「白人女性と黒人という弱者」プレイス・イン・ザ・ハート Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
白人女性と黒人という弱者
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総合:75点 ( ストーリー:75点|キャスト:75点|演出:75点|ビジュアル:75点|音楽:70点 )
突然酔っぱらった黒人の暴発した銃で夫を失う妻。子育てと家事以外に何も出来ない彼女が、家族と家と農園を守るために、仕事を求めてきた流れ者の黒人と共に苦難の綿花栽培を始める。そんな女性の奮闘記である。のどかで美しい田舎の風景と当時を表す美術が良い出来栄えであるが、そこで奔走する女性は人生を賭けた行動である。
しかしこれがなかなか物語は複雑で、不倫をするものがいたりして個々の登場人物の裏側も描えれるが、それがあまり本編には関係が無く蛇足感がある。
そして農園の話とは別に、黒人の待遇が大きく取り上げられる。黒人はみんな黒んぼ(ニガー)と呼ばれる。農園の子供のフランクでさえもモーゼスを名前ではなく普通に黒んぼと呼ぶ。冒頭から黒んぼは白人を誤って殺すと、もれなく逮捕も裁判も省略されてその場で拷問のうえ殺される。最後まで黒んぼは何をしてもまだ黒んぼだった。結局黒んぼモーゼスを認めたエドナもウィルも1935年という時代ではモーゼスを守れなかった。
しかし小さな教会のお祈りでは白人の中に少数の黒人がいる。最初と最後に教会の前に続けて出てくる小さな町に似合わない巨大な建物は裁判所だそうで、まだ巨大な建物で黒人は裁判は受けられなかったが、小さな教会では少しずつ黒人が認められつつあるという象徴なのかもしれない。
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