女猫(1958)
解説
「筋金を入れろ」「火薬に火」のアンリ・ドコアン監督が「大運河」のフランソワーズ・アルヌールを主演にして作ったレジスタンスを背景とするメロドラマ。ジャック・レミーの原作をレミー自身とドコアン、ユージェーヌ・テュシェレエの三人が共同脚色し、撮影は「非情」のピエール・モンタゼル。音楽はジョゼフ・コスマ。ベルナール・ブリエ、ベルナール・ヴィッキ、クルト・マイゼル等が出演。
1958年製作/フランス
原題または英題:La Chatte
ストーリー
一九四三年、独軍占領下のパリ。独軍は秘密通信を傍受して、抗独組織の無線室を急襲した。無線技師は逃げそこなって死んだ。妻のコーラ(フランソワーズ・アルヌール)は送信機を持って、隊長(ベルナール・ブリエ)のもとに逃げた。彼女は組織の一員として、抵抗運動に加わり、独軍のロケット設計図を見事に盗むことに成功した。コーラは酒場でスイスの新聞記者ベルナール(ベルナール・ヴィッキ)と知りあった。彼の正体は独軍将校で、休暇中の身であった。ベルナールはロシア戦線に出発する前日、従弟ミュラー大尉(クルト・マイゼル)を訪ねた。そこでコーラの似顔絵をみた。ミュラーは盗まれた設計図のことで彼女を探していた。彼はベルナールから彼女の話を聞いて出発を中止させ、彼女と交際して組織に潜入せよと命令した。二人は恋しあうようになり、彼はなんとかして彼女を組織から出させようと努力した。ロケットの設計図を英国飛行機が取りに来ることになった。ベルナールはミュラーに連絡したが、隊長の機転で仲間は独軍の包囲から逃れた。裏切者は誰か。隊長はベルナールの正体をあばき、コーラに彼を殺せと命じた。が、彼女には出来なかった。ミュラーはベルナールに、組織の人々の名前を知らせるなら彼女を逃すといった。ベルナールは彼女にスイスにいって結婚しようといった。そこにミュラーが来て、コーラを逮捕した。彼女は白状しなかった。仲間が捕り、つぎつぎに銃殺された。彼女を想うベルナールは、彼女の願いをふりきって、ミュラーにすべてを報告した。隊長を除く組織の人々は捕り、コーラは釈放された。彼女は悄然と司令部を出た。一台の自動車が彼女を待っていた。中には隊長が乗っていた。車は彼女のそばを通り、機関銃が火を吐いた。コーラは道路上に倒れ、やがて動かなくなった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- アンリ・ドコアン
- 脚色
- ジャック・レミー
- アンリ・ドコアン
- ユージェーヌ・テュシェレエ
- 原作
- ジャック・レミー
- 製作
- Megger Woog
- 撮影
- ピエール・モンタゼル
- 美術
- リュシアン・アゲッタン
- 音楽
- ジョセフ・コスマ