「不朽の名作」フランケンシュタイン(1931) どすこいたろうさんの映画レビュー(感想・評価)
不朽の名作
大好きな作品。なんで生涯ベスト5に入れてないんだ、と自分でツッコみたいくらいには好きです。
他レビュアー様方が仰っているように、後世に与えた影響や、原作をホラー映画として昇華させた功績はもちろん素晴らしいものです。ですが、何よりこの映画の凄いところは、現代においても観る者の感情を揺さぶり、印象的な各シーンを強烈なまでに心に刻み続けているということ。シンプルに映画として非常に面白い、エンターテイメント作品なのです。
モンスター役のボリス・カーロフの表現力に心を鷲掴みにされます。特殊メイクのせいで表情は出しづらいはずなのですが、モンスターの喜怒哀楽が伝わってきます。ラストのクライマックスの頃にはモンスター側に感情移入し、涙した人も多いのではないでしょうか。
大掛かりなセットは見応えがあり、博士が研究の為に引き籠もっている塔も雰囲気たっぷりで、世界観をしっかり固めています。照明も素晴らしく、恐怖を煽るような照明の当て方は各シーンに芸術的な印象すら与えています。
ホラー映画としてだけでなく、モンスターの悲劇の物語としても素晴らしい名作。単なる古典映画として片付けるにはもったいない、非常に見応えのある作品です。
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