「それが正しい選択かどうかなんて分からないけれど」フォレスト・ガンプ 一期一会 お尻帝国の逆襲さんの映画レビュー(感想・評価)
それが正しい選択かどうかなんて分からないけれど
「人生はチョコレート箱のようなもの。開けてみないとわからない。」
いや、チョコレート箱なんて開けなくても中身は大体わかるやろ。
なんて、思ってました。
ダン隊長をフォレストが生かした時、生かすべきでなかったと思いました。
ダン隊長は戦場で死ぬべきで、その意志を無視して生かしたフォレストは決して称賛されるべきものではないと。
フォレストのママが校長と寝て、フォレストを養護学校ではなく公立学校に入学させて、
その後案の定フォレストがいじめにあってるのを見て思いました。
普通の学校に入れることが正しいことなのか?養護学校に入れた方が幸せなんじゃないか?と。
でもダン隊長が生きてて、その後の生で楽しいこと、素敵なことを見つけることができて。
フォレストと一緒に、船でエビを釣りながら、神様と仲直りすることができて。
ああ、フォレストがやったこと、フォレストのママがやったことは結果的に何か繋げることができたんだと。
自分だったら、ダン隊長の「置いていけ」は尊重すべきだとして、戦場で誇り高く死なせることを選んだかもしれません。
自分だったら、公立学校に入れていじめられたり苦労するくらいなら、校長の勧める通り、テストの結果が示す通り、養護学校に入れる選択をしたかもしれません。
結局結果論で、その選択は良い方向にたまたま進むこともあれば、悪い方向に進むこともあると思います。
「運命があるのか、ただ風に吹かれているだけなのか、わからない」
とラストにそんな言葉がありましたが、その通りだと思います。
自分で切り開ける運命もあれば、どうしようもないことだってある。そんなもんなんだなって。
なんだか自分は「こういうものだ」と決めつけ、諦めていたり、自分の意思ではなく「そういうものだから」と責任転嫁していることが多いなと、実感しました。
「神様からの贈り物を使って、ベストを尽くす」
目新しい言葉ではないですが、この映画を観ると、それがどういうことかが分かる気がします。
ヒロインは幼少期の性的虐待のトラウマが根深く、時代にも翻弄され、憐れではあるものの、あまりにフォレストに対して身勝手だと思いましたが。
子どもが生まれ、ようやく自分の思う正しさ(汚れた自分はフォレストと共に生きるべきではないと彼女は考えてたと思いました)よりも、息子のためのベストを考えた結果、フォレストとの結婚を選び、それが彼女にとっても彼女の息子にとってもベストになったのだと思いました。
名作だと思いました。