北北西に進路を取れのレビュー・感想・評価
全34件中、1~20件目を表示
【”全くもう‼最後までハラハラさせられるぞ、ヒッチコック監督!”今作は、人違い巻き込まれ型サスペンス&アクション&ロマンス作品である。】
■広告代理店を経営するロジャー・ソーンヒル(ケイリー・グラント)は、ニューヨークのホテルからカプランと言う男と間違われ、2人の男に連れ出される。
ロジャーをカプランと言うスパイと思った二人は、ロジャーに酒を飲ませて、酔っ払いの事故に見せかけて殺そうとする。
更に彼は、国連のロビーで会ったタウンゼントと言う男を目の前で殺されるが、彼が殺した事になってしまい、逃避行を始める。
政府諜報機関の会議室では、”教授”(レオ・G・キャロル)と呼ばれる男が、ロジャーを間違えて誘拐したヴァンダム(ジェームズ・メイソン)を追うために彼の元にスパイを送り込んでいたが、予想外の展開に対応を迫られている。
一方、カプランを追うロジャーは特急列車に乗るが、彼の前に、イブ・ケンドール(エヴァ・マリー・セイント)という金髪美女が現れて、食堂車で食事を共にしヴァンダムから彼を匿うのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・今作は所謂、人違い巻き込まれ型サスペンス&アクションであるが、イブ・ケンドールという金髪女性の謎めいた存在に、最初は戸惑わされる。
・だが、見ていると彼女はヴァンダムと”教授”との二重スパイである事が分かり、且つここがポイントだが、職務遂行中に出会ったケイリー・グラント演じるロジャー・ソーンヒルに、心を奪われてしまう事が分かって来る。
・そんな彼女に、ロジャーも惹かれており彼は”教授”に政府施設に捕らわれるが、脱出しヴァンダムから信頼を得ているイブ・ケンドールを助けに、彼の山荘があるラシュモア山まで行き、彼女を助けようとするのである。
そして、彼女に自らを”空砲で打たせるのだが、そのからくりをヴァンダムの部下に見破られた事を知ったロジャーは、決死の思いで彼女と逃げるのである。
<そして、有名なハリウッドを見下ろす”4人の大統領の顔”が刻まれた断崖での、ロジャーと部下との闘いからの、ラストの幸せなるシーンへの展開。
今作は、人違い巻き込まれ型サスペンス&アクション&ロマンス作品なのである。>
さすがはヒッチコック、文句なしに面白かった。 いったいこの男はどん...
「人違いサスペンス」〜『裏窓』『めまい』ほどには好きじゃない
1959年、アメリカ映画。
【監督】:アルフレッド・ヒッチコック
【脚本】:アーネスト・レーマン
主な配役
【ロジャー・ソーンヒル】:ケーリー・グラント
【イヴ・ケンドール】:エヴァ・マリー・セイント
【フィリップ・ヴァンダム】:ジェームズ・メイソン
【ロジャーの母】:ジェシー・ロイス・ランディス
私は本作を「人違いサスペンス」と呼んでいる。
アカデミー賞3部門(脚本、美術、編集)にノミネートされた。
冒頭のタイトルは、
著名なグラフィックデザイナーであるソール・バスが制作、
キネティック・タイポグラフィを本格的に使用した最初の作品であるとみなされている、とWikipediaにある。
同じくWikipediaには、題名に関するネタも書いていた。
興味ある方は、ぜひ読んでみていただきたい。
1.作品の設定を認めるや否や
ヒッチコック作品の多くがそうであるように、
設定に入り込めるかどうかで評価は変わる。
主人公のソーンヒルは、架空の人物・カプランに間違われる。
それが「人違いサスペンス」全ての始まりだ。
これが結構強引だ。
正体不明のカプランが、ノコノコとホテルのバーで誰かと待ち合わせしますかね?
本物のタウンゼント氏は、
投げられたナイフで命を落とし、
ソーンヒルがナイフを抜いたため殺人犯と間違われてしまう。
ここも、真犯人の目撃者がいない等、かなりのチカラ技だ(笑)。
2.カメラワークと音楽は秀逸
CGのない時代に、どうやってこんな風に撮れた?
冒頭、ホテルのバーで商談相手との席から、
2人の悪党(誘拐犯)に一気にカメラが移動する。
びっくりだ。
ヒッチコック作品は音楽の使い方がうまい。
奇を衒わないが、ちゃんとハラハラすべき場面を
観客に知らしめてくれる。
これは、イヤミではなく、現代に通じるセオリーだ。
3.ヒッチコックの代表作か?
WOWOWの番組欄には、「ヒッチコックの代表作」と書いてあった。
確かに、邦題の特異さと合わせ特徴的な作品ではある。
だが、脚本は平板だ。
一番のヤマ場が教授によるタネ明かしだ。
ヒッチコックらしくない感じがした。
本作はヒッチコック長編の46作目。
60歳の時に製作された。
この後、『サイコ』、『鳥』と続くが、
77歳になるまで7作しかメガホンを取ってない。
私は『裏窓』、『めまい』のほうが好きだ。
グレース・ケリー、キム・ノヴァクの美貌と
サスペンスの相性が素晴らしい。
ということで、
私のつける☆は、2.5
ユーモアとロマンス、スリリングなサスペンスが融合した傑作だ。
ロジャー・ソーンヒルは、キャプランという男に間違えられ、タウンゼントと名乗る男に拉致されて、殺されそうになる。本物のタウンゼントは、ロジャーの面前で、何者かに殺されてしまう、、、。
キャプランをめぐる謀略や、敵側に送り込んだ味方のスパイ、その攻防に巻き込まれた男のミステリーだが、大胆かつ華麗に、軽妙なタッチで、二転三転するストーリーを展開させている。
ロジャーが出会った女性、ケンドールとのロマンスもある。真相を求める男が、とっさに思いつく判断で次々と困難を乗り切るのも、本人は真剣でシリアスだが、場当たり的な滑稽さが面白い。
思い返せばありえない展開だが、サクサクと進むテンポのため、鑑賞中はワクワクして見ていられる。よく練られた物語で、スリル満点のサスペンスと、ユーモアに満ちたコメディとロマンスが融合した、アクションスリラーの傑作だ。
極めつけ
とにかく全てに関して上手いね
断片的な記憶が甦る
娯楽サスペンス(ってなんだ?)のお手本
この映画の良いところは何も考えなくても良いこと。
難しいテーマも複雑なプロットもない。
それでいて、兎に角面白い!展開に手に汗握り、主人公のポンコツ具合にヤキモキし、要するにテレビに釘付けになる。
主演のケーリー・グラントの演技に愛嬌があり気取っている感じがしないのが良い。
ヒロインの神秘的な美しさが清涼剤になっている。
007シリーズが大好きな僕はこの映画から007の要素をたくさん感じ取ることができ、とても楽しかった。007ファンなら観て損は絶対にない。
全てのシーンが観客をドキドキさせるその一点に特化していて、人生において「ためになる」ようなものは何一つ得られないだろうが、僕はそこがとても気に入りました。古いからと言って変に身構えず気楽に楽しんでください。
ただ、映画好きはヒッチコックの優れたサスペンスの技巧に注意を払うとより楽しめるかも。ちなみに僕はおもしろ過ぎて、気づいたらエンドロールだった。
何で『ナイフ』なんだ?と気が付けばこの作品の品格が理解出来る。
飛行機とラシュモア山しか印象に残らなかった。いやいや、そんな事無い。
少なくとも、あのジョージ・ロイ・ヒルの映画よりは遥かに優れている。
凄く分かりやすい。台詞がはっきりしている。そして、話の流れがダレない。
やはり、ヒッチコックは職人だと思う。
二回目の鑑賞でこの作品の凄さが理解出来た。
まだ観てない人は幸せだ
わが敬愛するヒッチコック監督が得意とした巻き込まれ方サスペンスの大傑作です。主人公がたまたま悪いタイミングでバーの席を立ったために、悪玉の狙う目標と間違えられる理想的な開幕。あげくに殺人犯に仕立て上げられ(背中にナイフ)、主人公が特急列車で逃走すると、彼を助ける謎の美女が登場してロマンスの花が咲く、という息つく間もない展開!!映画史に残るトウモロコシ畑で軽飛行機に襲われる場面や、ラシュモア山での活劇が終わったとたん、寝台車の中の幸せな2人にカットインする終幕の切れ味も抜群で、2時間16分がアッという間に終わります。ラシュモア山の歴代大統領の横にヒッチコック監督の肖像も飾りたい気分。ホント、まだ観てない人は幸せだ、初めて観る楽しみが残ってるんだから
ヒッチコック映画は展開範囲の狭い作品にこそ彼らしさが…
この映画はヒッチコック作品の中でも人気の
ある作品のようだ(キネマ旬報第11位)。
泥酔運転でのケーリー・グラントの名演技や
複葉機での襲撃シーン、
また巨大モニュメントでの逃走劇などの
魅せるアイデアそのものは
感心するばかりである。
冒頭では主人公を巡る謎の展開から
作品世界へ惹き付けられるだが、
主人公拉致のカラクリそのもののは
前半早々判明し、
以降はサスペンス色が消失して
アクション的展開だけが続いていく。
だから、アクション過多の展開と、
敵と思われた女性との絡み合いの揚げ句に
恋愛成就に至るストーリーは、
まるで007映画を観ているようだ。
そもそもが相手側組織は
いつでも主人公を亡き者に出来るのに、
面倒にもわざわざ複葉機で暗殺を図る手間が
何故必要なのか、
国外に持ち出すフィルムが
何故美術品の中にあり、
何故その落札の場面を設定しなければ
ならないのか、等々
これらのシーンは単に使いたいが為だけに
あるように見え、
ストーリー上の必要性を感じない
御都合主義的な違和感がある。
多分にそんなシーンの多用が
この作品の全体の緊迫感を失わせている
原因なのではないだろうか。
ヒッチコック作品では
「レベッカ」「ダイヤルMを廻せ!」
「裏窓」「サイコ」等の
展開範囲の狭い作品の方が、彼らしい
濃密でサスペンス色に溢れた映画に
なっているように感じる。
ヒッチコックならではの奇抜な展開
ドキドキします
名作だったが風化してしまった
このヒッチコックの優れたサスペンスをお手本にして、その後あまりにも多くのサスペンス映画が作られた。 それによってこの映画は今見ても目新しさの感じられない つまらないものになってしまったと思う。 実は最近この映画を観なおしてそう思った。 この映画が公開された頃・・・もちろん私が生まれる前だが ・・・サスペンスの傑作は少なかったのでこの作品は相当衝撃的だったはずだ 。それだけにヒッチコックの独特の演出が効いていたし 緊張した中に盛り込まれたギャグが 異様な雰囲気を醸し出していた。 私が初めて見たころは、まだ風化しておらず、私はこの映画をみて自分の
ベスト5に入れた。
しかしこの作品は多くの後の監督たちにこねくり回され風化してしまった 。今の若い人たちがこの作品の面白さを知ることはないだろう。それがとても寂しく、また逆に彼らが可哀想だと思う。今の時代にこんな衝撃を与えてくれる監督はいないから。
アクション映画の教科書
わけも分からず追いかけられ、美女もやってくるがなんか怪しげ。
サスペンスと奇想天外なアクションシーンで手に汗握る展開だが、主役がケーリー・グラントなので助かっている。
エバ・マリー・セイントは美しく、真面目さが滲み出している。
タイトルはかっこいいけど。
ケーリー・グラント
ヒッチコック監督人気作
全34件中、1~20件目を表示