夜の子供たち

劇場公開日:

解説

泥棒一族に生まれ、反発から刑事になった男と彼の愛人の不良娘、その同性愛の恋人である哲学教授をめぐり、人間たちの愛憎をみつめる群像劇。監督は「野性の葦」のアンドレ・テシネ。製作はテシネの全作品を手掛ける「とまどい」のアラン・サルド。脚本はテシネと、「海辺のホテルにて」「野性の葦に」に続き三度目のコンビとなるジル・トーラン、脚本協力に刑事出身で実体験から犯罪に詳しいミシェル・アレクサンドル、「パリでかくれんぼ」のパスカル・ボニツェール。陰影を生かした渋い撮影は「野性の葦」に続きジャンヌ・ラポワリー。音楽はアラン・サルドの弟で兄の製作した作品のほとんどを手掛けている「とまどい」のフィリップ・サルド。衣裳はポルトガル出身の名プロデューサー、パオロ・ブランコの妹である「メフィストの誘い」のゼ・ブランコ。衣裳は「仕立屋の恋」のエリザベート・タヴェルニエ。出演はテシネの前々作「私の好きな季節」の主演コンビ、「メフィストの誘い」のカトリーヌ・ドヌーヴと、「八日目」のダニエル・オートゥイユ、「パリでかくれんぼ」のロランス・コートほか。

1996年製作/117分/フランス
原題:Les Voleurs
配給:コムストック
劇場公開日:1997年5月31日

ストーリー

アルプス山中。ある晩、少年ジュスタン(ジュリアン・リヴィエール)の家に、父イヴァン(ディディエ・ブザス)が射殺されて担ぎ込まれた。一年前。イヴァンの弟でリヨンの刑事アレックス(ダニエル・オートゥイユ)は万引きで捕まえた少年のような娘ジュリエット(ロランス・コート)と、愛のない情交を結んでいた。一方、ジュリエットは大学で哲学を教えるマリー(カトリーヌ・ドヌーヴ)と愛し合っていた。イヴァンの死で、アレックスはジュリエットを伴って実家に戻る。家族で強盗団を組織する一族のなかで、アレックスは孤独だ。一方ジュリエットの兄ジミー(ブノワ・マジメル)はイヴァンの手下で、イヴァンは彼女を愛人にしようとしていた。ジュリエットはアレックスに自分もイヴァンが殺された現場にいたと明かし、マリーの家に向かう。マリーは情緒不安定のジュリエットになす術がなく、前夫の精神科医に預けたが、ジュリエットは姿を消した。その半年前から、マリーはジュリエットに自分の前半生についてインタビューし、そのテープを本にまとめようとしていた。イヴァンは大規模な自動車窃盗計画にジュリエットも参加させようとし、ジミーは反対する。だがジュリエットは兄に反して参加、その決行の夜彼女が警備員に勘づかれ、イヴァンが射殺された。イヴァンが荼毘に付されているあいだ、ジュスタンは火葬場を抜け出す。やはり出てきたアレックスとジュスタンは散歩し、二人のあいだに束の間の心の交流が生まれる。だがジュスタンはやはり警察になった叔父を受け入れられない。アレックスとマリーはジュリエットの行方をめぐってたびたび会うようになり、彼は彼女を家に招待さえする。彼女は大学をやめてジュリエットの本の執筆のため自宅に閉じこもる。そこをアレックスが訪ね、彼女は助かるだろうと伝えるが、マリーはもう彼女には会つつもりはないという。まもなくマリーは自宅の窓から身を投げて死に、数日後原稿とテープがアレックスに届けられた。それをジュリエットに届けるため、アレックスは彼女がいるマルセイユに向かう。だがマルセイユの本屋で別人のように自信にあふれて働く彼女の姿に、アレックスは名乗りもせずに帰ってしまった。そのとき初めて、彼はマリーがジュリエットのためでなく、自分のためにこのテープと原稿を送ったことを悟り、読みはじめた。山の中の泥棒一家では、イヴァンに代わりジミーが一家の中心になろうとしていた。ジュスタンの母ファビエンヌ(ファビエンヌ・バーブ)とジミーは特別な関係になったようだった。そしてジュスタンもまた、ジミーへの自分の強い愛情に戸惑い始めていた。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第49回 カンヌ国際映画祭(1996年)

出品

コンペティション部門
出品作品 アンドレ・テシネ
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