「戦場の悲惨さを浮き彫りにするリアリティー」プライベート・ライアン しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
戦場の悲惨さを浮き彫りにするリアリティー
DVDで5回目の鑑賞(吹替)。
冒頭から、ノルマンディー上陸作戦の凄まじいリアリティーに圧倒される。榴弾砲の炸裂で舞い上がる砂とバラバラになった兵士。内臓を剥き出しにして泣き叫ぶ負傷兵。ついさっきまで生きていた者が次の瞬間には蜂の巣になっている。戦場の現実を容赦無く叩きつける渾身の描写で、まるで記録映像だ。
戦場の真っ只中からライアン二等兵を救出し、家族の元へ帰すための特別任務に就くことになった兵士たちの心の葛藤を通して、戦争の理不尽さが浮き彫りになっていく。
ライアン二等兵は8人もの人員を割いてまで助けに行くほどの価値のある人物なのか。自分たちにだって家族がいるのにどうして命を賭けなければならないのか。
任務だからと遂行しようとするミラー大尉。不服な部下との衝突を経ながらようやく発見した当人は、仲間を見捨てて自分だけ帰ることなんて出来ないと拒否する。
なんのためにここまでやって来たのか。しかし、後に思い返した時誇れる仕事をするため、ライアンたちの部隊と共同で迫り来るドイツ軍戦車部隊との決戦に挑む。
クライマックスもド迫力。小が大に立ち向かう展開が好きなので興奮した。壮絶な戦いで失われていく命。ミラー大尉の最期の言葉―「無駄にするな。精一杯生きろ」が胸に迫る。
人間、如何に生くべきか。精一杯生きることの意味を考えながら、日々を過ごしていきたい。老境に差し掛かり、自らのこれまでを振り返った時、胸を張れるように。
[以降の鑑賞記録]
2021/10/24:Ultra HD Blu-ray(字幕)
2024/09/21:Blu-ray(吹替)
※修正(2024/09/21)
冒頭ノルマンディー上陸のところ、悲惨でしたね。「ママ〜。」とも。
お兄さんが3人亡くなって、
『お母さんの木』を思い出しました。たしか5人のうち次男だけ帰って来る。
本作も息子全員亡くなったら‥‥。という事で始まりますが、部隊の人の命はどうなるのか?と考えたら、理不尽な話。
トム•ハンクスも亡くなってしまい、命令第一と言うけれど。
私も赴任先の東北の地方都市の劇場で2回、敢えて上映期間直後高額(@13000?)で購入したVHSで3回、DVDで2回鑑賞しました。もちろんレビューはありませんが、まだ若干青年であった私に影響大です。兵士の細かい仕草まで覚えてます。冒頭のシーンは言うまでもありませんが、詳細なフランス内部への進行していくミラー大尉以下のキャラクターに感情移入しました。ただ振り返るに、「アメリカンヒロイズムの権化」のようなスピルバーグ渾身のアメリカ万歳映画ですねぇ。それはそれで良いと思いました。 ただ最近は観ていません。つまらない長文すみません
基本あなた様のレビューにド共感です。ありがとうございました😊😊