「5時間という長さに恐れず挑戦すべき、その価値のある物語」ファニーとアレクサンデル あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
5時間という長さに恐れず挑戦すべき、その価値のある物語
5時間は長い様で見終わって見ればあっという間
中盤以降は物凄い緊張感の中で物語が進行して全くあきささない
流石はべルイマン監督と言わざるを得ない
確かにテレビシリーズをワンシーズン観たと思えばその長さも不思議ではない
北欧版の「渡る世間は鬼ばかり」
冗談抜きでそのテレビ番組の元ネタにだったのかも知れない
それほど全体構造は同じ
一族の様々な問題が主として女性を中心に進行するのだ
ファニーとアレキサンドルの二人の子供は狂言回しの役割
それを骨格に監督自身の子供の頃の思いでの記録を被せ、更に異常性格者の神父と二人の子供を助け匿うユダヤ人一家の対比をもって
神の相対性、生と死の端境とはを散りばめる
正にベルイマン節そのもの
映像もうっとりするほどに美しい
エピローグもまた新たに起こった一族の問題を
正に嫁と姑の二人で相談するシーンで終わる
結局、女の私達が決めちゃうのよねと
5時間という長さに恐れず、最初の2時間を辛抱できればあとは一気に観れます
それは登場人物の自己紹介と彼ら彼女らに共感していくのに必要な時間なのです
5時間は、素晴らしい豊かな物語を楽しんだ時間となるはずです
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