プロテクター

劇場公開日:1985年6月15日

解説

香港とニューヨークの麻薬ルートを潰滅させるべく奔走するニューヨーク市警刑事の活躍を描くアクション映画。エグゼキュティヴ・プロデューサーはレイモンド・チョウ。製作はデイヴィッド・チャン。監督・脚本は「エクスタミネーター」のジェームズ・グリッケンハウス。撮影はマーク・アーウィン、音楽はケン・ソーン、アクション指導はジャッキー・チェン、編集はコーラリー・オハラが担当。出演はジャッキー・チェン、ダニー・アイエロなど。広東語版。

1985年製作/96分/香港・アメリカ合作
原題または英題:威龍猛探
配給:東宝東和
劇場公開日:1985年6月15日

あらすじ

ニューヨーク市警サウスブロンクス管区。刑事ビリー・ウォン(ジャッキー・チェン)にとって今日は特別な日だ。彼が香港からアメリカ合衆国に移民してきてちょうど十年目の記念日、相棒のマイクルと祝杯をあげるべくバーにくり出した。ウォンがトイレに立った間に四人組のギャングが襲ってきた。凄まじい銃撃戦の末、ウォンは三人まで片づけたが一人が逃走、マイクルは死んだ。クルーザーで逃げるギャングを追うウォン、救援のヘリからロープをたらしてもらいそのロープで空中に舞うと無人になったクルーザーはギャングの乗ったクルーザーと激突、二艘のクルーザーは大破炎上した。署長の怒りをかったウォンはファッション・ショーの警備という冴えない仕事に回されたが、そこでスラム育ちのガローニ刑事(ダニー・アイエロ)と出会う。ショーの主催者はローラ・シャピロ(ソーン・エリス)といい、実業界の大物の娘だがショーが始まると数人の覆面の男たちがショーの会場を襲いローラを誘拐した。彼女が誘拐されたということで署長は青くなり、ビリーとガローニを香港に派遣した。しかしふたりを迎えた香港警察署長ホワイトヘッド(ロン・バラディ)は迷惑そうな表情を隠そうともしない。おかまいなしに捜査を開始したビリーたちは情報屋の口から“ハロルド・コー”という名前を聞かされる。コー(ロイ・チャオ)は慈善家という表看板の陰で香港シンジケートのビッグボスと目されている男だ。ローラの父親はかつてこのコーと取り引きがあり代金を全額支払っていなかったためにローラが誘拐され香港につれてこられたのだ。造船所の内に作られた麻薬製造所をつきとめた二人は早速乗り込みローラを救出したが、ガローニがつかまってしまった。ローラとガローニの人質交換に応じたウォンは香港警察に応援を依頼し、再度、造船所に乗り込んだ。だがそこで待っていたのはガローニを捕えたコーとローラを捕えていたホワイトヘッド署長だった。署長こそ最大の裏切り者だったのだ。ウォンはコーの部下で空手の名手ガルッチ(ビル・ウォレス)を激闘の末倒した。やがて香港警察がかけつけてきて一味は捕えられた。ニューヨークに帰ったウォンとガローニは香港とニューヨークの麻薬組織を壊滅した功績で市長から表彰されるのだった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

フォトギャラリー

映画レビュー

3.0 ジャッキー監督版が1番面白い

2025年5月27日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

興奮

ジャッキー映画でも特にバージョン違いの多い作品。ジャッキー・チェンが2度目のハリウッド挑戦をした映画だが、ジェームズ・グリッケンハウス監督と製作方針などをめぐって対立。米国風の罵り言葉やヌードシーンがあること及びアクション演出などに不満だったジャッキーがアジア公開版のみ自分に部分的な撮り直しをさせるよう要求し、それが認められたという。そのジャッキー修正版が日本でも公開された……とある時期までは言われてきてジャッキー本などでもそう書いてあるものが多いが、日本公開版はグリッケンハウス版とジャッキー版をつなぎ合わせた独自のバージョンだったらしい。エンドロールのNG集も日本公開版にしかない。VHS&LDは日本公開版そのままだったが、DVDは最初のスパイク版がジャッキー版、次のユニバーサル版と現行のパラマウント版はいずれもグリッケンハウス版となっているとのこと。配信やテレビ放送のバージョンはわからない。

僕は劇場公開時に観に行ったが、『プロジェクトA』『スパルタンX』に比べて面白くなかった記憶があり、それ以来VHSもテレビ放送もDVDも観ていなかったが、最近になってそういや今レンタルされてるDVDってオリジナルのグリッケンハウス版だったのでは……と気づき、あまり面白くなかった日本公開版よりさらに面白くない可能性が高いものの、それでもなんだか観たくなりレンタルして観た。その後やっぱりサリー・イップの登場シーンや撮り直しされたバトルアクションが観たくなり、ジャッキー版および日本公開復刻版が特典映像として収録されたパラマウント版Blu-rayの中古が1000円未満だったので購入。ところが最初のBlu-rayに収録された日本公開復刻版は正確な再現ではないらしく、その後に出たエクストリーム・エディションというBlu-rayに収録されてる日本公開版が正確なものらしい。確かに日本公開した際の上映時間は映画データベースサイトなどに96分とあるが、最初のBlu-rayに収録されてる復刻版は104分もある。最初のBlu-rayの中古がずいぶん安くなってたのはそのためか。

3バージョンの主な違いは以下の通り。
・グリッケンハウス版……95分。全編英語。ヌードシーンあり。サリー・イップ未出演。NG集なし。
・ジャッキー版……87分。全編広東語。ヌードシーンなし。サリー・イップ出演。NG集なし。
・日本公開版……96分または97分。英語と広東語が混在。ヌードシーンなし。サリー・イップ出演。NG集あり。

グリッケンハウス版はやはり面白くなかった。サリー・イップが出てこないし、何よりアクションがいまいち。ヌードになってる女性たちも本物のヤク中か売春婦を集めたんじゃねーのかってくらい全員が荒んだ目と顔をしており、見てはいけないものを見てしまったような暗い気持ちになる。唯一良かったのは、この頃のジャッキー映画では珍しく本人の地声が聞けるところ。当時の香港映画は同録がされず地元でも吹替だったが、本作のオリジナル版は英語なので本人の地声。ジャッキーの地声は後の作品でも聞けるが、ムーン・リーの地声は初めて聞いたかも。

ジャッキー版は、ジャッキーが自費で全編撮り直したというラストバトルにおいて、記憶にはあったがグリッケンハウス版には無かった金網に吹っ飛ばされたジャッキーが反動を利用して殴り返すとか電動丸ノコの攻撃で羽毛が乱れ飛ぶシーンがあった(もちろん日本公開復刻版にもある)。またサリー・イップが出演するエピソードの挿入やヌードシーンのカットばかりでなく、ムーン・リーの親父がビル・ウォレスに殺されるシーンが追加されており、さらに全編に渡って各シーンがちょこちょこカットされていて、アクションばかりでなくストーリー展開もオリジナルのグリッケンハウス版よりテンポが良くスピーディーになっている。撮り直さなかったアクションシーンも編集で手直ししてるようで、両バージョンを続けて観るとジャッキーのほうがグリッケンハウスよりもアクションというものをよく理解してることがわかる。早回しやスローモーションという編集スピードと効果音だけでこうも面白さに違いが出るのかと感心した。はっきり言ってジャッキー版のほうが圧倒的に面白い。あえて難点を言えば、グリッケンハウス版に比べて相棒のダニー・アイエロがほとんど空気と化しており、全編広東語ということも相まって米国映画要素のほとんど無い、いつもの香港ジャッキー映画みたくなっていてハリウッド進出感が薄いというかほとんど無い。

そして不正確ではあるが日本公開復刻版は、グリッケンハウス版とジャッキー版をつなぎ合わせた編集で、英語&クリアな映像のグリッケンハウス版と広東語&画質の悪い映像のジャッキー版が頻繁に入れ替わるためどうにも落ち着かない。グリッケンハウス版とジャッキー版いずれかにあるシーンばかりで新規の映像があるわけでもなく、エンドロールのNG集のみが日本公開版でしか観れない映像。

というわけでやはりジャッキー版が1番面白かった。日本公開版とグリッケンハウス版は好事家以外は特に観る必要はないと思う。ジャッキー版★3.5、日本公開版★3、グリッケンハウス版★2.5で、平均★3。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
バラージ

3.0 アメリカの刑事が、香港で大暴れ!

2025年4月29日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

楽しい

興奮

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 1件)
共感した! 2件)
ratien

3.0 ジャッキー

2025年2月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

2025年2月10日
映画 #プロテクター (1985年)鑑賞

作品の出来に不満なジャッキーが制作元のワーナーに詰め寄り、アジア圏で公開するバージョンについてはジャッキーが監督として修正を入れることを承諾させる

改訂のための費用は全てジャッキーが個人で捻出

エンディングのNGシーンも日本独自のもの

コメントする (0件)
共感した! 2件)
とし

3.0 ジャッキーが気に入らず、アジア公開版を取り直したという曰くつきの作...

2024年12月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ジャッキーが気に入らず、アジア公開版を取り直したという曰くつきの作品。これはどっちバージョン?(笑)
どっちにせよバディがいらない。さすがのジャッキーもハリウッドでは単独主演の了承が難しかったのではと推測する。それが吉とでたのがラッシュアワーかと。本作ではほんと不用、ジャッキー単独ならもっとワクワクできた作品かと思う。アクション悪くなし。
BS12吹替版鑑賞

コメントする (0件)
共感した! 1件)
はむひろみ