「マックイーンの存在感」砲艦サンパブロ 星組さんの映画レビュー(感想・評価)
マックイーンの存在感
世界大戦の前の中国
不穏な動きのある中
静かに任務をこなす
米国の海軍船があった。
監督はサウンド・オブ ・ミュージックで、20世紀フォックスを倒産から救ったとまで云われたロバート・ワイズ。荒野の七人、大脱走とヒット作が続くスティーブ・マックイーンを主役に取り組んだ作品だ。それぞれ作風は違うが、作品全体を風格あるものにする監督と、静かに機敏に演じるマックイーンと、この作品ではどちらが飛び出ているという訳ではなく、ある程度絶妙な物語進行をしていると思う。
悪くいえば「飛び出ない」部分に不満を持つ人もいるはず。
それでもロバート・ワイズ監督作品であり
スティーブ・マックイーン主演の映画である。
物語の中では規律に従わないマックイーン演じる水兵だが、仲間を大切にする強い思いと、正義に対する信念は揺るがない。それが悲劇につながるのだが、同時に彼の存在感はかなり強く残る。派手な映画ではないが、水上を静かに進むサンパブロ号を見ていると、平和を脅かす何者かの存在を忘れてしまうくらい「美しい」という意識が呼び戻される。
物語に綺麗事は無い
無いから胸を打つ
友情も愛も壊れ
音が響き闇がくる
静かに去る船が切ない。
※
リチャード・アッテンボロー
彼の演技がまた良い、すごい。
※
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