劇場公開日 2018年7月22日

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「世界遺産級の素晴らしさ」ファニーとアレクサンデル Makoto Yoshidaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0世界遺産級の素晴らしさ

2022年3月31日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

これは人類の文化遺産だと言いたくなるくらいの素晴らしさ。とてもゴージャスで金かかってそうな超大作感がありながら少年のように瑞々しい感性の映画であることに感嘆する。
天才が本気出して創作した作品という感じで、楽しくて美しくて、もうこれは芸術。こんな映画を作れる監督は名だたる文豪や画家や作曲家と並び立つ芸術家と思う。そんな芸術家の幼年時代が本作のアレクサンドルなのだろうが、彼が世界を眺めると世界は人と違ったように見えるし何か人に見えないものも見えてしまう。そしてその特別な能力は大人になって映画監督になっても消えなかったということかな。
プロ中のプロの作品で物語も面白いし映像も演出も俳優の演技も素晴らしい。主人公の少年はとても綺麗で繊細な表情がすごく良い。目力が強い青い瞳が印象的な母親もすごく美しい。それから20世紀初頭の生活を再現する舞台装置や衣装など美術が素晴らしくて特に芝居小屋の情景が楽しい。
映画版とテレビドラマ版でちゃんと長さや構成を変えているのも良い。そもそも映画館で5時間ぶっ続けで観れるわけないし。僕はテレビ用5時間版(中編x5部の構成)のDVDを観たのだが劇場用3時間版も観てみたいな。
欧州の巨匠と言われる映画監督の名高い大作をいろいろ観てきても「ふーんこんなものか」という映画が多かったけどこれはすごかった!才能が違う感じ。

Makoto Yoshida