「戦争の悲惨さと生きることの意味を問う」プライベート・ライアン snow2007さんの映画レビュー(感想・評価)
戦争の悲惨さと生きることの意味を問う
最初タイトルの意味がわからなかった。
プライベート・ライアン(マット・デイモン)とはライアン2等兵。
キャプテン・ミラー(トム・ハンクス)とはミラー大尉。
サージャント・ホーヴァスはホーヴァス軍曹。
コーポラル・アパムはアパム伍長。
ときは、1944年6月6日。第2次世界大戦のノルマンディー上陸作戦の最中。オハマ・ビーチを丸1日かけて攻略する冒頭の上陸シーンは臨場感溢れる。飛び散る血飛沫。難聴になるのも分かる爆音に銃声。スピルバーグ監督は現実にあった通りに演出したとのことだが、人が次々と倒れていく、戦争の悲惨さは言葉に尽くせない。
米軍には、Sole Survivor Policy(ソウル・サバイバー・ポリシー:唯一の生存者規定)があるそうだ。他の兄弟が全員戦死し最後の1人になったら、その1人は生存して帰還させるという規定だ。
ライアン兄弟の兄3人が戦死し、ライアン2等兵はこの規定の対象となった。
ライアン2等兵は、敵陣後方で行方不明となっている。
ミラー大尉(トム・ハンクス)率いる特命隊8名はノルマンディー上陸の後、ライアン2等兵(マット・デイモン)を帰還させる指示を受けた。
ミラー大尉の隊は犠牲者を出しながらも、敵中深く潜入し、ライアン2等兵を探し出し、命令を伝える。
ところが、戦車との戦闘で、ミラー大尉も命を落とす。ドイツ軍の戦車との戦闘シーンも緊張感いっぱい。
死ぬ前にミラー大尉がライアンに言った言葉、"Earn this. Earn it."(無駄にするな。懸命に生きろ。)が切ない。
最後は年取ったライアン氏が妻とともにミラー大尉のお墓参りをしているシーン。ライアンは妻に問いかける。
"Tell me I have led a good life. ""Tell me I'm a good man."(私は有意義に生きたか、良い人間か?)
アメリカ寄りの作品という声も多いが、戦争の悲惨さ、命令は絶対という軍の規律、生への渇望など人間の本質的な部分は民族問わず同じ、平和の大切さは同じと思う。