「初見から30年…ようやく理解ができました…。」8 1/2 矢萩久登さんの映画レビュー(感想・評価)
初見から30年…ようやく理解ができました…。
新文芸坐さんにて特集上映「追悼アヌーク・エーメ 巨匠たちに愛された瞳」にてフェデリコ・フェリーニ監督『8 1/2』(1963)を鑑賞。
初見は今から30年以上昔の大学時代。
「イタリア・ネオレアリズモ映画、ヌーベルバーグを勉強してみよう!」と息巻いてみたが当日はさっぱり理解できず…長年もやもや…苦手な作品扱いをしておりました。
今回、主人公のグイド・アンセルミよりもずいぶん歳を食った年齢で再チャレンジ。
なるほど、なるほど。
これは黒澤明監督『夢』(1990)のような監督自身の頭のなかの意識や夢の話。
ラストの登場人物が総出で輪になって踊るシーンも夢だとわかるとすっきり理解できましたね。
「人生はお祭りだ。一緒に過ごそう。」最後のセリフはこの歳になって腹落ちですね。
アヌーク・エーメ、クラウディア・カルディナーレも魅力的でしたが、やはり名優マルチェロ・マストロヤンニの洒脱で艶がある佇まいは素敵ですね。
晩年の『今のままでいて』(1978)、『マカロニ』(1985)、『黒い瞳』(1987)、『みんな元気』(1990)が特にお気に入りですが、未パッケージ、未配信なのがとても残念です。
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