ミルドレッドのレビュー・感想・評価
全3件を表示
再出発…
字幕版鑑賞。 夫に先立たれ、子離れ出来ない母ミルドレッドが二人の子どもが家を出たあと、どのように自分の道を見つけるかの話。 第2の子育てをしたり、バーで出会った男性、ビッグ・トミーにトキメキを感じたり(してたかはわからないがw)… 個人的にはビッグ・トミーとのロマンスがもっと盛り上がることを期待しました。 ジーナ・ローランズの若い頃の写真をみたら、めちゃくちゃ美人で腰を抜かしました! 作中でも膝上丈スカートをバッチリ着こなしていて、子どもたちからは「ママ綺麗よ」と言われまくり…いつくになっても美しさは健在。 こんな風に素敵に歳を重ねていきたいですね。 ミルドレッドのように全てを捨てて再出発するのは勇気がいるけど、人生100年時代、第2・第3の人生を思いっきりエンジョイしましょう。
ミルドレッドの大きな優しさに包まれたい
オススメともあってこの「ミルドレッド」を鑑賞したく、DVDを購入したが、なかなか観れずやっと鑑賞できた。新品はなく中古で購入したと思う。 私がジーナ・ローランズさんを初めて知ったのは、「きみに読む物語」での認知症を患った老女だった。今作で初めて若い(と言っても中年かな?)ジーナ・ローランズさんを見たのに、何故かとても懐かしい感じ。この感じがとても好きなのだ。 ミルドレッドが文句を言いながら新聞を配達するところから話は始まる。 なんでそんなに文句言いながらやってるんだろうと思ったら、思春期かと思われたグータラ娘はなんと23歳で、仕事の新聞配達もまともにこなさないので、代わりに母親のミルドレッドが配っていたのだ。笑 過保護に育て過ぎたかのように見えたが、ここにミルドレッドの節度ある子育てがうかがえた。母親として、子供達が世に出ても困らないように、きちんとした知識を養おうと。きっとそのためには自分の事など後回しにして、子供達に注いできたのだろう。 子供にとっては鬱陶しく感じたのか娘はミルドレッドに反抗して家を出ていってしまう。 そんな生真面目なミルドレッドが、ご近所さんでシングルマザーになったモニカの子供を毎日預かることになり、その子供JJと、そしていつしかモニカとも心を通わせ合って行く。そして夫を亡くしてから初めて意識する男性Big Tommyにも出会う。 それまでは学校にもあまり行けてなかったJJが節度あるミルドレッドから学習し成長していく様、 母親として未熟なモニカがミルドレッドに助けられながら成長していく姿も、ミルドレッドの皆を包むような大きな愛情があってこそなのだ。そしてミルドレッド自身もJJ、モニカ、Big Tommyに触れることで自分を見出していく。 長い間生真面目で堅実な良妻賢母であったミルドレッドが、自分で自分の生き方を決断したのには、清々しく素晴らしく思った。 何よりもこのミルドレッド、すごくユーモアに溢れてて、温かく、皆を応援したくなるような素晴らしい作品だった。
マリサ・トメイ
23歳の娘なのに不登校で新聞配達をしない・・・わがままな娘が出ていってしまった。監督のニック・カサヴェテスはジーナ・ローランズの実の息子だ。監督として自分を見つめるかのような映画。 隣人の息子JJを預かることにしたミルドレッドは小学校への送り迎えをしたり、彼に色んな知識を教える。感謝祭の七面鳥・・・インディアンとピルグリムが仲良く食べたことに由来等々。息子夫婦もやってきてモニカ(トメイ)とJJも楽しそう。 マリサ・トメイが面白い。出て行った亭主の腹いせに男とデートするはずだったのに、すっぽかす電話がかかってきて、汚い言葉を連発。しかもタバコの煙を鼻から出すなど、美人が台無しだ(笑)。 トラック運転手のビッグトミー(ドパルデュー)と知り合って仲良くなるミルドレッド。恋の行方はそれほど期待できなかった。暴力亭主も戻ってきたモニカ夫妻も再生。そのうち息子夫婦が引越し、母と一緒い暮らしたいという。そして娘アニーも仕事を見つけ家に戻ってくるが、家を売ったあとだった。行き先も告げず、娘と別れるミルドレッド・・・ 新たなる旅立ち。子離れ、親離れ。アメリカの家族らしい結末だが、再生、希望といった人生を前向きに考える内容が爽やか。後半になって笑える部分が少なくなったけど、マリサ・トメイのハジケぶりは『いとこのビニー』に次いで楽しめる。
全3件を表示