劇場公開日 1998年9月26日

「【スピルバーグがD-Dayからの1週間を重大なミッションを遂行するために戦った8人の男達の姿をリアリズム溢れる描写で描いた、強烈な反戦映画。】」プライベート・ライアン NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0【スピルバーグがD-Dayからの1週間を重大なミッションを遂行するために戦った8人の男達の姿をリアリズム溢れる描写で描いた、強烈な反戦映画。】

2021年8月28日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、TV地上波、VOD

悲しい

怖い

難しい

ー スピルバーグ監督は、今作では戦争を美化せずに、リアリティ過ぎる描写で戦闘シーンを描いている。ー

<Caution!  以下内容に触れています。>

◆強烈な戦闘シーン
 1.冒頭のD-Day 決行のシーン。
  飛び交う銃弾。飛び散る血。捥げた腕、足。累々たる連合国側の兵士の死体。
 ”ママ”と叫びながら、腹から出ている内臓を抑える兵士たち。
  今作後、これほどのシーンは「ハクソー・リッジ」位しか、覚えていない。

 2.ラスト、ミラー大尉(トム・ハンクス)達が、ドイツ軍との最前線地帯で、漸く、ジェームズ・フランシス・ライアン(マット・デイモン)と邂逅するも、ドイツ軍のタイガー戦車2台、歩兵50人と激しく戦うシーン。白兵戦のシーン。次々に斃れていく部下たち。
  が、連合国空軍がドイツ軍 を空爆するも、ミラー大尉は命を落とす。

◆構成の妙
 ・劈頭、星条旗が映され、年老いた男がアメリカ軍戦没者が眠る白い十字架の多数の墓に、歩み寄る。

 <D-Dayのシーン>

 ・ドイツ軍が多数残る中、ミラー大尉は、7人の部下を連れ、参謀長の密命を受け、ジェームズ・フランシス・ライアンを探しに行く。
 だが、途中、カバーゾ(ヴィン・ディーゼル!)、ウェイドを次々に失い、ライベンは与えられたミッションに激しく反発するシーン。
 情報処理の様な事務係だったアパムのみが、”捕虜を殺しては駄目だ”と言う中、
 ミラー大尉は、”自分は高校教師であったが、もう顔が変わってしまい、妻も分からないだろう・・”と部下たちに告げ、争いを抑える。震える右手。
 ウェイドを殺したドイツ兵を目隠しして逃がし、独りウェイドが遺した母への手紙を読み、涙を流すミラー大尉。

<ラストの戦闘シーン>
 ・あのアパムが、且つて逃がしたドイツ兵を問答無用で撃ち殺すシーン。
 ・胸に銃弾を受けた瀕死のミラー大尉が、ジェームズ・フランシス・ライアンに掛けた短い言葉。
  ”無駄にするな。しっかり生きろ”
  ー ここは、3回観て、3回とも涙する・・。

 ・現代に戻り、年老いた男と、その妻の姿が映される。後方には多数の子供や孫の姿。
 一つの墓の前に膝を付き、涙を流しながら、
  ”貴方の、あの時の言葉を忘れた事はありません・・。”
  そして妻に、言った言葉。
  フォーカスされる、墓碑に刻まれた文字
  ”1944.6.13 戦死”

 ・再び、星条旗が映される・・・。

<スピルバーグ監督は、今作ではリアリティ過ぎる描写で戦闘シーンを描いている。
 しかし、多数のシーンで、戦争の愚かさ、虚しさ、兵士が心に負った傷を描き出している作品である。>

<2005年以降、幾つかの媒体で2回鑑賞>

<2021年8月28日 3度目の鑑賞>

NOBU
たなかなかなかさんのコメント
2021年9月2日

NOBUさん、コメントありがとうございます😊
他のレビュアーさんのレビューから学ぶことは多いですよね!
自分も勉強させてもらっています♪

たなかなかなか