「飛翔映画」ブルース・ブラザース いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
飛翔映画
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とにかく車が羽が生えたように飛びまくる或る意味SF作品かもしれない、スラップスティックもの。もう有名すぎる作品なのだが、未鑑賞だったので改めてスクリーンで鑑賞。
ファンクミュージック作品であり、ミュージカルであり、今の人種差別に遡る話であり、そして、“8時だよ全員集合“のコントであり、そのどれもが絶妙にブレンドしていて、弾ける明るさを一貫して突き詰めている。ストーリー的には単純で、昔居た孤児院の為に一肌脱ぐコンビが、昔のバンドをかき集めて、ライブを開いてそこで未納税金を一括返済してしまおうと画策する内容。何せ、神からの啓示なんていうきっかけがそもそもアメリカ的であり、そこに理屈や根拠はない「やっていれば何とかなる、なぜならば神がなんとかしてくれるから」精神は、映画作品としてはほんとに親和性が高い。なぜならば短い時間で展開を回すのには願ってもないことだから。そして、伏線と回収を繰り返しながら大団円と結実する最中で、有名人のゲストの豪華さ、カーチェイスのとんでもない物量、なんといっても二人の主役の小気味よい演技で、物語をスピーディーに走り抜ける爽快感を醸し出す。細かい事は抜きで楽しんでくれというメッセージを体現した作品である。孤児院は助かるが、騒動の責任で刑務所行き、しかしエルビス・プレスリーの”監獄ロック”の演奏というオチもキチンと着くし、エンディングはベタ且つパーフェクトではないだろうか。こういう義理人情に厚い話は、古今東西、共通なのだろうか、それとも『道徳感情』なのかな?
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