劇場公開日 2019年9月6日

「この世界は、まさにマトリックス」マトリックス しゃけおにぎりさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 この世界は、まさにマトリックス

2025年10月13日
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驚く

斬新

私が幼い頃に流行った「マトリックス避け」。
当時は作品の内容もよく知らないくせに、「マトリックス!!」と叫びながら体を後ろに反らすあのポーズをして友達と遊んでいました。

そんな私も先日30歳になり、初めて本作をまともに鑑賞しました。

恥ずかしながら、この歳になっても「これが好きだ。こうなりたい。こう生きたい。」というビジョンがはっきりしておらず、自分探しをしている最中に本作「マトリックス」に関する話を耳にすることが多く、鑑賞に至りました。

本作の題名でもある「マトリックス」。
作中では、実在しない、人工知能が作り出した仮想世界のことを指し、人類はその幻の中でのみ生きることを強いられ、現実では全てを搾取される奴隷のような存在として描かれています。

これほど分かりやすくはないけれど、自分が生きているこの世界もマトリックスと似ていると思います。

自分が何を好きで、何をしている時が楽しくて、何をして生きていきたいのか。
それをはっきりと答えられない人は、私の他にもたくさんいるのではないでしょうか?

小学生の頃から、毎日決まった時間に学校へ行き、毎日決まったことをする。
そんな決められた生活しか許されず、大人になれば自分が何者かわからなくなってしまうのも当然かもしれません。

自分が分からないうちって、自分がどこに向かって歩いていけばよいかすら分かりませんよね。
それでも何か結果を出したくて、がむしゃらに頑張ったり、自分を押し殺して真面目に生きていたりすると、気づいた時には搾取されています。

自分が何者か分かれば、そのようなこともなくなるのかもしれません。
ネオは本当の自分を知った時、それまで苦戦していたエージェントを易々と倒してしまう程の圧倒的な力を手に入れました。

ある家庭で生まれ育ち、生まれ持った気質で生きていくことを考えると、ある程度、運命や道は決まっていると思います。

しかし、作中でモーフィアスが言うように「道を知っていることと、歩くことは違う」。

ある程度、「こうなるだろうな…。」と知っていても、「こう歩きたい。」と思えば、辿り着く場所は変えられるはずです。

幻を見せられ、騙され、搾取される人生でよいのか?

自分が何者か知ることさえできれば、この世界でうまく生きていけるかもしれない。

そんな気づきを得た今。
ただがむしゃらに頑張ることや無理して真面目に生きることは、本当の自分を知ることの妨げになるから、まずは自然体でいることを心がけたい。
そして、自然体の自分でいて楽しいこと、勝手に結果が出ることにもっと力を注いでいけたなら、ネオのように覚醒することができるかもしれない。

マトリックスの存在に気づくことができただけで、本当の自分に一歩近づけた気がします。

しゃけおにぎり
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