「ソビエト連邦末期の空気感をまとった良作」不思議惑星キン・ザ・ザ sow_miyaさんの映画レビュー(感想・評価)
ソビエト連邦末期の空気感をまとった良作
全くのSFながら、描かれている内容は、階級によって統治された国家と人種間差別のカリカチュア。そこに、道徳感、家族愛、同志としての友情の芽生え、虐げられたられた者のしたたかさ、ロシア人の誇りなどをブランドして、レトロフューチャーな味付けを施したカルトムービー。
ソビエト連邦という国の中で、このような映画が作られたことに驚いたが、制作年代をみると、まさに「ペレストロイカとグラスノスチ」の時代。社会主義の行き詰まりを感じつつ、資本主義への懐疑と羨望の入り混じりがうかがえるセリフも出てくるなど、この映画が生まれた当時の空気感が味わえる。
カルトムービーといっても、内容にはこれといった破綻はなく、出てくる造形物の一つ一つもチープでありつつクオリティが高くて見飽きない。
きっとこの作品に影響を受けたのかなと思われる映画も、いくつか思い浮かんで楽しかった。
世界観を飲み込めれば、全編楽しく見られる良作。
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pipiさんのコメント
2024年4月21日
コメントありがとうございます!
イン薄で大変失礼しました〜。
現在、病を患いなかなか映画館に足を運べませんが、旧作中心にのんびりレビューをあげていこうと思いますのでお付き合い頂けましたら幸いです^ ^