「陳腐だが普遍的な内容、その映像」8 1/2 hoさんの映画レビュー(感想・評価)
陳腐だが普遍的な内容、その映像
主人公である映画人の叙事詩なのだが、モノクロ、時代背景がわからない為、とても幻想的、抽象的な印象を受ける。
幻想的、或いは抽象的なシーンのあとセリフ展開が始まり、また次のチャプターでは幻想的、抽象的なシーンが入りストーリーが入るという作りで、物語を掴みにくい。また物語自体は中年の叙事詩であり、特段感じるものはない。
では何が良いか?
それはその幻想的、抽象的な映像とセリフ展開の作りそのものと、出てくる映像がとても素晴らしい事。
話題の冒頭のシーンのあと、広場で人が集まってるシーンは意味がわからないままである。老人の視点は虚ろ、誰もこちらを気にしない、そのシーンはとても美しく、天国というものはこのような雰囲気であればと思った。
この映像が1900年代前半に作られてる事を含めると素晴らしい芸術作品。
すっきりせず2回目鑑賞で追記
イタリア映画の典型的な能天気×シリアス、人生は楽しもう、大団円に、というもの。
内容は女、仕事を軸に展開し、ハーレム、パトロン、カトリックという在りがちなテーマで陳腐、しかしながら、結局人間なんてそれしかない、それを幻想的な映像で展開している。
幻想の導入、与太話というシークエンスが当時は新鮮だった。
では、それまでかというと、妻にも、クラウディアにも中途半端、結局何がしたいんだとう絶望からふいに軽くなる、力が出るときは確かに「それでも踊ろうよ?」という感覚があり、それを表現したのは見事。
コメントする