劇場公開日 2022年8月19日

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「悪循環」ブエノスアイレス ku-chanさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5悪循環

2020年1月6日
PCから投稿

イグアスに行くのになぜアルゼンチンを?それは香港の裏側に当たるかららしい。ファイ(トニー レオン)は中国人の客の引き込みをしているが、袖の下で給料をもらっていると思うが、そんな簡単にアルゼンチンで働けたのか? 正直いってこの映画は好みではなかった。
1997年の香港映画で私の好きなスタートニーレオンが出ているのに驚いた。彼がずいぶん若い頃の作品である。若い頃の顔つきに今のトニーの面影がある。でも、彼はゲイ役があまり合わない。彼の怒鳴る声を聞くとギャング映画でも見ている気分になっちゃう。ごめんなさい。

もう一方の俳優レスリーチャンの方が似合うかもしれない。ううん、、、両方ともなんとなくマッチしない。有名な俳優だからこの映画をスターダムに載せるため監督が使ってみたかったのではないかとかってに想像してしまう。

この二人の役者にはゲイ特有(私感)のセクシーさが足りないんだなあ。二人がゲイじゃなくてもいいんじゃない? 男と女でもいいんじゃない?なぜ、ゲイに? 私の仕事場にもゲイはいるし、ごくふつうの存在(ごめんなさいこんないいかたしかできなくて。)として身近に感じるけど、90%はゲイだと私が思える人だ。この二人はそれから外れる。もちろん10%のゲイに中に入っているかもしれないが。

でも、一つロマンティックに思えたシーンがある。それは街角でウィン(レスリーチャン)が暴力にあって傷ついているところタバコが欲しいとファイにいって火ももらうシーンだが、ファイが持っているタバコの火をウィンが吸うことにより、自分の指先も吸われていく感覚がすごくいいね。

ウィンがもう一度やり直そういうが、二人の間はすでにそのチャンスは何度かあったはずだ。悪循環で失敗から学べない感情があるんだけど。お互いに好きあっているが、やはりこの二人は別れた方がいいと思う。一緒にいてこれだけ喧嘩をするし、信じあえないから。好きという感情だけにに溺れてしまってお互いを解りあっていない現実をみていない。
ファイがナイフを出してドアに突き刺すシーンがあるが、ウィンを引き止めるには、彼がもう一度、傷つけばファイの元にとどまると考えてる。独占欲の塊のファイはウィンを傷つけるかわり、ドアにナイフをさすのだ。このシーンからしても、悪循環にはまって精神的問題が出てきて、正常心をなくしていっている。これから抜け出てイグアスにより香港に戻ることはファイにとってよかった。ファイにとって心の傷は簡単に癒えないけどいつがどこかの時点で決断がいる時も人生にはあるとおもう。

ファイが一人でイグアスの滝にいるシーンがあるが、イグアスはアルゼンチン側からみても、ブラジル側から見てももうこのように滝のしぶきが浴びられるところはもうない。囲いの外から見なければならない。カメラどりが変わっていていいが専門的なことはまるっきり知らないから、なんとも言えない。カメラの動きはときどき目が回る。
最後のシーンでファイが台湾に立ち寄ってチャン(チャン チェン)の家族の経営している屋台で食事をしている時の顔は幸せに見えた。そして電車でのシーンは私が知っている笑顔のトニーレオンだ。家族に送られた絵葉書を一枚、自分のものにして、いつでもチャンとコンタクトできるよというシーンもファイの将来を明るくする。
二人でいる時が幸せという( Happy Together)意味が刹那にしか見出せない作品だった。

一人でも二人でなくてもHappyに見えた。この幸せな表情が彼の未来を明るくした。
最後に、LGBTQ+と言われる映画だが、アンドリューヘイのようにゲイの監督はゲイの作品を作るが、ゲイの俳優がゲイの役割をする映画をみる機会がない。私はジェンダーに対してのこだわりがないから、かなり広範囲にジェンダーを意識化させる映画を見ているがなぜ、ゲイの役にゲイの俳優を使わない?まだまだ差別の世界だな。

Socialjustice
アヤベさんのコメント
2020年3月17日

レスリー・チャンはゲイではなかったかしら?ホテルから身を投げて自殺したのは恋人(男性)のことで悩んでいたと思っていたけど違ったかしら。

アヤベ