劇場公開日 2019年9月6日

「今なお色褪せない、知的で革新的なSFの金字塔」マトリックス リリさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 今なお色褪せない、知的で革新的なSFの金字塔

2025年9月26日
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鑑賞方法:VOD

興奮

知的

斬新

『マトリックス』は、公開当時の1999年に一般の人々をぶっ飛ばした革新的な作品だ。その異常な人気は今でも鮮明に覚えている。確かに一部では「攻殻機動隊のパクリだろ」との声もあったが、ウォシャウスキー兄弟(当時)が『AKIRA』や『攻殻機動隊』からの影響を公言しつつ、リスペクトを込めて作ったのが伝わってくる。だから、パクリなんて雑音はすぐ消えた印象だ。『攻殻機動隊』が大好きな自分にとって、この映画を好きにならないわけがない。ぶっちゃけ、4年前から『攻殻機動隊』や『エヴァンゲリオン』などで脳を仕込まれていたおかげで、難解と言われた設定にもスッと入り込めた。そのため、当時の視聴時点で☆4.5だ。
緑のデジタルラインやバレットタイムの映像表現は、当時本当に革命的だった。あのスローモーションのアクションは一時期どこでも真似されまくったし、今見てもカッコいい。エージェント・スミスのあの無機質な迫力も最高で、今なお『逃走中』でネタにされるくらいの存在感だw キアヌ・リーブスのネオ、モーフィアス、トリニティの配役も完璧。誰一人としてハマり役じゃない奴がいない。
ストーリーは、知的で興奮が止まらない。「現実とは何か」「自分とは何か」というテーマを、アクションと哲学でガツンと叩きつけてくる。
ラストには『攻殻機動隊』のラストのセリフ「ネットは広大だわ」とリンクしてしまいそうなシーンで終わり、スピンオフかな?みたいな感覚で劇場を出たのは良い想い出。

今となっては監督のウォシャウスキー姉妹(現在)が、映画のテーマみたいに自分たちも「目覚めちゃった」のは、なんとも皮肉なオチだなw それでも、この映画の輝きは色褪せない。SFアクションの金字塔として、今見ても十分楽しめる一作だ。

リリ
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