真夜中の刑事 PYTHON357
解説
自分の愛する女を殺され、しかもその犯人の容疑をうけた孤独な部長刑事が、生命を賭けて真犯人を探す姿を描く暗黒映画。製作はアルビナ・ドゥ・ボワールヴレイ、監督はアラン・コルノー、脚本はアラン・コルノーとダニエル・ブーランジェ、撮影はエティエンヌ・ベッケル、音楽はジョルジュ・ドルリューが各々担当。出演はイヴ・モンタン、ステファニア・サンドレッリ、フランソワ・ペリエ、シモーヌ・シニョレ、マチュー・カリエールなど。
1976年製作/フランス
原題または英題:Police Python 357
ストーリー
オルレアン警察の部長刑事フェロー(イヴ・モンタン)は、職務に忠実で有能で、手にする拳銃パイソン357は彼にとって一身同体の存在だった。彼には、ある事件をきっかけに愛するようになった恋人シルビア(ステファニア・サンドレッリ)がいた。孤児育ちの狐独な彼には真剣な恋だったが、シルビアには謎が多く、逢っている時でも、ある時刻になると逃げるように帰ってしまうのだった。それもその筈、シルビアはフェローの上司ガネイ署長(フランソワ・ペリエ)の愛人だったのだ。ガネイには資産家の妻テレーズ(シモーヌ・シニョレ)がいたが、彼女は病身ゆえに性的満足を夫に与えられないためシルビアの存在を黙認していた。シルビアの行動から新しい恋人の出現を察したガネイは、その嫉妬から、詰問したあげくにシルビアを殺してしまう。半狂乱で家に帰ったガネイは妻にすべてを打ち合けた。テレーズは自首しようとする夫を思いとどまらせる。翌日、シルビアが殺されたことを知ったフェローは、気も狂わんばかりになり、真犯人追求にのり出す。捜査が進むに従って、彼女の家を訪れているフェローに、不利な証拠品が揃い部下のメナール刑事(マチュー・カリエール)たちも、証人の尋問を避けるフェローに首をかしげた。シルビアの部屋で、どこかの城をバックに彼女が写っている写真を発見したフェローは、それをガネイに見せる。自分の別荘が写っていることに驚いたガネイは、フェローを危険人物であると考え、逆に彼を犯人に仕立てようとし、証人たちを集め、総合会議を開くことにする。その会議の前日、ガネイはフェローを呼び出し、シルビアとの関係を自白させ、それを録音し、フェローに拳銃を向ける。が、一瞬の間にフェローのパイソンが火を噴き、ガネイは死ぬ。真犯人であるガネイを殺してしまったフェローは、自分の顔を硫酸で焼く。生きる望みを失ったガネイ夫人は、夫が死んだ場所で、フェローに自殺を手伝わせようとする。その現場を目撃したメナールは、署に事件の真相を報告しようとする。が、その前に強盗事件が起こり、現地に向かった彼は、ギャングの機関銃の的になり絶対絶命の危機にさらされる。その時、彼を救ったのはフェローだった。逆に傷つき病院へ運ばれたフェローのポケットから落ちたシルビアの写真の入ったペンダントを見たメナールは、すべてを悟り、それをフェローのポケットに静かにもどしてやるのだった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- アラン・コルノー
- 脚本
- アラン・コルノー
- ダニエル・ブーランジェ
- 製作
- アルビナ・ドゥ・ボワールヴレイ
- 撮影
- エティエンヌ・ベッケル
- 音楽
- ジョルジュ・ドルリュー
- 字幕監修
- 岡枝慎二