マンハッタン殺人ミステリー

劇場公開日:1994年8月13日

解説

ウディ・アレンが久しぶりにダイアン・キートンと組んでマンハッタンで繰り広げるミステリー・コメディ。監督・脚本・主演をこなすウディ・アレンは、「アニー・ホール」「マンハッタン(1979)」以来10数年ぶりに脚本をマーシャル・ブリックマンに依頼し、久しぶりのニューヨークを舞台にしたコメディを撮り上げている。スタッフはアレン作品のお馴染みのメンバーで製作はロバート・グリーンハット、撮影はカルロ・ディ・パルマ、美術はサント・ロカスト、編集はスーザン・E・モース、衣装はジェフリー・カーランドが担当している。出演は「アニー・ホール」でアレンと絶妙のコンビを組みアカデミー賞主演女優賞を獲得し、その後も「ゴッドファーザー」シリーズなどで活躍してきたダイアン・キートンがアレンとともに再び主演しているほか、「ウディ・アレンの重罪と軽罪」のアラン・アルダ、「女と男の名誉」「グリフターズ 詐欺師たち」のアンジェリカ・ヒューストンが好演している。

1993年製作/アメリカ
原題または英題:Manhattan Murder Mistery
配給:コロンビア トライスター映画
劇場公開日:1994年8月13日

あらすじ

マンハッタンのマンション住まいで、一見優雅なカルチャー・ライフに浸っているラリー(ウディ・アレン)とキャロル(ダイアン・キートン)のリプトン夫妻。夫は書籍編集者、妻は広告会社のキャリア・ウーマンから家庭に入ったが息子も大学に入った今、レストラン経営を夢見ながら人生の刺激を求めている。そんなある日、隣に住む初老のハウス夫妻の妻(リン・コーエン)が突然心臓病でポックリ亡くなる。元来性急で詮索好きなキャロルはハウス氏(ジェリー・アドラー)の態度に疑問を抱き、自ら事件の調査に乗り出す。俳優で演出家のテッド(アラン・アルダ)はキャロルに気があることもあってこの話に乗ってくる。キャロルの探偵行動は夫の忠告もよそにエスカレートしていき、ついに死んだはずのハウス夫人を目にしてしまう。キャロルとラリーはとあるホテルに夫人を追って入るがそこで彼女の死体を目撃し、その死体を溶鉱炉に投げ込むハウス氏の姿も確認する。テッドやセクシーな女流作家のマーシャ(アンジェリカ・ヒューストン)も集まりハウス氏の完全犯罪を暴く推理をたてる。そして彼を罠にはめるため周到な準備をするのだが自分に危険を感じたハウス氏はひとりで帰宅していたキャロルを人質にする。いつも気の弱いラリーは愛する妻のために無我夢中で助けにいく。ハウス氏は結局裏切っていた自分の愛人に殺され、リプトン夫妻は愛を確かめ合う。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第51回 ゴールデングローブ賞(1994年)

ノミネート

最優秀主演女優賞(コメディ/ミュージカル) ダイアン・キートン
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映画レビュー

4.0 【今作は、素人迷探偵気取りな妻を演じるダイアン・キートンとオロオロしながらも彼女に協力する夫を演じるウディ・アレンの会話が可笑しいミステリーコメディである。】

2025年10月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

幸せ

癒される

ー 映画に超絶詳しい、ウディ・アレン監督らしいミステリーコメディである。-

■キャロル(ダイアン・キートン)とラリー(ウディ・アレン)は、マンハッタンのアパートメントに暮らす夫婦である。
 長い結婚生活の二人の夫婦関係はやや倦怠気味だが、基本的には仲が良い。
 或る日、偶然臨家のハウス夫妻の家に少しだけお邪魔をする事になるが、ラリーは家でTVが観たいので、二人で自分達の部屋へ戻る。
 翌日、隣家の妻が急死してしまうが、残された結婚28年目の夫の態度がウキウキしている事に疑問を抱いたキャロルは、それが殺人であると勝手に断定する。
 更に探偵気取りで勝手に捜査を始めるが、ラリーはオロオロしながらも彼女が心配で協力するのである、オロオロ、ブツブツ言いながら・・。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・ご存じの通り、ウディ・アレン監督作品の魅力は、粋でウイットに富み、ユーモアあふれる会話劇である。
 今作でも、それはハイレベルで炸裂している。

・ダイアン・キートンとウディ・アレンの、息の合った速射砲の如き、会話の遣り取りが絶妙に可笑しいのである。
 個人的には、ウディ・アレンの即興ではないかと思われる、ボケも入った妻への返答と、ドンドン暴走していく妻に、オロオロしながらも協力する姿である。

・その中で、捜査に協力的な二人の友人、テッドと妻キャロルの関係を疑いつつ、それを言い出せずに、妻に協力するラリーの姿が、可笑しいのである。

・劇中に流れる名作映画二本の選択も絶妙なのだが、偶々私は観ていたので良かったのだが、観ていないと・・大丈夫なのである。ウディ・アレン監督の脚本は凄いのである、今更言うまでもないけれど。

<今作は、素人迷探偵である妻を演じるダイアン・キートンとオロオロしながら彼女に協力するウディ・アレンの会話が可笑しいミステリーコメディなのである。>

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NOBU

5.0 追悼 ダイアン・キートン

2025年10月12日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

カワイイ

きっと100才になっても
ジャケットの上からウエストに
太いベルトをして颯爽としていると思っていた、
ダイアン・キートンが亡くなった。

そのニュースに朝から空虚感に襲われる。
(が、ワンコの大切な散歩があるので、その安全確認も含めて悲しんでばかりもいられない。)

ダイアン・キートンは70年代から素敵過ぎて、
いつもいつも素敵過ぎて。
ロバート・レッドフォードの次が
ダイアン・キートンだなんて、
僕の映画世界から大切なものがムリヤリ削がれた、
みたいな虚しさが消えない。

ダイアン・キートン作品はスキな作品が多いが
(スマン、監督作は微妙である)
コミカルなものを追悼に。
「マンハッタン殺人ミステリー」はウディ・アレンへの友情出演として輝く。
(撮影前にゴタゴタスキャンダルがあったので、急遽の参加でも、昔のコンビネーションはファンにはうれしい。)

観ながら、色々昔の思い出が鮮やかになる。
初めてアニー・ホールを観たこと、
マンハッタンを観たこと、
レッズを観たこと、
ミスター・グッドバーを探してを観たこと、
ゴッドファーザーにロンリー・ハートにマイ・ルームに。
僕が映画を追い求める、その中心にいた
ダイアン・キートン。

ウディ・アレンとダイアン・キートンの、別れても友情関係、愛情関係が、
きっと人間愛なのかもしれない。
アニー・ホールから、くだらない言い争いばかりでも
思いやりのある関係。
「マンハッタン殺人ミステリー」は僕のなかで、その永遠
のようで、安心できる。

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なかじwithみゆ

4.5 こりゃ~面白いウディ・アレンのミステリー

2024年3月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ウディ・アレンが久しぶりにダイアン・キートンと組んで作った「ラブ&殺人」映画で、この二人の夫婦役の会話・やりとりがホント面白かった‼️😁

「ウディ・アレンがちゃんとした殺人ドラマなんて作るわけがないだろう…」などと思って見始めたが、途中で観る者を混乱させる要素はたくさんあるものの、しっかりとしたドラマであった。
しかも、相変わらずウィットに富んだ会話が楽しくて、ウディ・アレンとダイアン・キートン夫婦がお互いに相手が異性と親しくすると嫉妬する🤣笑
これは本当に愛し合っているから……と思うと、離婚の雰囲気だしたりするあたりのウディ・アレン演出が上手い!

ニューヨークに住む夫婦(ウディ&ダイアン)が自分の住まいのエレベーターで乗り合わせたのが偶然にも部屋のお向かいさん夫婦。ウチに寄っていきませんか?……との言葉で二人はお向かいの部屋に寄るのだがウディ・アレンは帰りたそうな雰囲気プンプン。
その次の日、お向かいの奥さんが心臓発作で死亡する事件が起こった。
そして、その死亡事件が実は殺人なのでは?……と疑いはじめる妻ダイアン。そして部屋に忍び込んだら火葬灰を見つけて、いよいよ殺人事件の解決に向けてさまざまな事態に……といったドラマ。

(※ とんでもなく細部入り組んだドラマであり、殺人ミステリーでもあり、以降は割愛。)

映画好きのウディ・アレンらしく、夫婦で一緒に観たのが『深夜の告白』、初デートで観てさんざん議論したというのが『去年マリエンバートで』、実際の鏡の多い所で拳銃を撃つ場面では(この場面にピッタリの)『上海から来た女』だったりする。
作品チョイスもナイス!🎥👍

未見のウディ・アレン監督作は、まだあるので、これからも観たい。
もちろん『マンハッタン』など好きな作品はリピートで……(^^)d

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たいちぃ

3.5 “夫婦善哉”マンハッタン版。

2023年4月23日
Androidアプリから投稿

①いやー、ウディ・アレンのラリーとダイアン・キートンのキャロルとがよく喋ること、喋ること!
殆んど二人の夫婦漫才を聞かされているようなものである。
②『アニー・ホール』の二人が別れずに結婚して20年くらいたったらこんな風になるのではという感じ。
③結婚して数年も経つとろくに話もしなくなる夫婦に比べたらまだ良いと思うのだが、映画の初めの方はお互いへの不平不満を言い合って、今までのウディ・アレン映画なら夫婦の崩壊・再生というドラマになるのかと思いきや、隣人の頓死に疑いを持ったキャロルが独自で探偵ゴッコにのめり込むようになってから夫婦の会話はその話ばっかりになる。
殺人だと言い張るキャロル。「病院に行った方が良い」と懐疑的なラリー。
これがまるで夫婦漫才の間と面白さ。

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モーさん