「ライオンである必要があるかな」ライオン・キング(1994) Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
ライオンである必要があるかな
総合:60点
ストーリー: 50
キャスト: 65
演出: 60
ビジュアル: 70
音楽: 75
ある(ライオンの)王国には優秀な国王とその幼い一人息子がいて、でも国王の弟は屈折した邪悪な心の持ち主で王国の乗っ取りを企み、象の墓場と呼ばれる隣国には悪そのものなやつら(ハイエナ)がいる。野生の国というよりはあまりに人間の世界そのもの。しかも善と悪の対決という、くっきりと境界線が引かれた昔ながらの人間の物語の世界である。そして動物たちがミュージカル仕立てで歌って踊りだすし、こんなに人間らしい話をわざわざライオンの話にする必要があるのかなという疑問がまずおきる。
そしてもう一つの疑問は、ハイエナを徹底的に悪者扱いすること。人類が誕生するよりはるか昔からハイエナは野生の世界において役割を持って生存してきているわけで、こんなものを何も知らない子供が見たら、ライオンはいいやつでハイエナなんてものは自然界に不要な嫌な生き物だと勘違いしてしまわないかと不安になる。ディズニー作品でもあるわけだし、人間の価値観には善と悪でも、野生の世界を舞台にするからには、そんなものを勝手に強要することなど出来ないということを最低限考慮して物語を作って欲しかった。
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