幽霊と未亡人
劇場公開日:1949年4月
解説
「ローラ殺人事件」「激闘」のジーン・ティアニー「アンナとジャム王」「茶碗の中の嵐」のレックス・ハリソン及び「謎の下宿人」「激闘」のジョージ・サンダースが主演する映画で、R・A・デイック作のベスト・セラー小説を「ボストン物語」「雨で降る」のフイリップ・ダンが脚色し「王国の鍵」「ボストン物語」のジョセフ・L・マンキウイッツが監督した1947年作品である。音楽は「アンナとシャム王」のバーナード・ハーマンが作曲し「北海の子」のチャールズ・ラングが撮影を監督した。助演者は「ボストン物語」のヴアネッサ・ブラウン「肉体と幻想」のアンナ・リー「天国への階段」のロバート・クート、英国女優のエドナ・ベスト「生きてる死骸」のイゾベル・エルソムその他である。
1947年製作/アメリカ
原題または英題:The Ghost and Mrs. Muir
劇場公開日:1949年4月
ストーリー
今世紀の初めごろの話である。若い美しい未亡人のルーシー・ミューアは、親類達の反対をおし切ってロンドンを去り、さびしい海岸のホワイトクリフに移り住んだ。8つになる娘アンナと家政婦のマーサと犬のランミーだけを連れて、ダニエル・グレッグ船長の幽霊が出るという問題の邸を借りたのである。うわさにたがわず、閉めたはずの窓が夜半に開いて、吹きこむ風にルーシーは目を覚した。また台所で、ローソクの火が、続いてガス燈が、最後のストーブの火が、燃し続けようと彼女が何度、努力しても消えた。気の強いルーシーは目に見えない幽霊に呼びかけたのである。弱い女を卑きょうな手段でおびやかすのは、やめてちょうだい。するとクツクツ笑いながらグレッグ船長の姿が現われた。彼の言分は、窓を明けたのは彼女を救うためである。というのは世間は自分を自殺したと言うが、実は、眠ってる間にガス・ストーヴのせんを足でけ開けたためである。しかし彼は愛するこの家を人にまかせる気は全然なく、追い払うためには手段を選ばないつもりだという。ルーシーもこの家を愛する度合では負けないつもりだと涙と共に主張したので、船長はある期間、彼女の真情をためしてみると約束した。かくて奇妙な関係が生じ、この家の家政について毎夜ルーシーと船長は論争した。ところがある日、彼女の親類達がやって来て、彼女の財産が無くなり、もう仕送りは出来ぬと申し渡すと、船長は彼女に止まれと加勢した。彼はルーシーを経済的に自立させるために力を貸すこととなり、彼の水夫生活を小説に書かせることとなった。1冊の本にまとまる頃には、困ったことが出来てしまった。彼女は幽霊に恋をしてしまったのである。ダニエル・グレッグの幽霊は、その解決策として彼女にロンドンへ行って男と交際するがいいと勧めた。ルーシーはロンドンへ行き出版の契約をし、マイルス・フェイヤリーという作家と知り合った。彼は彼女を送って来たが、グレッグ船長は早速その真似をして、彼を香水をつけた客間の蛇とののしった。マイルスは近くに家を借りてルーシーに取り入り始めたが、幽霊はこれをはなはだ遺憾とした。ルーシーがマイルスと結婚の意志があることを発表すると、彼を嫌っていたアンナもマーサーも舌うちした。そしてその夜、彼女が眠っている時、幽霊もべい別を宣した。その後間もなく、マイルス・フェイヤリーが結婚していて子供が2人あることが分かり、幻滅を感じたルーシーはグレッグ船長が帰って来ればいいと願った。しかし、幽霊は再び現われなかった。年月が流れ、アンナは結婚し、ルーシーとマーサに来て一緒に住んでほしいと頼んだ。けれどもルーシーはこのなつかしい幽霊屋邸を離れる気持ちはなかった。そしてそれから間もなく、ルーシーは愛するグレッグと一緒になった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ジョセフ・L・マンキウィッツ
- 脚色
- フィリップ・ダン
- 原作
- R・A・ディック
- 製作
- フレッド・コールマー
- 撮影
- チャールズ・ラング
- 音楽
- バーナード・ハーマン
- 編集
- ドロシー・スペンサー
-
Lucy_Muirジーン・ティアニー
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Chost_Of_Capt_Daniel_Greggレックス・ハリソン
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Miles_Fairleyジョージ・サンダース
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Marthaエドナ・ベスト
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Anna(Grown)バネッサ・ブラウン
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Mrs._Miles_Fairleyアンナ・リー
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Coombeロバート・クート
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Annaナタリー・ウッド
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Angelicaイソベル・エルソム
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Evaビクトリア・ホーン
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Gardnerハウスリー・スティーヴンソン
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Sprouleウィトフォード・ケーン
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InquiriesBrad Slaven
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Billウィリアム・ステリング
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Authorヘレン・フリーマン
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Porterウィル・スタントン
受賞歴
第20回 アカデミー賞(1948年)
ノミネート
撮影賞(白黒) | チャールズ・ラング |
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