プライベート・ライアンのレビュー・感想・評価
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戦争アクション
スティーブン・スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演の本映画。
日本での劇場公開から15年経つが、俄然評価は高い映画なのでDVD観賞してみました。
【各シーンでの感想】
①舞台は、第二次世界大戦・ノルマンディー上陸作戦(米英連合軍による、フランス・ノルマンディーのオマハビーチへの侵略)。しかし、映画冒頭での20分にも及ぶそのシーンは、正に地獄絵図そのもの。米兵士が独軍攻撃により負傷していくシーンがあまりに生々しい。
なぜこんなに命を失ってまで戦争をする必要があったのか、と戦争の意義を問いかけているような心情でした。
②2等兵ライアンを戦場から救出し、母国へ帰還させよという上層部の指令。8人の兵士がその指令に任命されるが、途中敵軍により1人、2人と仲間を失うにつれ、なぜ一人の兵士のためにこんな思いを、と不満も漏れ始める。
兵士たちがライアンを戦場で見つけるシーンまで、1時間ほどかかるため、一体ライアンはどのような人物・キャラクターなのだろうという気持ちがあった。そこでのライアンはこのような過酷な状況で見方を見捨てて帰国できるか!と激しく意見を述べる。
ライアン自身の兄弟の訃報を聞いた直後であるにも関わらず、周りにいた兵士をも納得させるほどの意見には奮い立たされた。
③そして最後の米連合軍と独軍の戦闘シーン。銃など武器が不足している米軍に対し、戦車による圧倒的戦力を持つ独軍。その銃撃戦も壮大な迫力で必死に戦う兵士の姿に興奮せずにはいられない。
そんな中、銃撃を受け瀕死状態のミラー大尉(トムハンクス)が、ライアン(マットデイモン)へかける言葉。
「無駄にするな、しっかり生きろ」
戦闘シーンのラストとして感動的でこの上ないシーンであった。
人が戦争を起こし、戦争が人を育てる
戦争映画にはあまりない、戦争中にある人々の葛藤、そして成長してゆく物語だ。国をとるか、人の命をとるか。この選択は国旗と墓が映る冒頭、そして最終シーンで暗示されているのがよくわかる。上から命令された任務とアメリカ兵の最大の目的。どちらを取るか。ミラー大尉もライアンも答えは同じく目的だ。そしてそれは後世に語り継がれ、ライアンは大統領に、ミラーはライアンに敬意を払われるシーンはスピルバーグの最大の見せ場ではないだろうか。一方で、事実あった戦争をいかにリアルに見せるかは、さすがの力量だ。やはりカメラワーク。固定カメラではない方がよく戦争映画は取れる。そう教えられる。この男にかかれば何でも感情移入してしまうスピルバーグマジックだ。連合軍の勝利という現実とは裏腹に、アメリカ兵の不安さ、死にたくないという願望を強調して映している。
感無量、他にどんな言葉があてはまるというのだろうか。
戦争。
戦争映画は数多くあるが、この作品は観てきた戦争映画の中では飛び抜けて素晴らしい。
緊張感、リアリティ、カメラワーク、どれを取っても最高。
戦争とはどんなものか、そして人間の命がどれだけ容易く消えて行くのか。
すべての人に一度は観て欲しい。
戦争映画
たった一人の若者を救う意味。
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