「時代を象徴した男女」フォレスト・ガンプ 一期一会 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
時代を象徴した男女
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「アメリカ版『裸の大将放浪記』だなぁ」
「愚直で運が良ければ成功するなんて、ご都合主義も甚だしい」
一見するとそんな具合にも思います。
しかし、リマスターで改めて観てみたら、キャラクターをしっかり描こうという意思を汲み取れませんでした。
「時代を体現する象徴」としてガンプとジェニーを配置し、、1950代〜1990までの約40年間、アメリカの現代史そのものを観客へ見せて、知っている世代には思い返させ、若い世代には君たちのお父さん・学校の先生・おじさんおばさんらはこんな時代を生きたんだと教える作品だと受け止めました。
主人公のガンプは「表のアメリカ」の代表。
頭が悪くて、足の速さと体力だけ。
ベトナム戦争やニクソン政権下で、国や上官から言われた通りに粛々とこなして生きてきた人々。
対して「裏のアメリカ」を歩くのが、ガンプの想い人・ジェニー。
典型的な貧乏農家のアル中親父から、幼少期に性的虐待を受けて育ち。
身体を売って大人になり。
ヒッピーになって反戦運動や人種差別反対運動へ身を投じ、アルコールとマリファナ漬けになって、政府に逆らう左翼的言動を重ね。
挙句、誰との子ともわからない(一応時期は合うが)子どもを男に押し付け。
完治不可能な感染症(おそらくAIDS)で死亡。
そして、足元から舞う鳥の羽根は、新しい世代には過去を知り受け止めても振り返らず前に進んで欲しいということと、ジェニーというキャラの「鳥になって飛びたい」という気持ちの成就=古い世代が過去に囚われずに自由に生きて欲しいという、二つの願いを込めているのかなと。
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