プライベート・ライアンのレビュー・感想・評価
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それぞれのライアンを救うこと
ノルマンディー上陸後、兄弟が全て亡くなったライアンを母親の元に返せという任務のため戦場へライアンを探しに行く兵士たちの話。
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Privateは名前の前につけると「二等兵」って意味になるらしいんだけど、一般的に使う「私的な、個人の」意味とこの映画の内容的にかかってるんかなと思った。
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ライアンを救うことは、ミラー隊長にとって胸を張って家に帰れるようになるための任務。そのためには、1人死んだらその倍の人数を救っているという信念とは真逆の1人のためにたくさんの犠牲を払うことをする。
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そしてアパムにとってライアンを救うことは、男になることかなと思った。仲間を殺した敵兵でも丸腰の捕虜を殺さないという信念に背いて、最後自分が助けられなかった仲間を殺した捕虜を撃ち殺す。
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他の人に関しては分からなかったけど、それぞれ胸の内に自分にとってのライアンを救うことの意味があって、それがタイトルとかかってるのが良い。
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まぁ、冒頭の戦場のシーンでぐっと引き込まれるだけに途中間延びしちゃって、さすがに3時間は長い(笑).
面白かったです
序盤のノルマンディー上陸作戦の描写。とてもリアリティを感じました。血に染まった海水や、千切れた腕を持って正気を失っている兵隊。戦争ってこういうものなのかと考えさせられました。
でも実際どうなんでしょう…。実際に戦争を経験したことのない自分がこの描写を観て「戦争は残酷だ」と評価することは正しいのだろうか…。久々に戦争映画を観てこんな余韻に浸っています。
それと、この作品で最後まで気になったことが2点。
一つ目は「なぜライアンを救出すること」が最重要の任務になったのか、普通に考えればそんな費用対効果が低いことはしないはず。ライアンとはいったい何なのだろうか…。ただの救出作戦ではないなんらかのメタファーなんじゃないか。わかりません。
二つ目はミラー大尉の手の震えについて。最初は「この人はパーキンソン病を患っているにでは?」と思っていましたが、結局語られることはなく…。彼の過去と繋がりがあるのか、単純に戦争のせいなのか、ゆっくり考えてみます。
特にラストが秀逸
今更ながら鑑賞
ネタバレなしのレビューが難しい映画だが、
とにかく、飽きても最後までみたほうがいい
結末に至る流れも圧巻
当時のノルマンディー上陸作戦を生で見ているかのようなリアリティ。さすがスピルバーグといったところか。
実話を上手く加工した感じ。
そして、トムハンクス、マッドデイモンなどの演技力。
今見ても色あせない。
名作と言われる理由がわかる
アメリカ映画的な要素が残念
序盤のノルマンディー上陸作戦の戦闘シーンは圧巻。
兵士目線で海の水面に出たりもぐったりするカメラワーク、その時の音。
「生きて帰れない」「多分全滅する」と直感しつつも、その浜に投げ込まれたら退路も無く、地獄の光景の中をただただ這って前に進むしかない。どう行動すれば生き残れるわけでもなく、弾に当たるか当たらないかは運としか言えない。すさまじい臨場感。戦争映画は数あれど、ここまでの映像は他にはないのではないだろうか。
ただ、映画の終盤、絶体絶命のところに味方の戦闘機が来てサラッと形勢が大逆転して勝利する点や、映画の始まりと終わりに戦没者の墓や星条旗をもってくる演出が、やはり「ヒーロー映画」を求める「アメリカ映画」だなと感じて、終盤にサーと冷めてしまいました。
I'm a schoolteacher. I teach English composition...
人には温度差があって、わたしがいいと思った映画でも、相手にはそれほどでもない、ということは、よくある。わたしはまだ若く、いいと思った映画を周囲に喧伝するたちだった。当時、この映画に感動し、何人かに「いいから見ろよ」と言ったのをよく覚えている。それを、この映画以降、しなくなった。人は、人それぞれであることを知ったからだ。くわえて、この映画に感じないなら、じぶんと他者の壁など、とうてい克服できないと思ったからでもある。そういう映画だと思う。
高校教師だと明かすシーンが好きで、なんどもなんども見る。
フーバー!
この作品が本当に反戦映画か?という議論があった。それはある意味正しく、ある意味正しくない。ストーリーの展開でライアン(マット・デイモン)を見つけてから“橋を守る”ということが中心となってしまい、単なるアメリカ万歳の戦記モノに成り下がってる雰囲気があるからだ。トム・ハンクスやエドワード・バーンズ、そしてマット・デイモンの視点で見てしまうと、どうしてもそう感じる。
ところが、実戦経験がないのにドイツ語・フランス語が話せるというアプム(ジェレミー・デイヴィス)の視点に立つと、戦争の恐怖、嫌悪感がグサリと突き刺さってくるのだ。捕虜に対する扱いにおいて、ともかく「違法だ」と他の復讐に燃える兵を戒める姿。なぜだか印象に残ってしまう。そして、最後に彼がとった行動・・・降伏したドイツ兵が「アプム」と叫ぶ。そしてその彼を撃ってしまう・・・途中の廃レーダー基地で逃がしてしまったドイツ兵だ。
さらに映像・音響面、冒頭のオマハビーチではとにかくアッという間に味方が殺されていく様子。阿鼻叫喚という言葉がピタリとくる残虐な戦争。これが戦争なんだよと訴えてくる映像には反戦意志そのものがあるんだけど・・・
ヴィン・ディーゼルとかポール・ジアマッティとかいい味だしてたし、上陸作戦では顔すらわからなかったけど、それぞれの人物像などがわかりやすい。それが救出作戦というヒューマニズムに繋がってしまうのは残念。ライアンは無情にも死んだほうがいいはず。プロローグとエピローグで登場する老人がアプムであることを祈ったのに・・・
戦争を味わうならこれ一択
初めて見たのは小学生入りたての頃か、10年以上前に見た映画だが
序盤の上陸作戦のシーンはハッキリと覚えていた。
それ程までの臨場感があり、幼子の私にも戦争の何かを感じ取っていたかもしれない。
たまたまYoutubeの切抜きで再びお目にかかり、そのまま本編を鑑賞したのだが
ラストのトム・ハンクスが演じるミラー大尉の言葉はかなり胸に来た。
私がこれからの人生どれだけの経験を積んでもあの言葉にあの重みを載せる事はできない。
戦争は忌避されるべき事だか、そこでしか生まれない物もあると思わされた一作。
2020/05/12
冒頭のオマハビーチでの戦闘シーンの迫力の凄まじさ!!!
飛び散る肉片、血に染まっていく海、今さっきまで話してた仲間も次の瞬間には顔面が飛び散っていたりと、その地獄絵図っぷりに一気に引き込まれた。
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そんな状況下で「他の兄弟が全員死んだから末っ子1人連れて帰ってこい」って無茶苦茶な命令をされ、誰かも知らない兵士1人連れ戻すために命をかける8人と、「兄弟全員死んだから国に帰るぞ。ちなみにここに来るまでに2人死んだ。」といきなり言われるライアン。どっちも理不尽すぎる。いかに自分を納得させるかという各々の葛藤。戦争の理不尽さを考えさせられる。
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最後の最後のアパムの行動に「よくやった!」って思っちゃったけど、よく考えたらそれって戦争側に行ってしまったってことなんだよなぁ。
ベトナム戦争映画を立て続けに見た後だからか、アメリカ合衆国万歳!的な雰囲気に違和感が拭えない。
撃ち殺された仲間だけでなく、撃ち殺した相手にだって家族がいて未来があったはずなんだよなぁとか考えてしまう。
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それでも戦う男たちのカッコ良さもあって。
特にジャクソンかっこいいー!
神に祈りながら的確に仕留めていく様が無茶苦茶カッコ良かったけど、神に祈りながら人を殺してるって皮肉だ。
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惨い。しかしこれが現実であり真実
「完璧だ。唯一難点を挙げるなら火薬の匂いがしないことだ」などと冒頭の上陸シーンを語る人がいる。
これほど非人道的な殺戮を観たことがない。
だがこれが現実なのだろう。
今まで観てきた戦争映画の中で1番リアル。
さすがスピルバーグとしかいいようがない。
戦争描写は完璧。
しかし少し長い…
ストーリーが途中で中だるみして、ちょっと飽きてくる。
もうちょいサクサクスピーディーにしても良かったのでは?
「ぜったい兵隊さんにはなりたくない」と思った映画
観終わって、フラッフラになりながら映画館をでましてね。
近くの喫茶店でコーヒー飲みながら「ぜったい兵隊にはなりたくないなあ・・・」と思いました。
2~3日、音というものに敏感になって、ピンが床に落ちる音まで「カ~~~ン」とか聞こえたり、
車が近づいてくる音に耳を塞いだりしてました。
たぶん、たった170分だけど戦場に居て感覚が異常になってしまったんでしょうね。
しかしながら、ベトナム戦争に従軍した元海兵隊の友人が「あれも、ただの映画」なんて笑いながら言っていたしなあ。
飛んでくる弾が見えるって、どんな感覚を研ぎ澄ませばそうなるのだろうか?
彼は未だに森に入ると耳を澄ませ、落ち着かなくなり、竹やぶの近くに行くのを避ける。
本物の戦場ってどんなものなのだろうか?
わたし、戦場はあの映画で十分です。
あの映画だけはもう観たくない。
戦場に吹く無常の風に心を打たれる…。しかし170分は長すぎる。
ノルマンディー上陸作戦を舞台に、ある兵士の救出ミッションを課せられた兵隊達のドラマを描く戦争映画。
監督は『インディ・ジョーンズ』シリーズや『ジュラシック・パーク』シリーズの、映画界の生ける伝説スティーヴン・スピルバーグ。
脚本に『ザ・フライ2』『ショーシャンクの空に』の、ヒューマン・ドラマを得意とするフランク・ダラボンが参加している。
主人公であるミラー大尉を演じるのは『ビッグ』『フォレスト・ガンプ』の、ハリウッドを代表する名優トム・ハンクス。
救出対象であるライアン一等兵を演じるのは『レインメーカー』『グッド・ウィル・ハンティング』の名優マット・デイモン。
当時は無名だったヴィン・ディーゼルがミラー大尉の部下エイドリアンとして出演している。
🏆受賞歴🏆
第71回 アカデミー賞…撮影賞、音響賞、編集賞、音響編集賞、監督賞の5冠を達成‼️‼️
第56回 ゴールデン・グローブ賞…ドラマ部門の作品賞と監督賞の二冠を達成❗️
第24回 ロサンゼルス映画批評家協会賞…作品賞と撮影賞の2冠を達成❗️
第64回 ニューヨーク映画批評家協会賞…作品賞!
第4回 放送映画批評家協会賞…作品賞!
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第二次世界大戦における苛烈な戦場を生きる一般兵たちの目線から、戦争の悲惨さと生命の尊さを観客に教えてくれる、戦争映画のお手本の様な高いクオリティーの映画。
特に冒頭20分のオマハ・ビーチでの死闘は、後世まで語り継がれているのも納得の凄まじい描写!
バババババッと撃ち倒されていく兵士たちの死に様は、あまりにも凄惨。臓物や肉体の欠損も容赦無く描かれるのでなかなかにしんどい映像になっています。
また、ヘルメットによって助かった兵士が、ヘルメットを脱いだ瞬間に頭を撃ち抜かれたり、通信していた兵士が次の瞬間には死体に変わっていたりと、兵士たちの死に方は見様によってはシュールなギャグの様にも演出されている。
この様な演出によって、戦争による被害とは悲劇的な死というよりは不条理な死であるということが強調されている様に思います。
冒頭は迫力があり引き込まれたが、その後の展開はやや退屈。やはり170分という尺は長すぎる。
お話としては行方不明のライアン一等兵を探して連れ帰るというシンプルなものなので、こんなに長い上映時間が果たして必要だったのか?
フランク・ダラボンが関わる映画は、大体上映時間が長くなりすぎるという特徴がある気がします。
登場人物の描写ですが、トム・ハンクスやマット・デイモンは流石にわかるのですが、ミラー大尉率いる兵隊たちはそれぞれのキャラクターの区別が出来なくて困りました。
全員同じ服着てヘルメットかぶってるんだもん。誰が誰やらわからんかった。
その中でもスナイパーの人はキャラ立ってましたねー。かっこよかったです。
どこかで見たことあると思ったら、『グリーン・マイル』の看守の人だ!トム・ハンクス&ダラボンと縁がある人なんですねー。
クライマックスの展開はベタです。…がしっかり泣きました。
どんな人間でも、その命は多くの犠牲の上に立っていることを忘れるな。精一杯生きろ。というこの映画の持つメッセージを突きつけられると、命を無駄には出来ないなと考え込んでしまいます。
流石スピルバーグというべき、命の尊さというテーマ性と、激しい戦争のアクション性が見事に融合された、なかなかの名作だと思います。…かなり長くて冗長なところもありますが。
余談ですが、この映画を観ていて、何故ただの農家の倅であるライアンを、ほかの兵士の命を危険に晒してでも救助せよという命令が下されたのか疑問でした。てっきりライアンは偉い人の息子なのかと思ってました。
「ソール・サバイバー・ポリシー」という、従軍している身内の中で、唯一の生存者は帰国できるというルールがアメリカにはあるのですね🤔
この辺の事を知っていないとちょっと混乱してしまうのではないでしょうか?
非模範的ミリヲタによるひねくれた感想
アカデミー監督賞に輝いた名作であるが、真面目に褒めても仕方ない。
以下は「愉快ツーカイな戦争映画」を愛する自分による「非模範的」な視点による感想である事をお断りしておく(笑)
まず、OPとEDにあたる墓参りシーンだが、華麗にスルー。これはラッピングのリボン、ケーキに載ってるサンタの様なもので、好きな人には良いだろうが、小生、喰えないモノに興味はナイのである。
次に”Dデイ”のシーン
これは文句のつけようがない。個人的には本作最大の見所である。
兵士個々人の様々な運命を描きながら、シーン全体はテンポ良く進んで行く。
その中でも本編に備えて、メインキャラの個性はちゃんと演出する。
ビニール袋に入れた小銃とか、銃剣にガムで鏡を貼り付けるとか、ディティールもニクイ。
「後続の為に場所を空けろ!」「出たら死ぬだろ!」みたいなやり取りも大好物。
凄惨な描写も『プラトーン』で産湯を使い『ハンバーガーヒル』をテープが擦り切れるまで見たこの身にとってはむしろ快いのである。
「助けようと引っ張ってたらいつの間にか断片になってた」はお約束だよな!
んで、タイトルにもなっているミスタ・ライアンを探し回る一連のシーン。
これらもまぁまぁ好き。
同姓同名の人違いネタは面白かったし、「実戦を知らない上層部」描写が効いている。
トム・ハンクスが突っ走ったせいで出る戦死者のシーンのねちっこさもたまらない。
ドイツ兵に「アメリカ、好き」とか言わせる辺りは思わずニヤニヤ。
映像的にも素敵な部分が多く、素直にスピルバーグすげぇと思わせてくれる。
…のだが、ラストでもないのに昔語りが炸裂したりして、この映画の方向性が確定してしまう部分でもある。
あとは、絵的なハイライトがあるといいなぁと願いつつ見続けるしかない。
前線の橋に到着!
遂にミスタ・ライアン発見!
そして「帰りたくない!」から「じゃあ皆で戦おう!」流れる様な展開。
うん、そうなると思った(笑)
(ここはマット・デイモンの好演が光る。その後は壁の花になってしまうが)
兵器も兵力も足りないが、知恵と勇気でカバーだと靴下で爆弾を作り出す一同。
橋を爆破して逃げちゃアカン理由がイマイチ分からないのは小生の読解力不足であろう。
そしてレコードをバックに死亡フラグを高々と掲げるシーン。
あーーー好き!好きは好きなんですよこういうの。
その後に必ず来る戦闘シーンが好みのものであったなら、なんですけどねぇ。
さて、
個人的に最も好みに合わなかったのがラストの戦闘シーン。
カタルシス、ゼロの上に、「アパム」のエピソードが底流してるのでホントたまらない。
虎の子のバズーカの使い方ー!リアルじゃなくていいからカッコ良く使ってくれよ(涙)
それにしても橋を落とさないとは思わなかった…あれ伏線じゃないんだ…(笑)
トム・ハンクスが拳銃を撃ち始めた時には「ああ!銃弾で着火とか?」と淡い期待を抱いてしまったよ。
あの不細工な(笑)ティーガーが転げ落ちていく所が見たかったにゃー。
(そういやパンターは何処にいたんだ?え?聞き間違いかな?)
個人的にはライアン以外全員戦死して、ライアンが橋を落とし、一人生きて帰る、で良かったのですが。
…まあ、意図してやってるんだろうけど(笑)
本作では、戦争が人知を超えた忌むべき災害として書かれている様に思える。
(一度は助けたドイツ人をラストでは撃ち殺してしまう辺り、特に。)
そして、それは正しいのだろうし、言うまでもなく現実で戦争なんてまっぴらゴメンではあるのだが…
こうまで徹底されると揚げ足も取りたくなってしまうのだよ(笑)
せめて映画の中でくらい、「人」は強くカッコいいものであって欲しいのだ。
P-51だけは息を呑むほどに美しかった。
初めての戦争映画でした
当時小6、当たり障りないドンパチしかみたことなかったので衝撃的だった
作戦の内容とか国のこととかよくわからなかったけど、「戦争の悲惨さ」を知るにはいい教材だった。
人はこうやって戦争で死ぬんだと、怖く悲しくなりました。
冒頭の地獄絵と胸に刺さる言葉
映画冒頭に出てくるノルマンディー上陸作戦の地獄絵。走行船を出た瞬間に起動銃に集中砲火され、ゲームのように死んでいく兵達。腹から腸を出しながら、「ママ、ママ」と叫びながら死んでゆく兵。
ライアン二等兵を救った後、最後に死ぬ直前に「無駄に生きるな。しっかり生きろ。」とライアン二等兵に伝えるミラー大尉の言葉と、冒頭墓地の前で泣き崩れた後、「私はいい人だったか?いい人生だったか?」と妻に聞く、老いたライアン二等兵の言葉が胸に刺さる。
アメリカ人が好きそう
戦時中の心の描写が丁寧に描かれていること
圧巻の映像
の点では評価できるものの、3時間の長丁場の中ドンパチが映像の大半を占め、ストーリーは単調なため観るのに体力を使った。(途中少し寝そうになった)
主題として、戦争の中で息子を亡くす母親に焦点を当て、その大事な最後の息子を守り抜こうとする兵士たちといった見せ方はアメリカ人が好きそうだなといった感想
名作として名高い分期待値が高すぎたのか、満足度はそれほど得られず残念な結果に。
ダブル・スタンダード
本作はフィクションだが後に軍の規定になったSole Survivor Policy(兄弟全員戦死にならぬような特例措置)に関係した幾つかの実際の兄弟(1942年サリバン兄弟5人全員戦死、ニランド兄弟、ボーグストロム兄弟ほか)の実話がベースになっている。世論緩和のために政治家のやりそうなこととか、他人の犠牲はいいのか、命に重みは付けられるかなど批判の声が聞こえてきそうだ。実際、使命を受けた部隊の中でも葛藤が絶えない。誰もが納得できない気持ちでいることは理解できる、冒頭20分の手持ちカメラでのリアルな殺戮シーンを見せられた後では尚更だ。
俯瞰して観ればドイツ軍と死闘を行っていたのはソ連、第二戦線を敷いてドイツ軍の兵力分散が必要だったのだが米軍の参戦はドイツ降伏後に欧州がソ連の配下に染まることへの懸念、政治的意図だった。自由・人権を唱えながら有事となれば兵は消耗品、駒にすぎない、国の命令は死刑宣告に等しい、このダブルスタンダードこそが元凶なのだろう。
勇猛なミラー大尉(トム・ハンクス)は部下にも高校教師であったことを伏せていたのはこの自己矛盾、葛藤に思える。クライマックスの戦いの前にピアフの「暗い日曜日」が流されるのもシュールだ。久しぶりに観直してみて感じたのだがスピルバーグの凄いことは直接話法でなく映像、エピソードを通じて観客の意識に再投影させることで真意を伝える才能なのだろう。
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