笑顔。そこで改めて、なんだかこの作品の題を思い出した。ああ、『ライフ・イズ・ビューティフル』、なのか、と。
脆く儚く尊い
鳥肌が立った。
本作は、第二次世界大戦下のユダヤ人迫害を、ユダヤ系イタリア人の親子の視点から描いた作品である。
ホロコーストに怯えるジョズエに父グイドが、
「これはゲームなんだ。良い子にしていたら勝てる」
と励まし勇気づけるのである。
戦争が終わりナチスが撤退する中、ジョズエとグイドが逃げようとして見つかってしまったシーンを、私は生涯忘れることはないと思う。
グイドの背中に銃を突きつけられ殺されると分かってもなお、まるで喜劇の主人公のように、
怯える息子ジョズエの前を戯けて通る様子に、
父の愛、1人の男としての勇気と覚悟を感じた。
グイドは実際、殺されてしまうのだが、
この作品の儚さは何故か神秘的で美しくさえ感じた。
フィクションであるが、リアル。
人の命は脆く儚く尊い。
私たちはその重みをどれだけ感じられているだろうか。
単純に感想が言えない
ストーリーは素晴らしい。父親の、どんな状況もユーモアで切り抜け、生き抜き、息子を生き延びさせた力に感動する。死ぬ間際でも、おどけて行進する姿を息子に見せる、その強さを思うと泣ける。そうだ、あくまで、父親の感性と息子を思う気持ちに感動するのであって、ユダヤ人の収容所のことに関しては、一連を見て簡単に感動したとか泣けたとか言っちゃいけないし言いたくないと感じた。映画として扱うこと自体云々、、とか、考え出したらキリがなくなりそうで、でもこれがいい映画だということも確かで、だから一言で感想なんて言えない。最後まで観て、冒頭をもう一度観るといい。
最後のシーンがじわっと来る
子供の反応が、あまりにもリアルで
「内容を(映画の内容)を全く知らせないまま撮ったのか?」と思った。
でもそう・・・思う。
この役者の素性が何故か伏せられてるし。
家族愛をテーマにした映画はイタリア映画の右に出るものはないでは。
と思いました。
ゴッドファーザーしかり(※イタリア系アメリカ人の悲哀の物語)
ニュー・シネマ・パラダイスしかり(※アルフレードとトトは父と息子っぽい)
...
前半はあまりにも主演がハイテンションすぎて
「ついていけないよーこれがイタリア男性かー^^;」
とハラハラしたのですが、
完っ全なフラグだったんですね。。
恐れ入りました。
コメディはコメディなんだけど
その場ですぐに嘘が思い付くところがなんか
知性を感じる。
主人公。
ホロコーストはあれくらい軽いのが丁度良かった。
あれが史実に少しでも近かったら、返って良さが白けるところだったというか。
重すぎる暗すぎる後味悪い映画になっていたと思います。
あれくらいが丁度いい采配でした。
...
最後のセリフはもう・・・
愛あふれる映画
再鑑賞。
すばらしい映画だと思います。
前半はコメディタッチに声をだして笑うもロマンティック。
後半は強制収容所でもなお子と妻への愛あふれるグイドの想いに心を奪われました。
子を想う父親が我が子のために嘘をつき続け、嘘をも真へと変えていくグイドの努力が報われ、妻と子と3人で抱き合うシーンが観たかった。グイドが殺されてしまったことは残念で残念で・・・。
本物の戦車を目の前に、ゲームに勝ったと思いこんでいるジョズエの目を輝かせた笑顔がとても印象的。
笑顔にさせたのは父親グイドの愛です。
最後まで愛あふれる映画でした。
人生は、美しい
思い出しレビュー40本目。
『ライフ・イズ・ビューティフル』
戦時下のヒューマン・ドラマの名作の一つ。
陽気なユダヤ系イタリア人のグイドは、小学校教師のドーラに一目惚れ。猛アタックの末、結婚。男の子ジョズエも産まれ、幸せな日々を過ごす。が、日に日に戦争が忍び寄り、一家は強制収容所に送られる…。
大人でさえ恐ろしい強制収容所。
子供にとっては尚更だろう。何も分からないから、余計怖い。
父がある嘘をつく。
これはゲームなんだ、と。
上手くゲームすれば、最後にご褒美が貰える。
するとそこは、ジョズエにとって毎日楽しい遊び場に。
子供を怖がらせない為、守る為。
辛い状況下でも、常に明るく。
父グイドの姿が胸を打つ。
ロベルト・ベニーニの好演。
ジョズエ役のジョルジオ・カンタリーニくんの愛らしさ。
テーマ曲も心に残る。
作品自体も素晴らしいが、“その後”によく思いを馳せる。
「私の物語」と始まる、大人になったジョズエの回想。この時の事を思い出して、何を思ったか。
当然成長するにつれ、あれがゲームではなく、本物の強制収容所である事は分かっただろう。
そしてゾッとしただろう。もしかしたら、死んでいたかもしれない。
あそこで生き延びる事が出来たのは、全て父が居たから。
母とは再会出来た。が、父は…。
おそらくジョズエは、何度も何度も涙しただろう。
父が命を懸けて自分を守ってくれた事に。
何度も何度も、感謝しただろう。
永遠に亡き父を愛し続けるだろう。
美しい父の愛。
美しい物語。
美しい映画。
人生は、美しい。
素晴らしかった
それこそ公開当時にレンタルビデオで見て、2回目。大まかにしか覚えていなかったのでスクリーンで改めて大感動してボロ泣きした。見終わって席を立って後ろを振り返るとお客さんがみんな涙をぬぐっていた。
演説の通訳の場面が最高に面白くて泣ける。
荒唐無稽なところはなくはないけどそれを有耶無耶にするほどの泣かせ力があるので気にならなかった。ただ、自分は子どもがいていいけど、他の子どもと引き離されたおじさんたちは余計つらいのではないだろうか。
最後は、収容所から出なくてそのままベッドでこそこそしていたら死なずに済んだのではないだろうか。
認識を自分色に染め上げる男
主人公が魅力的。童話のように恋に落ち、正面から愛を伝え、心から人生を楽しむ男。人生を自分色に染め上げる魅力を前半で提示。愛する妻子のため、次に彼は強制収容所を自分色に染める。現実をどう認識するかで楽しくも苦しくもなるという話。視聴前は後半部分だけで全編作る映画のイメージだったので、正直前半部分が退屈だった。
2回目ですが、以前ほどの感動は・・・
最近2回目を観たんですが、以前ほどの感動がありませんでした。(1回目は二十歳くらいの時に)
ホワイトレイを貫き通す父親のキャラクターはいいんですし、周囲が子どものために動くようになる流れは好きなんですが・・・。
ユダヤ人収容の歴史自体をエッセンスにする必要があるのでしょうか。
恥ずかしながら、久しぶりに号泣してしまいました。
他の方のレビューにもたまに出ているように、すこし現実的では無いエピソードもありましたが、素直に涙無しでは観られない映画でした。
個人主義な現代の日本に生きていて、本当に心を打たれました。
家族3人仲良くいつまでも暮らして欲しかったのが叶わず残念でしたが、でもドーラ、ジョズエ2人の心の中にはいつまでもグイドの笑顔は生きていくんだと思うと少し救われました。
イタリア映画の伝統色が濃い、反差別の家族愛物語
戦後のイタリア映画の伝統から外れない名作。1939年のイタリアを舞台に、映画の前半は典型的?ユダヤ系イタリア男の愛一途のラブコメディ調は達者な役者陣によって退屈しない。後半は、その主人公が忍び寄ったナチズムによって妻や子供とともに強制収容所送りとされたが、家族の命を守るためにできる限りの努力を惜しまなかった。ナチス解放後の母と子の再会シーンは泣けてしまった。
戦争の悲劇に結びつく民族差別の愚かさを忘れてはならないことを、この映画も教えてくれている。子供や自転車が出てくるシーンはイタリアの旧名作「自転車泥棒」を思い出させた。
全56件中、21~40件目を表示