ブギーナイツのレビュー・感想・評価
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誰でも楽しく観れ…るはず!
さすがポールトーマスアンダーソン! どんな人間にも光と影がある ストーリーは王道かもしれないが脇役の細かな演技や演出でも笑顔なった ドラッグで堕ちていく中盤、なんやかんや「みんな頑張ってるんだなぁ」と妙に安心して納得するラスト 良いヤツばっかりじゃないのがこの世の中でもそいつなりに悩んで悔やんで生きてるのかな ジュリアンムーアが良い演技でした。
PTAも昔は良心的
最近ワケわからない作品ばかりのPTA選手ですが、初期のものはわかり易くて好感持てます。 いくつかのエピソードが同時進行する一種のグランドホテル型ともいえますが、画面の切り替え巧みなのでアルトマン選手のような混乱がありません。 こういう演出をつづければよかったのに、最近のワケわからなさは情けないでですね。
ポルノ業界を軸に、 まさに「裸一貫」でスターダムにのしあがっていく...
ポルノ業界を軸に、 まさに「裸一貫」でスターダムにのしあがっていく サクセスストーリー見ごたえありました。 頂点を極めながらも、 自分の名声と、 ドラッグに溺れて堕落していく姿も人間らしくて、 切なくなります。 人間だれしも一つは長所がある。 主人公が持ってるイチモツは最大の長所だが、 僕が持っている僕のイチモツは、 僕の短所でであるのが残念だ。 どうにかもっと大きくならんかなw
二度見
そういう舞台ならでは当然のちんネタでしっかりと笑いをとってくる。笑わなしゃーないラスト。脱ぎっぷりも躊躇なし。ポルノ産業の実態を捉えたものとは思わないが、クールに描くわけでもなく、蔑むわけではなく、ビジネスとしてドライに捉えるのがよい。
リトルビル夫婦が幕引く70年代、ヒッピーの生き残りの絶滅からビデオ時代の到来。なんだかんだ言ってシフトしているバートレイノルズ。栄枯盛衰ものでそのジェットコースターぶりは十分楽しめるが、面白いのは破滅的ではない所。ライリーもチードルも次の時代に向かう。
キャラクターの豊富さ、それに応える役者陣、エンターテインメントとしても充実の一方、職業差別、アンバーの離婚協議の行方、勉強ができないローラーガール、ゲイ役を演じるフィリップと次代に繋がる社会問題もしっかりと踏まえる。
長回し
PTA監督の映画を初めて見た。長回しが多くて印象的。 マーク・ウォールバーグ目当てで見たから大満足だけど、出てなかったらあんまり楽しめなかったと思う。 それぞれの役に焦点を当てていてよかった。 マークの他、ジョン・C・ライリー、ドン・チードル、ジュリアン・ムーア、フィリップ・シーモア・ホフマンなど今では有名な人ばかり。当時どのくらい有名だったんだろうか。 レオが本来マークの役をやる予定だったらしいが、マークで良かったと思う。当時のレオのこういう役は想像ができない。 〜DVD特典の音声解説〜 ・マーク・ウォールバーグとジョン・C・ライリーは1度喧嘩したらしい。マークによると、遅刻やミスなどが重なったライリーに対してみんなでマシュマロ投げてたら顔に当たってキレられた。殴り返そうとしたが先のことを考えて思いとどまった。ライリーによると、当初マークはいたずらっ子で、上下関係が徐々に逆になっていた。空腹で機嫌悪い時にマシュマロを顔面に投げられてキレた。マークにキレたのは間違いだったが(殴られたら終わりだから)、仕返しはなくビックリされただけだった。翌日に仲直り。 ・マークは撮影中ほぼずっとキマってたらしい。 ・削除されたシーンだが、マークの運転する車が電柱に当たって死にかけた。 ・最後のあれは偽物。 ・音声解説を録音している時、子供が寝ちゃうからもう帰らせてって何回も言ってた。
浸らないノスタルジーにある冷めた作家の視点
1980年頃の映像メディアの最暗部である、ポルノ映画制作に携わる群像劇のバックステージもの。時代色が良く表れているのが、まず優れているところ。映画監督役のバート・レイノルズがいい味出している。後半のドラッグ付けの落ちぶれるところが丁寧に描かれ過ぎて重いが、単なる興味本位で片付けられそうな題材を一級の映画にした手腕は評価しないといけない。
“巨根”だけが取り柄の男の子がポルノ業界を泳ぎわたる姿を通してアメリカ社会を活写した異色作。
①ロバート・オルトマン映画に近い映画世界かな、と鑑賞前に期待していたが「ちょと」違った。 ②1970年代の時代風俗が懐かしい。
映画業界全体への愛と賛歌
一言でいうとポルノ映画業界で働く人々の物語 だけども決してドギツイポルノシーンは無い 局部のアップや行為そのものを期待してみたとしたら全くの肩透かしだろうから女性が観ても大丈夫 ラストシーンでポロリが初めてありますが、モザイクがかかってます 安心?してご覧下さい 本作のテーマは映画業界全体への愛と賛歌だ その意味で本作は、イブの総て、サンセット大通りに連なる系譜の末裔というべきかも知れない いや、それよりもトリュフォー監督の「アメリカの夜」になぞらえる方がふさわしいかも知れない 一般人からすれば映画業界は夢の世界 その業界を描くにあたり、より等身大で身近に描こうと敢えてポルノ映画という映画業界のヒエラルキーの最下層を舞台に選んだものだろう ポール・トーマス・アンダーソン監督の映画への愛は、本作の登場人物のポルノ映画監督の言葉が代弁する これからはビデオの時代だ、フィルムはやめてビデオで撮れと言われて、強く反発する そんな安物の映像を撮れるかと また別のシーンで、ポルノはポルノだが、俺は観客が性欲解消が終わっても最後まで観てしまうドラマが面白い映画を撮りたいんだと力説する 確かに底辺 それなりの人間ばかりの世界 それでも皆、プライドを持って「仕事」をしているのだ 素人出演企画で、監督や女優を素人が見下した時、切れてしまい暴力を振るってしまう それほどの矜持をもってより良い作品作りに彼らは日夜打ち込んでいるのだ それはハリウッドのお上品な映画と変わりはしなのだ 時代を感じさせるテクニックとして、当時のヒット曲がてんこ盛りで使われているのが楽しい 初めの1977年はディスコもので始まり 次第に曲もかわり終盤の1980年代の半ばとなると、アメリカ版歌謡曲として蔑称される産業ロックに変わっていく これもディスコは体を動かして皆で楽しむ音楽であり、映画でいえば映画館で皆と観るフィルム映画なら、産業ロックは使い捨て消耗品のビデオ作品がうける時代と世の中が移り変わってしまったことの表現だ そして監督と喧嘩別れして、産業ロックを歌って一山当てようとした主人公達は上手くいかず、結局ポルノ映画監督の元にかえるのだ 舞台はロサンゼルス、サンフェルナンドバレー ハリウッドの北側、ポルノ産業が集まっている地区 マグノリア通りは、ハリウッドとの境になる辺りの通りだろう ポール・トーマス・アンダーソン監督の映画への愛が強く伝わる作品であった そして、その監督の次回作はマグノリアであった 最後にタイトルのブギーナイツの意味 普通に夜毎のどんちゃん騒ぎ的な意味だ しかしディスコ音楽好きなら、1977年のヒートウェイブというグループのヒット曲、ブギーナイツから取られたものかと期待してしまう しかし全く関係ないようで、その曲は劇中で掛かりもしなかった
笑いと切なさと
10年以上前、20代の頃にみてとても感動した映画を改めて視聴。 まじめにやってダサいのが笑えるし、コンプレックスから栄光をつかみ、また挫折や劣等感を味わい、、、特にローラーガールが街にでて撮影して、、、のエピソードが、自分が思う自分と周りの目とのギャップでポルノ業界の切なさが描かれて良い。 ドラッグ、銃など闇のなかでセックスを武器に輝こうとした人達の物語。 音楽もとても良い。
久々のPTA祭
偶然にも、監督役で擬似家族の父親的存在を好演していたバート・レイノルズの訃報が報じられたところ。合掌。 ウォールバーグは出演を後悔しているそうだが、でも出ていなければ、俳優としてここまで成功していなかったようにも思うが…。 もちろん撮影現場でのsexシーンもそれなりにあるが、モザイクがかかるようなシーンはほぼ無し(ラストだけ?)で、意外と下品ではない。まあビル夫婦のエピソードは強烈だったが。 ダークの栄光と挫折、(擬似)家族の物語、社会に適応できない人たちの群像劇と様々な見方ができる。 そしてこれにもホフマン出てたー!
笑えるダサさ加減
M・ウォールバーグを主軸としながらもクセのある役者を集めた群像劇。 とにかく主人公の風貌を含めた行動がダサ過ぎて笑えるし70年代後半から80年代とディテールや役者陣のスタイルと徹底している。 後半から物語の方向性がグラついて誰に共感出来る訳でも無くそれぞれに起こるコトや結末に気持ちも入らずただ傍観。 P・S・ホフマンのソレとすぐ解る感じに佇んでいるだけで笑えるD・チードルと全体的に滑稽な人物描写が楽しい。 撮りたいコトが沢山あって若干、収集が付いていない空回った感も否めない!?
うっかり感動
70年代から80年代のポルノ業界に生きた人々を描いた映画 という紹介文から勝手に想像する映画内容からはかけ離れた人間ドラマで、ポルノ業界という一般社会からはみ出した世界で生きる人たちが紆余曲折ありながらも生きていこうとする姿にはうっかり感動すら覚えた。 ポール・トーマス・アンダーソンはこの時点ではおそらくほぼ無名ながらも、すごく計算されたとても印象的な長回しがあったりとその才能を爆発させてる。 あと自分を含めた若い人にあんまりピンとこないけど70年代80年代というものの描き方が最高でとてもよく調べられてるらしい。
エンタメの最高峰。
豪華キャスト、おバカで過激な描写、そこは最高です。
お話としては、冴えない少年がポルノスターとしての才能を見出され、その巨根を武器にポルノ業界のトップに駆け上がっていく話。しかし、ポルノ俳優としての葛藤などは特に描かれず、ただ有名になっていくに連れて天狗になって、最後に師を失うだけ。ここで最後には全てを失うのが定石だけど、てか監督的には全てを失ったという事なのだろうが、主人公が凋落する様が深く描かれてないから、ただ主役の座を失っただけで悲劇でも何でも無い。
あとは、主人公が母親と喧嘩して家を出て絶縁したのはいいが、有名になった姿を母親が知り、母親がネガティブな感情になる、みたいな描写が欲しかった。主人公が一般社会において白い目で見られるみたいな描写も欲しかったし、それがないとポルノ業界はどういう世界なのかが伝わらない。
細部まで緻密に計算された傑作
かれこれ十数年以上前に初めて観た時には、登場人物の不器用さと必死さに心を掴まれ涙したが、今回久しぶりに再見して、その細部まで計算された緻密さに改めて感心した。 高校をドロップアウトして親(母親)にも見放された17歳のエディが天から授かった才能(というよりもギフトと言った方がいいかもしれない)によってポルノ業界でのしあがりやがて落ちぶれる成功と転落の物語。 そして、同時にそれぞれに本来の家族から離れざるを得なかった登場人物達がポルノの世界で擬似家族を作る物語でもある。 これは非常にエモーショナルな物語なのだ。 しかし、メインキャラクターを長回しのカメラで手際良く見せる冒頭のシーンから(長回しの終着は主人公エディを演じるマーク・ウォールバーグであり、この長回しシーンはラストでもまた繰り返される。円環の輪を閉じるように)、ドアからドア、カウチからカウチへと繋がるシーンなど、実に緻密に計算され組み立てられた作品でもある。 もうひとつ初見から時間が経ったからこそ分かるのは、出演した俳優陣のその出世振りだ。マーク・ウォールバーグは言うに及ばず、メインキャラクターを演じた俳優は皆主役を張るスターになっていること。 うーん、PTA恐るべし!天才!
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