「極悪戦争映画」炎628 桔梗Fさんの映画レビュー(感想・評価)
極悪戦争映画
第二次大戦中のベラルーシの村を舞台に、ナチスにより迫害される村人たちの姿を一人の少年の姿を通して描いた作品。
簡単に言うとナチスの極悪非道を描いたホロコーストもの映画。
戦争映画は山ほどあるが、世間一般的?に頂点に君臨する映画がこれじゃないだろうか?
なんの頂点かって?
リアル度、鬱度である(^-^;
原題は「COME AND SEE」(英題)
邦題の『炎628』の628とは独ソ戦でナチスに焼かれベラルーシから消滅した村の数である…
映画は前後半に分けると、前半部は少年がゲリラに入り、少女と出会い、ナチスに襲撃を受け故郷の村に戻ってくる。
後半は、主人公がとある村の虐殺に巻き込まれる場面。
とにかくリアル!弾は実弾、機関砲掃射シーンは圧巻(>_<)
空爆シーンも大量の火薬で表現し、昔のジョン・ウー監督作を思わせるとんでもない爆破っぷり(*_*)
エンタメ要素はほぼなく記録映画っぽい感じで、出だしから終始重め。しかも、だんだん悪化していく。
人の生き死ににヒューマンドラマ要素は皆無で、あっさり死ぬ…音楽も怖い。出てくる女の子もなんかホラー(苦笑)
とにかく他の戦争映画とリアルっぷりの桁が違う(^-^;
グロ描写は、チラリや隠すなど直接的には見せません。そこがまたきついんですが…
圧巻は、後半の村人を建物に閉じ込めて焼くシーン(>_<)映画史に残る衝撃の鬱シーンである。阿鼻叫喚の村人たちと狂喜乱舞のナチス兵(;o;)
この地獄絵図はパゾリーニの『ソドムの市』のラストに似てる…※中には泣きながら吐きながら参加してるナチス兵もいるが。
主人公の顔がスタートは少年なのにラストはシワだらけのじいちゃん顔になってるのが印象的。観る方もぐったりだが、作った方もぐったりだったろうに(^-^;
若干、パルチザンを美化してるとこはあるが、ソ連映画なんでやむおえないでしょう。
それでも国策映画にならずソ連万歳!になってないとこは評価すべき(^^)
きつすぎて一般の人が観る映画ではないし、値段的にもマニア向けになってるが、戦争映画好きならこの問題作をはずしてはいけないΣ(゜Д゜)
他のリアルを宣伝文句にしてる戦争映画と対比すると、とんでもなさがわかります(^-^;
きついの苦手な方は決して観ないように(;´_ゝ`)