南太平洋のレビュー・感想・評価
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エキゾチックな音楽には魅せられたが・・・
ジョシュア・ローガン監督による1958製作の米国ミュージカル映画。
昔、テレビで見た。ストーリーは殆ど覚えていない。
主役二人に魅力を感じなかったが、音楽は素敵で、主題「魅惑の宵」は美しいが、それ以上に「バリ・ハイ」や「ハッピー・トーク」はエキゾチックな魅力に溢れていて素敵で、引き込まれた。
ただ、舞台が第二次世界大戦の最中、南太平洋の島であることには、日本軍との比較で少々はらただしさも覚えた。
原作はジェームズ・A・ミッチェナー、脚色はポール・オズボーン。
原作戯曲はオスカー・ハマースタイン2世、リチャード・ロジャース、ジョシュア・ローガン。撮影はレオン・シャムロイ、音楽はリチャード・ロジャース、
編集はロバート・シンプソン。
出演はロッサノ・ブラッツィ(旅情等)、ミッチー・ゲイナー、ファニタ・ホール(バリハイを唄った)、ジョン・カー、レイ・ウォルストン、フランス・ニューエン、ラス・モーガンら。
美しい歌とともに色彩を楽しんでください
不覚にもハッピーエンドに涙しました
美しい映像、美しい風景、美しい物語、美しい歌
何もかも最高です
舞台は赤道の少し南、パプアニューギニアの東方ソロモン諸島
まだ日本軍が優勢な頃の最前線の島
日米両軍の勢力が均衡して不思議な平和な日々の中での二組のラブロマンスの物語
そして終盤はなんとその日米の均衡を破る活躍が描かれます
それによって日本軍は総崩れとなり、米軍の本格的な反攻が始まるのです
もちろんガダルカナルの戦いのことを描いているのだと思います
この戦いこそ太平洋戦争の攻守が逆転した本当の天王山でした
つまり本作は南の島のラブロマンスのミュージカル映画だとばかり思っていたら、なんと本格的な戦争映画でもあったのです
そうした強いストーリーを下地にしているからこそ、その上に展開されるラブロマンスも力強く胸を打つのだと思います
圧倒的な色彩、歌のシーンの前になるとカラーフィルターがかかり青だの黄色だのの色彩に染まります
確かに不自然でそのままの美しい自然をバックにして歌のシーンで良かったのではと思います
しかし、その色彩の変化!
超有名な名曲バリハイのシーンの燃えるような赤い色彩と歌が終わって現れる青い海と空、そしてやがて赤く燃える夕焼けの対比!
またこれも有名なハッピートークでは手指の可愛い仕草だけでなく、黄色いフィルターの映像と水中の目の覚めるような深い青のコントラスト!
まるでトロピカルカクテルに酔ってくらくらするかのようです
歌のシーンだって劇のなかで突然はいるのは、ミュージカルに慣れない人なら不自然に感じるものです
ならばカラーフィルターが感情の演出として歌のシーンと共に入っても同じはず
本作のそれが流儀なんだと心得て見れば楽しめるものになります
ぜひポジティブに捉えて色彩を楽しんで頂きたいと思います
フランス人のロマンスグレーの素敵なおじさま役のロッサノ・ブラッツィは実はイタリア人
デヴィッド・リーン監督の旅情でもレディキラーでした
本当の恋愛はどんな障壁も乗り越えてしまうはず
命がかかったときそれを理解できるという物語でした
もう一つの悲恋で終わるラブロマンスの結末を知ってヒロインは自らの中の障壁を克服できたのでした
余韻も素晴らしく美しく、胸に残りました
暑い夏の夜に是非ご覧ください
話は平凡でもムードや楽曲は良かったのに…
1958年のハリウッド・ミュージカル。
太平洋戦争真っ只中の南太平洋のある島を舞台に、2組のカップルの恋模様を描く。
島に住む農園主のフランス人と従軍看護婦。こちらはしっとりと大人の恋。
ある任務を帯びて島にやって来た若い中尉と島の娘。こちらは若者らしく、情熱的に。
「愛する人が居てこその楽園。居なければただの島」
陽気そうな作風に思えて実は、年の差や各々の境遇、過去、事情…意外とシビアで悲恋的。
しかしながら、2時間半という長尺の中にたっぷり2組の恋や一応戦争映画らしい見せ場を織り込んでるものの、この当時のハリウッド・ミュージカルあるあるで話はそれほど深みは無い。
が、大規模ロケが行われたという南太平洋の島の風景やムードは最高。
楽曲も印象残り、メイン曲の“魅惑の宵”もいいが、南国ムード溢れる“バリハイ”と島の娘がキュートに指をパチパチさせる“ハッピー・トーク”が好き。
見た後も暫く、メロディーが耳から離れない。
話自体は平凡でも風景や楽曲は良かったのに、本作には一つ、残念な点が。
ミュージカル・シーンになると決まって画面が赤くなったり青くなったり黄色くなったり、カラー処理が施される。
よって、せっかくの美しく雄大な景色がおじゃんに。
“バリハイ”など、実景で見たかったのに…。
幻想的な演出を狙ったのかもしれないが、その実は一体どういう意図だったのだろう…??
ミッチー・ゲイナーのパフォーマンスはショウほど素敵な商売はないと同...
ミッチー・ゲイナーのパフォーマンスはショウほど素敵な商売はないと同様素晴らしいが作品としては舞台版南太平洋の方が良い。当時のアメリカの敵は日本だという事が良くわかるが戦時中の状況がまるで違う。映画を観るといつも日本が勝てない戦いに挑んでいたかがはっきりわかる。
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