ブルー・イン・ザ・フェイス

劇場公開日:

解説

香港出身の監督ウェイン・ワンと現代アメリカ文学の旗手の作家ポール・オースターの協力から生まれた映画「スモーク」の姉妹編的作品。本作では二人が共同で監督にあたり、ビデオ撮影したブルックリンの町のドキュメンタリー映像も挿入。「スモーク」の監督・脚本コンビである「ジョイ・ラック・クラブ」の監督ウェイン・ワンと作家ポール・オースターが共同で監督するとともに、劇部分の基本的な設定を俳優たちと一緒に決め、即興的に演出。製作は「スモーク」のグレッグ・ジョンソンとピーター・ニューマン、ダイアナ・フィリップス、エグゼクティヴ・プロデューサーは主演のハーヴェイ・カイテルとミラマックス・フィルムのボブ&ハーヴェイのウェインスタイン兄弟。撮影のアダム・ホレンダー、美術のカリーナ・イワノフは共に「スモーク」から引き続きの参加。音楽プロデューサーは『愛されちゃってマフィア』(V)などのデイヴィッド・バーン(元トーキング・ヘッズ)、編集はクリストファー・テレフセンが担当。ビデオ撮影のドキュメンタリー部分はハーヴェイ・ワンが監督。共演は「デッドマン」のジャレッド・ハリス、「キング・オブ・ニューヨーク」のヴィクター・アーゴ、「マルコムX」のジャンカルロ・エスポジートらが「スモーク」から続投。また、ゲストとしてリリー・トムリン、マイケル・J・フォックス、マドンナ、人気コメディエンヌのロザンヌ、監督ジム・ジャームッシュ、ジャームッシュ作品で知られるジョン・ルーリーが自身のバンド“ジョン・ルーリー・ナショナル・オーケストラ”を率いて顔を出し、そしてルー・リードが煙草とブルックリンへの愛着などを語るあたりが見どころ。

1995年製作/84分/アメリカ・日本合作
原題:Blue in the Face
配給:日本ヘラルド映画配給(NDF=ユーロスペース提供)
劇場公開日:1996年3月2日

ストーリー

オーギー・レン(ハーヴェイ・カイテル)の煙草屋《ブルックリン葉巻商会》は、10代の子供が銃を撃ち合うような時代のブルックリンのなかでなお人間らしい関係が残っている場所だ。常連客のジム・ジャームッシュは禁煙を決意し、ついては最後の一本をオーギーと一緒に吸いたいと言う。店のオーナーのヴィニー(ヴィクター・アーゴ)の妻ドット(ロザンヌ)が、夫がラスヴェガス行きの約束を反故にしたとオーギーに愚痴る。オーギー自身も恋人のヴァイオレット(メル・ゴーラム)とコンサートに行く約束の日に別の用事を入れてしまい、彼女は別に女がいるんじゃないかと嫉妬する。ラップに乗せて時計を売る行商(マリク・ヨバ)がやって来る。人種意識の強い彼はイタリア系と黒人の混血のトミー(ジャンカルロ・エスポジート)に言いがかりをつけるが、ヴィニーが出てきてカントリー音楽を歌いだし、みんな笑って丸く収まる。店の前でトミーはブルックリン名物ベルギー風ワッフルを欲しがるルンペン(リリー・トムリン)に会う。また別の日には高校時代の同窓生のピート(マイケル・J・フォックス)が通りかかる。ヴィニーがオーギーに煙草屋を閉店して健康食品の店にすると言いだした、煙草は時代遅れだと言うヴィニー。だがある昼下がり、ブルックリン・ドジャース栄光の42番でメジャーリーグ初の黒人選手ジャッキー・ロビンソン(キース・デイヴィッド)の幽霊がヴィニーの前に現れ、昔ながらのブルックリンの温もりを説く。夫の無関心に業を煮やしたドットは一人でラスヴェガスに行くといい出し、ヴィニーもいっしょに行く。旅先のヴィニーから歌う電報配達(マドンナ)に託した電報が届く。店は売らないという知らせだ。喜んだオーギーとヴァイオレットが店の前で踊りだすと、近所の人達も立ち止まり、しまいには571人が集まる大ダンスになった。それから9か月後、オギーとヴァイオレットに子供が生まれた。一年後、煙草屋に白いスーツで決めたラッパーが来た。これが実は例の時計売り。またヴィニーが歌い、みんながブルックリンを祝福する。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0ILOVEMYLIFE❤

2021年5月27日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ブルックリンのタバコ屋の店主と町の人々の愛すべきくだらない日常

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kana

2.5ヤメられないよ、煙草は

2018年12月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

大好きな町と薫る煙がモクモクと愛煙家や人々が語るブルックリン愛とタバコの事など。

ドキュメンタリーとインタビューを交えて演じる役者たちの世間話と痴話喧嘩をいわゆる駄話が繰り広げられる群像?劇。

同じスタッフ、キャストの「スモーク」を想像して観てしまうと拍子抜けしてしまうかも!?

個人的にはL・リードやJ・ルーリーとジャームッシュが出演しているだけでアガる。

左に二つ腕時計を付けている感じとかツッコミたくもなるが格好良い。

あれだけで"マドンナ"って贅沢。

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万年 東一

5.0ハーヴェイ・カイテルをこの映画で知った

2015年8月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、映画館

楽しい

幸せ

萌える

だーーーいすきな映画です。サントラCDも買いました。いつ見たんだろう?なんでこの映画にたどり着いたんだろう?全然覚えてない。

サントラ、久し振りに聞いてます。踊りたくなる!「スモーク」は一応ストーリーがある。一方、この映画はエッセイというか、カイテル中心に色んな人の生活や姿がパッチワークで描かれるキャンバスかな、かっこいい音楽付きの。とにかく音楽いい‼️スモークも好きだけれど、私はこっちの方が好きです。こういうアメリカの街なら、行ってみたいな。

おまけ
とても久しぶりにまたサントラ聞いてます。いろんな言語が素敵、音楽素敵、踊れる、踊る!私はカイテルと縁がある!と勝手に思って幸せ!(2024.04.26. )

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talisman

3.5「コーヒー&シガレッツ」と一緒に観てください

2009年7月13日
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

楽しい

幸せ

C&Cをレンタルして観た後、偶然にも本作がCSで放映されていました。ジャームッシュ監督も出演しています。ちなみに本作は喫煙家なら絶対好きになる「スモーク」という作品の続編のような作品です。

舞台となっている街はNYのブルックリン。わたくしもここに2回ほど行ったことがあります。最近のNYではここが文化・芸術の中心となっていると、当時バックパックでこの街に一か月滞在した時に教えられました。確かにすごく面白かったです。

本作は、そんなブルックリンでわたくしが観た光景・空気・人々を見事に再現しています。物語的な内容はどちらかと言うとつけて足したようなもので、フォーカスが当てられているのは、ブルックリンに暮らす人々と、時代の変遷とともにその生活が変わろうとしている現実というけっこう骨太な設定。

その日常は毎日がちょっとした乱痴気騒ぎで、笑いがあってどこか心暖まる。こういう緩和剤映画を観ると、日本の都会で暮らしているうちに自分が小さくなてきているような感覚がします。

ニューヨークという街は、貨幣というものが発明されて以降、人々をそれまでの規範から自由にした最大のモデル都市なのでしょう。そしてこの街は煙草やコーヒー、お酒が本当に似合う場所です。

いつかこの街に住みたいです。

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あんゆ~る
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