ビリー・バスゲイト

劇場公開日:

解説

成功を夢みて暗黒街に足を踏み入れた青年の目を通して描くギャング映画。監督は「消えたセクシー・ショット」のロバート・ベントン、製作は「クレイマー、クレイマー」のアーレン・ドノヴァンと「愛と哀しみの旅路」のロバート・F・コールズベリー、脚本は「ロシア・ハウス」のトム・ストッパード、撮影は「プレイス・イン・ザ・ハート」のネストール・アルメンドロス、音楽は「ハート・ブルー」のマーク・アイシャムが担当。

1991年製作/107分/アメリカ
原題または英題:Billy Bathgate
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:1992年5月2日

ストーリー

アメリカに不況の嵐が吹き荒れる1935年。ニューヨークの暗黒街に君臨するキャングのボス、ダッチ・シュルツ(ダスティン・ホフマン)は、彼と同じイースト・ブロンクス出身の青年ビリー(ローレン・ディーン)に声をかける。血気盛んなビリーは、機転を効かせ子分になり、やがて側近に成り上がっていった。ビリーにとって羽振りのいいダッチは成功の象徴であり、ダッチの片腕で命知らずの殺し屋ボー・ワインバーグ(ブルース・ウィリス)が美女をはべらせ輝きを放つ姿は憧れであった。だが、あるときボーの裏切りが発覚、ダッチは親友でもあったボーをボーの恋人ドリュー・プレストン(ニコール・キッドマン)の目の前で冷酷に始末する。それはビリーにとって、成功への道と信じていたギャングの世界が、実は裏切りと殺しの横行する恐ろしい世界であると思い知る出来事だった。ダッチはビリーに、ボー殺しの秘密を知るドリューの監視を命ずる。知的で妖艶な人妻ドリューとビリーは、次第に愛を感じ始めていた。その頃ダッチは隆盛の頂点から一転、窮地に立たされる。禁酒法廃止後、当局はギャングの一掃に乗り出し、ダッチを脱税容疑で告発した。ダッチの参謀オットー・バーマン(スティーヴン・ヒル)は陪審員の心証をよくするため、ダッチの悪行が知られていない北部の田舎町で裁判を開くよう画策し、金にあかせて慈善事業を重ね善人の印象をアピール。ドリューの存在をマスコミから隠すため、ビリー同行でサラトガに行かせる。束の間の安らぎに愛を確かめあう2人だったが、ドリューをも消そうとするダッチの企みに気づいたビリーは、彼女を夫の元へ帰した。一方、ダッチは、裏工作で勝訴したものの更に州から訴えられ、ギャング仲間の裏切りで手も足も出なくなり、無謀な計画をわめき散らしていた。かつて栄光を恣にした男の哀れな姿を目の当たりにしたビリーは、ようやく真の大人の男への道を歩き始めた。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

詳細情報を表示

フォトギャラリー

映画レビュー

2.5ヒ弱な成り上がり群像

2020年8月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

興奮

アル・パチーノやデ・ニーロに遅れて、ダスティン・ホフマンがギャング役を、いや?「ディック・トレイシー」でも演じていたか!?顔の分別も付かない小物ギャングを!?

アクションスターが演技派に挑戦?的なブルース・ウィリスはキザ過ぎる、ニコール・キッドマンはサービス満点な若々しさ、そこに佇んでいるだけで様になる相変わらずなスティーヴ・ブシェミ、主人公ながら地味な顔と存在感の少年。

大物な雰囲気を醸し出す渋い形相のD・ホフマンが徐々に頭の悪いマヌケな存在に、最後のシーン含めて情けないギャングに様変わり。

裁判に勝つ為に田舎町で良い人のイメージを植え付ける件はコメディ映画にでもなりそうな、登場人物が入り乱れるシリアスな群像劇にするならコーエン兄弟とか、全体的に地味でテンポも悪く物足りなかった。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
万年 東一

3.0マフィアの世界を垣間見た青年ビリーの物語

2018年12月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 冒頭ではブルース・ウィリス演ずる殺し屋ボーがコンクリートで足を固められている。ダッチを裏切ったことへの仕打ちだ。アーヴィング(スティーヴ・ブシェミ)も助けてくれない。海に沈められる寸前だ。愛人のドリューもダッチに連れされれる。そこで手下の若者ビリーの回想シーンが始まる。

 ジャグリングをやってたところをダッチが目をとめ、ビリーに金を与える。一度でダッチに憧れてしまったビリー。なんせ世界恐慌直後で就職口もないのだ。下町出身から成り上がったダッチは彼にとってヒーローだったのだ。ちなみに実在の人物ダッチ・シュルツを扱った映画は他に『コットンクラブ』、『奴らに深き眠りを』など・・・

 ドリューは独身だと思っていたら、ちゃんとした夫がいることにビックリ(夫はゲイのため偽装結婚)。しかもニコール・キッドマンは一瞬ではあるが、2回全裸になってくれている。中盤からは宿敵であるラッキー・ルチアーノも登場。これを若き(?)スタンリー・トゥッチが演じているのだが、まだ髪も残っている。

 ちょっとマフィアの世界を垣間見た青年ビリーの物語。脱税で告訴ばかりされているダッチ・シュルツは裏金を使って警官や判事を抱き込んではいるが、そんな裏金ばかり使うものだから、税金も払えなかったのだろう。そして、都合が悪くなるとすぐ殺し。その証人も殺していくんだから、ドリューだって狙われた。最後はルチアーノの部下に殺されたが、ビリーだけは助かった。それでも殺しを目撃してるのだから、いつまで経っても平穏は来ない。彼の今後の方が気になるところだ。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
kossy

4.0ダスティンホフマンのヤクザ怖い

2012年3月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 ヤクザに憧れる若者がヤクザに入門するといろいろ大変な思いをするという映画だった。

 主人公がいつも口を開けて戸惑っていながらも肝の太そうな感じがとてもよかった。上司に「なぜとか余計なことを聞くな」という忠告は自分の仕事や周りの何かでもとても大切な教えのように思った。自分の場合は妻によく理解して欲しいことである。何しろ、あれこれ詳細をつついても自分の得になることなんか何もないのである。不利益ばかりが露呈するということを本当に分かって欲しい。そしてそれを知った上で、つつくようなら知っても動揺したりしないで欲しいものだ。

 ヤクザになってもしんどいし、かと言って真面目に生きても冴えないばかり、どうしたらいいのか分からないので、だったら何か好き勝手にやるしかないのかなと投げやりな気分になった。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
吉泉知彦