「今の人が認識しているフランケンシュタインの怪物」フランケンシュタイン(1931) つとみさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5今の人が認識しているフランケンシュタインの怪物

2024年1月17日
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鑑賞方法:VOD

メアリー・シェリーが原作の小説を書いた時代は女性が創作活動をすることもホラー作品も受け入れられない時代であった。
そんな中でも原作を書き上げたメアリー・シェリーは作品になんらかの想いを込めたことだろう。世間に受け入れられない怪物に自身を含めた全ての女性が重なったであろうことは容易に想像がつく。
メアリー・シェリーはフランケンシュタイン博士が生み出した怪物の物語をホラーだとは思っていなかったと思われるが、読んだ者は恐ろしい物語だと認識したようだ。

そして本作である。もうただのゴシックホラーとなってしまって、メアリー・シェリーは悲しんでいることだろうが、この作品が後世に残した功績は大きい。
なぜなら、今の我々が認識しているフランケンシュタイン博士の怪物は、この作品の怪物だからだ。
物語も、怪物の見た目も、ボリス・カーロフが演じた動きも、今の人はほぼ全て、これがフランケンシュタインだと認識している。
それだけこの作品がインパクトのあるものだったことを表す。

映像の粗さなど問題はあるものの、それなりに面白く観られることも素晴らしいと思う。
ホラーとして娯楽作に徹するために、余計な情感を込めなかったのが良かったのかもしれない。博士にも怪物にも。
悪く言えば、尺が短く「軽い」作品ではあるけれど、これはこれでいい。

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つとみ