ファンタスティック・プラネット

劇場公開日:

ファンタスティック・プラネット

解説

アニメーション作品として史上初めてカンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞したSFアニメ。フランスのSF作家ステファン・ウルの原作をもとに、漫画家・イラストレーターのローラン・トポールが4年の歳月をかけて描いた幻想的な原画を、ルネ・ラルー監督が切り絵アニメーションという手法で完成させた。地球ではないどこかの惑星。その星には真っ青な肌に赤い目をした巨人ドラーグ族と、彼らから虫けらのように虐げられている人類オム族が住んでいた。ある日、ドラーグ人の知事の娘ティバは、ドラーグ人の子どもたちにいじめられ母を亡くしたオム族の赤ん坊を拾う。ティバは赤ん坊をテールと名付け、ペットとして飼うことになるが……。

1973年製作/72分/フランス・チェコスロバキア合作
原題または英題:La Planete sauvage
配給:ザジフィルムズ
劇場公開日:2021年5月28日

その他の公開日:1985年6月21日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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(C)1973 Les Films Armorial - Argos Films

映画レビュー

3.550年前の映画でもここまで斬新とは! いやはや凄い。

2022年7月24日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

独特の雰囲気が不気味さを醸し出す。
西洋の宗教画がアニメになって動いているような感じ。

瞑想の仕組みや、知恵の輪、不気味な植物や怪鳥など、独自性のオンパレード。
今観てビシバシ斬新さを感じるって、50年前の公開当時は卒倒ものだったのでは。

最後が少しあっさりだな。

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momokichi

3.5星新一風味のサイケな夢のような

2022年2月28日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 ファンタジーは自由だ。リアリティの有無などというせせこましいくびきから逃れて、解放された世界で無邪気に遊べる。そんな世界観で綴られた物語から、何を受け取るかもまた自由だ。何かの教訓でも、単なる筋書きの面白さでも、美しさでも怖さでも。

 星新一のショートショートが思い浮かんだ。星新一作品にはよく当然のように宇宙人が出てくる。高度な文明を持っていたり、青い皮膚だったり、人間を誘拐して動物園の動物のように見せ物にしたりする。ドライに描写された非日常の中に、押し付けがましくない寓意が見える。
 遠い未来の世界で宇宙人に飼われ、不都合が起きれば蚊やノミのように殺される人間の物語を見ながら、人間以外の動物から見れば人間の姿や振る舞いはあの宇宙人のように不気味で尊大に見えるんだろうなと思ったりした。

 ただ、分かったような気になれるのはその辺りだけだ。残りの大半は、超越したセンスのビジュアルと斜め上のクライマックスに呆然とするしかない。いちいち驚いている間に置いてきぼりにならないよう付いていくのに精一杯だ。
 ドラーグ族の姿はもちろん、次から次へと登場するよく分からない動植物とその生態。どれも独創的でアートセンスを感じるが、何故か見ていて不安になる。ティバの学習ヘッドギアや飼われている人間のファッションなど、ごく一部かわいい要素も点在するので余計にカオスだ。
 極め付けは、ドラーグ族の瞑想シーンだ。その色使いとサウンド、4人並んで瞑想する場面で体が変形する様子などは、何だか脳みその中を直接かき回されているような、催眠をかけられているような、謎の感触があった。ホラー映画のような怖さではなく、洗脳ビデオのような、うっかりすると取り込まれそうなちょっとした恐怖。

 夢野久作の「ドグラ・マグラ」という、読むと気が狂うという歌い文句の小説がある。なぜそのように言われるかというと、狂人の精神状態を主観で描写しているかのようなくだりがあるからだ(私の解釈です)。この本を読んだ時に感じた、脳内に不可解なものがぬるりと入ってくるような恐怖と、本作の謎めいた感触はよく似ている気がした。
 理屈では捉えきれないが、言葉にならないこの不穏な感触、嫌いじゃない。

 徹頭徹尾振り切ったイマジネーションとシュールなビジュアルで固められた中、アップになった時の人間の顔とお婆さんのおっぱいの垂れ具合だけがやたら現実味があるのがまた独特の雰囲気を醸し出していた。
 深夜にNHKBSで放送していたものを録画して観たが、リアルタイムで真夜中に観ていたら何かを持っていかれていたような気がする(妄想)。ドラーグ族の瞑想のように……

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ニコ

3.5ファンタジー志望者必見

2024年11月3日
iPhoneアプリから投稿

圧倒的な力の差があるドラーク人vs人間が相手から盗んだ知恵を使って反撃する。
これは製作当時の世界情勢、あるいは原作の、あるいは過去の戦争、奴隷貿易、などなんらかの寓意を想像させる。
しかし一番に思ったのは、これ進撃の巨人の元ネタじゃね?…だった。巨人と圧政、アンカーを使った反撃、絵柄も諫山先生みあるし…

少なくともサムネイルから想像していたようなシュールな世界でシニカルなことが起こるとりつく島ももないようなアーティスティックな作品では(そういう要素もあるけど)なく、直球の胸アツ王道ストーリーに冒頭から引き込まれ、ラストまで一気に観られた。
これは冒頭に1番引の強い場面を持ってきた構成のうまさもあると思う。
ファンタジーものでここがどんな世界でどういう文明か、とかを懇切丁寧に説明したがる全作り手のみなさん!これをお手本にしてくださーいぃ!!

おそらくこれを「普通に観られる」フィルムにするためにはとんでもなくエグい手間と時間がかかっているはずなんだけど、そういうことに一切の意識が向かず、すんなりストーリーに没入できてしまう。それが本当に偉業だと思う。

個人的には25年越しくらいの「死ぬまでに観たい1本」だったので、冥土の土産が増えました。

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ipxqi

4.5世界観が神

2024年9月24日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:その他

楽しい

興奮

知的

最初に見た時から不気味で非日常な世界観に目を奪われ、そこから何度も見てしまう魅力があります。

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まるるるるるるる