名探偵登場

劇場公開日:

解説

世界に名高い名探偵5人が、大富豪に招待され、「晩餐と殺人」の饗応にあずかるというコメディ。製作はレイ・スターク、監督はロバート・ムーア、脚本はニール・サイモン、音楽はデーブ・グルーシン、撮影はデヴィッド・ウォルシュ。タイトル・バックの絵はチャールズ・アダムスがおのおの担当。出演はアイリーン・ブレナン、トルーマン・カポーティ、ジェームズ・ココ、ピーター・フォーク、アレック・ギネス、エルザ・ランチェスター、デヴィッド・ニヴン、ピーター・セラーズ、マギー・スミス、ナンシー・ウォーカー、エステル・ウィンウッドなど。

1976年製作/アメリカ
原題または英題:Murder By Death
配給:コロムビア映画
劇場公開日:1976年9月23日

あらすじ

「あなたを晩餐と殺人に御招待します」という手紙をもらった世界的に有名な5人がライオネル・トウェイン(トルーマン・カポーテ)邸にやって来る。5人はいずれも映画・小説で、おなじみの探偵のパロディ。それぞれ鼻下に美髯をたくわえた美食家ミロ・ペリエ(ジェームズ・ココ)がエルキュール・ポアロ、警句をしじゅう口にするシドニー・ワン(ピーター・セラーズ)はチャーリー・チャン、都会的で洗練されたディック(デイヴィッド・ニーヴン)とドラ(マギー・スミス)のチャールズトン夫婦はニックとノラのチャールズ夫妻、トレンチコートを着て唇の端から発音するサム・ダイヤモンド(ピーター・フォーク)はサム・スペード、お人好しのジェシカ・マーブルズ(エルザ・ランチェスター)はミス・マープルのもじりである。彼らが落ちかかった橋を渡り、玄関まで来ると屋根から石像が落ちてきたり、呼鈴は「女の叫び声」というように「晩餐と殺人」の招待にふさわしい歓迎だ。その上、彼らを出迎えた執事のベンソンマム(アレック・ギネス)は盲目でとんちんかんな言動をして客を戸惑わせた。新しく雇われた料理女イエッタ(ナンシー・ウォーカー)は聾唖者だったからベンソンマムの指示が理解できず、晩餐は何の仕度もされなかった。全員が食卓につくが料理がなく、ペリエは怒り出す。その時、突然トウェインが現われる。彼は「12時に殺人が起きる。その犯人もこのテーブルにいる。真犯人を指摘した人に税抜きで100万ドルと、その出版権と映画化権をさしあげよう」と挑戦して姿を消す。調理室で執事の死体が発見され、2度目に見に行くと死体がきえ衣服だけが残っている。イエッタがロボットであることがわかる。右往左往しているうちに12時になる。ドアがあき、背中をナイフで刺されたトウェインの死体が出現。居間に移って議論した結果、5人はいずれもトウェイン殺しの動機を持っていることがわかる。ディック・チャールズトンは破産してトウェインに借金がある。サムはゲイ・バーにいた時に写真をとられ、彼の助手兼愛人のテス・スケフィントン(アイリーン・ブレナン)は姪に当る。ワンは養子で19歳の時に東洋人であることを知ると放逐した。マーブルズは婚約していたが、結婚前に彼がいやらしい事を求めたので破談になり、ペリエは愛犬をトウェインに殺された。翌朝、死んだ筈のトウェインが書斎に現われる。ワンが彼に「君は本当はベンソンマムの変装だ」ときめつける。マーブルズは彼を弁護士のアーヴィング・ゴールドマン、チャールズトンは会計士のマーヴィン・メッツナー、ペリエはライオネルの妹リタ・トウェイン、サムは自分は俳優のJ・J・リーミスで彼が本物のダイヤモンドだと言う。トウェインは、「自分は本当にライオネル・トウェインだ。君たちは、小説で多くの読者を悩ましてきたが、その推理もたいしたことはない」と嘲笑する。探偵達はたち去る。その後にトウェインがマスクを取ると、何と、そこにあらわれたのは聾唖者の筈の料理女イエッタの顔だった。邸中に彼女の笑い声がひびきわたった。

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映画レビュー

4.0遊び感覚の探偵物語 パロディ映画!

2025年5月14日
PCから投稿

世界5大探偵が集結
嘘の話を本当らしく
ギャグとユーモアの
ある意味、夢の共演!

台詞全体と通してウイットに飛んだ脚本を書いたのは、有名な戯曲家のニール・サイモン。彼ならではの舞台としても通用しそうな言葉がポンポン飛んでくる。キャストは、通なら一目見れば見覚えのある面々、誰もが映画の顔になる人を集め、非常に個性豊か…、いや一癖も二癖もある役を演じている。それぞれの役どころは様々で、台詞の調子や体の動きも何となくそれっぽく感じる。

この頃、「刑事コロンボ」で旬の俳優となっていたピーター・フォーク。アカデミー賞俳優のデヴィッド・ニーヴン。個性派のピーター・セラーズ。こちらも名優ジェームズ・ココ。アレック・ギネスは、次作のSWでオビ=ワン・ケノービ。賞レースの常連、マギー・スミスは天使にラブ・ソングを…や、ハリポタ等に出演しているから顔を見れば誰でも分かる。その他、配役された登場人物は演技派で個性派が多いのが特徴である。

驚きの一つに作家のトルーマン・カポーティが謎の富豪役で出ていることだ。彼がキチンと喋って演技をする最初で最後の映画のはず。実際の演技は怪演そのもので貴重なものを見てしまった感じはする。

探偵小説
刑事・探偵映画
知っていれば、なお良いが
知らなくても、楽しめる。

設定含めて、馬鹿馬鹿しく
真面目に観ると損をする。
出演者も脚本を認めて
遊び感覚で演じたのではないか。



ちなみに、この映画の2年ほど前にメル・ブルックスが「ヤング・フランケンシュタイン」というパロディ映画を作り公開した。世界的に有名になっていたジーン・ハックマンも出ていたが、こちらはメル・ブルックスの脚本で色々な賞を獲得していた。

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星組

4.5名優たちのコメディ。

2022年2月9日
PCから投稿

とにかく若かりし頃の名優たちが揃ってコメディをやっていて、それだけで得した気分。
やりすぎ感も諌めないけど、細かな事は抜きにて大雑把に笑える。
『マルタの鷹』『影なき男』『シナの鸚鵡』
そしてアガサ・クリスティのミス・マープルとポワロをを知っていると絶対面白い!
逆に、知らないと何がコメディなのかがわからない。
しかし、カポーティが出演してたのにはほんとびっくりしたわ!

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miharyi

4.0すごい・・・こんなに笑えるとは

2020年11月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 ピーター・フォークとピーター・セラーズが最高でした。世界中から集められたという設定、もイギリス訛り、フランス語訛り、中国語訛りなどで凝っていました。セラーズはちょっとノリすぎの中国人だとは思ったけど、このキャラは『ピンクパンサー』よりも笑えた。

 しかし、本筋はどんでん返しの連続で、腑に落ちないところばかりなんだけど・・・どうでもよくさせてくれました。最初は名探偵と言われてたけど、ラスト近くには小説をおちょくってるとしか思えなかったし・・・ま、役者のおかげでいいコメディになってます。パロディ元がわからなくても充分面白い。

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kossy

3.5ブラックな笑い満載のパロディ映画

2020年5月30日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

アガサ・クリスティーの創作したエルキュール・ポワロやミス・マープル
ダシール・ハメットのサム・スペードなど東西の名探偵5人のパロディ的
登場人物達が大富豪の屋敷に招かれ、そこで屋敷の主人による
殺人の予言と100万ドルを賭けた探偵達への挑戦が・・・

「この屋敷の中にいる誰かが、誰かを殺す。その犯人を当ててください」

金持ちの道楽って度を越してておかしいものだなぁ、と。

これはブラック・コメディ作品で

女「こんな所で迷子になって」←よくあるセリフ
男「他の所ならいいのか?」

とか、

ミス・マープルと、彼女に間違えられた車椅子の侍女(だったかな?)が
殺人予言の話が出た時
「殺人ですって♡」
と嬉しそうにキャッキャと浮かれていたり
日本人と中国人の区別がつかなくて一緒くたとか

屋敷の呼び鈴(ブザー)を押すと、女の悲鳴が響き渡る仕掛け
いちいち屋敷の中の仕掛けがホラー映画じみていたり
サム・スペード(風探偵)はハード・ボイルド作品の主人公なので
連れの女との会話がいちいち格好つけた決め台詞口調で笑えたり
(演じるピーター・フォークはいまいち垢ぬけてなくて
コロンボの方が似合っていると思った。
「マルタの鷹」のハンフリー・ボガートみたいなタイプが
合っていたような。・・・でもミス・マープル風探偵がそれっぽい
見た目品の良いおばあさんでなく、太っちょの庶民的なおばさん
だったのであえてこの人選だったか。大富豪役がトルーマン・カポーティ
だったと観た後知って、びっくり。そういえば見たような顔だった)

ブラックな笑いが多めなので、人を選ぶかもしれません

途中からコメディ色が押しつけがましくなってちょっと
飽きましたが、予告殺人の犯人と被害者が誰になるか
わからないけれど、殺人は起きそうだ、というあたりから
どういう展開になるのか興味深く観ました

ラストは
力技というか・・・それはないだろう的な^^;

ツッコミ処満載な終わり方だったし「観客の意表を突く」事に
拘り過ぎるあまり説得力皆無だったので
納得いきませんでしたが・・・コメディだし、こんなラストも
ありなのかなぁ・・・と思います

トリックは、ミステリファンならお馴染みの、よくある仕掛けが
多かったりします
これはパロディだからというだけでなく
ラストで何故そうだったのかわかるようになっています

ミステリファンなら観て損はないと思います
一回観て、オチがわかったら、二度観ようとは思わない映画ですけれど

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Teiran

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