夜霧の恋人たちのレビュー・感想・評価
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ちょっと気分の上がる楽しい映画
「大人は判ってくれない」のアントワーヌ・ドワネル君シリーズの3作目。
タイトルからして、純恋愛とっぷりなのかと思ったら、コミカルな部分もあり結構楽しい映画でした。「大人は判ってくれない」のアントワーヌを思うとだいぶと雰囲気がコメディタッチになっていて、ちょっと安心?したような気分です。
態度が悪く軍隊をどうやらクビになってしまったアントワーヌ。友達以上の女子クリスティーヌがいるのですが、なかなか、モノにできない。クリスティーヌの両親からは気に入られているようで、ホテルのフロントの仕事を紹介してもらう。これも長続きせず。この仕事の解雇の原因を作ったのはとある私立探偵。そこで私立探偵の仕事に就いたのですが、あれこれな出来事に遭遇。これがまた面白いです。靴屋さんに潜入捜査員として雇われたものの、靴店の夫人に首ったけになっていまいます。
ドワネル君、何やら事が一段落するたびに、コールガールとホテルで過ごすんですが、自分が決めた儀式なんでしょうか。女性からすれば、ステディがいるのに人妻と関係を持ったり買春したりで信じられないところがありますが、運まかせで生きているアントワーヌ、憎めないです。
デルフィーヌ・セイリグ、ゴージャス過ぎ!
やはり、この映画は、デルフィーヌ・セイリグが、あまりに白眉。
社長夫人というより、憧れの美人女優セイリグここに降臨!と見えてしまう。
しかし、金持ちなのに着てる服が毎回、一丁羅のシャネル・スーツじゃあ、すっかり手抜き。
安いドラマ作品じゃあるまいし。
失恋のショックで兵役に志願後、戦線に放り込まれるのが嫌で脱走兵になったり、他にもアノ「はい、ムッシュー」の体験など、今回も自伝的な要素はあるらしいが、全体はコメディ路線へ変更。但し特に爆笑は起きない。
あの靴屋の社長、今で言えば、ADHDなどかもしれんけど、もっと人物を掘り下げれば、喜劇と悲劇のコペルニクス的転回も可能だったはず。
やはりセイリグに尺を持っていかれたか。
あと、ラストのストーカー、エキセントリックなギャグのつもり?それとも次回作への伏線?
そして、あの邦題、訳わからん。
夜霧なんて全く出てこないし、単純にデートムービーにしたかっただけか。ちょーテキトー。
原題の直訳で『盗まれた接吻』(冒頭のシャンソンの歌詞からの引用)の方が粋に決まってるだろ。
この頃から洋画の邦題が迷走?
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