「15年間気になり続けた映画は思いがけぬ良作だった。」不思議惑星キン・ザ・ザ pipiさんの映画レビュー(感想・評価)
15年間気になり続けた映画は思いがけぬ良作だった。
本作の存在を知ったのは1986年。スクリーンだったかロードショーだったかの付録で「SF.ファンタジー.怪奇作品図鑑」的な小冊子を入手。目的はその小冊子だったので、本誌自体を購入したのか小冊子だけを古本屋で買ったのかは忘れた。
内容はかなり濃く、第二次大戦後くらいからの秀逸な作品は一通り網羅してあったように思う。
その冊子に載っていたのが「不思議惑星キン・ザ・ザ」だ。紹介文も非常にユニークで、鋼鉄のカーテンの向こうにあるロシアンムービーに強く心惹かれた。
しかし、結局初めて観られたのは2001年。(89年に日本公開したの、当時気付かんかったw)
15年間、ずっと「観たい!」と思い続けていた摩訶不思議なハズの映画は思いがけぬ良作であった。
知ったきっかけがきっかけだったので、てっきりロシアSF古典作品かと思ったら86年の作品だったのね。小冊子での扱いは正規ラインナップではなく、おそらく「海外新作ちょっと変な映画」を紹介するコラムのような頁だったのだな。
86年と言えばまさにチェルノブイリ事故の年。ゴルビーのペレストロイカ、グラスノスチを毎日耳にした頃だ。
ハンガリー・オーストリア国境には鉄条網がまだあったし、ベルリンの壁は壊れていなかったし、ソ連は崩壊していなかった。
60年以上も続いたソ連共産党の一党独裁。政府と党の事実上の一体化。下部組織は上部組織に従わねばならない徹底した階級差別。鉄の規律と軍事力による統制。
それらに対する痛烈な批判が本作には込められている。ここまで滑稽に描いているのは、そうでなければ当局の検閲・規制を潜り抜けられないからだ。
まぁ、初回鑑賞時はそんな世界情勢にばかり意識が向いていたが、それから更に20年後。
2021年、アニメ版と共に再鑑賞して他の観点も見えてきた。(あらやだ。35年も経つって事?w)
主演のスタニスラフ・リュブシン(Stanislav Andreyevich Lyubshin)
カッコいいじゃないかぁ!
いや、観ているうちにどんどん惹かれていって「彼なら007も出来そうだな?」と思いました。
彼は当時53歳。うむ、86〜89年に観ていたなら私も「おじさん」と思っただろうな、多分w
(※映画.comのキャスト欄、間違ってますよ〜!スタニスラフとユーリー、逆になってるよー!)
貪欲なウエフとビーに愛想を尽かしつつも、どこか憎めない2人を決して見捨てないマシコフ。漢(おとこ)だよ〜。あなた、カッコいいよ〜。
今回、アニメ→実写と連投で観た為、マシコフもゲデバンもアニメ版キャラクターより遥かに好感度が高かった。
アニメよりも、ずっと深みのある作品に仕上がっていると思う。
かなり好きな映画かもしれない、と改めて思った。
pipiさん、コメントありがとうございました。こちらも、突然入院になってしまい、映画館に行かれない状況です。お互い頑張りましょう。今後とも、よろしくお願いします。
おはようございます。
オカシナコメントって、私も時々書かれます。あまり気にせず、放っておくと、運営側が消してくれますよ。私は、一度だけカチンと来たことがあってガンガン遣り合いましたが、ワンコさんが助けてくれました・・。感謝です。
大体、変なコメントを書いてくる輩は自分ではレビューを挙げません。卑怯だなあ・・。では。
大変ご無沙汰しております。
今作、半信半疑で観たのですが、あの気の抜けた変な音楽(途中で”クー”とか言っている・・。)に軽ーく脱力しながら、不可思議な映画だなあ、けれどなんだか面白いなあ、これならゴルビー(葡萄ジャナイデスヨ。美味いけれど。)の側近からも文句は出なかったのかなあ、と思いながら観ました。
では、又。
日曜にワクチン接種2回目を打つので、ちょっと心配なNOBUです。
職域接種で、心配そうに並ぶ連中を散々揶揄ってきたので、報いが来そうです・・。