ピアノ・レッスン(1993)のレビュー・感想・評価
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とんでもなく愛すべき映画だった
素晴らしかった
もう笑ってしまうくらいに素晴らしかった
鑑賞後もとんでもなく幸せな気分でにやにやしながら帰った。
もう、ジェーン・カンピオンを敬服します。
心から崇めたい
倫理と映画は切り離せないものだけど、
ここまで真っ当から描き切り、
エイダの眼差しを観てしまっては何も言えない。
ピアノと共に海に沈むシーンでは
もう口あんぐりでしたよ。
ここまでやってくれたらもうオールタイムベストです。
しかも、エイダは沈まずに這い上がってくるという。
それが出来るのが人間だからね。
あの上品な妖めかしさを、
ピアノを使ってあれ以上に表現できる人はいないよ。
それでもって笑えるんだから、すごいよね。
人の欲望を見ちゃうと笑っちゃうのかね。なんだろうね。
私が観ると名作とは思えない作品だった。映画料金分は元が取れる。
各映画祭で受賞しているし、日本公開時話題となった映画だ。但し、私は見る気持ちが全く起きなかった。指を切断する場面があるとラジオで聞いて、残虐シーン嫌いな私は怖気づいてしまった。
4Kデジタルリマスターで上映される機会に観ることにした。
再婚した主婦が夫の友人と不倫に走る物語だった。まぁ、どこにでもある話だが、事故で声を失ってしまった歌手の設定が、珍しかった。アイデアはいい。ピアノを奏でることで、主人公は精神の均衡を保っている。ピアノが彼女の失った声の替わりである。
一番肝心な不倫する2人の恋愛の始まりが良くわからない。友人の追恋慕だと思うが、それに応えていく主人公の心得て変わりが良くわからない。これは脚本に問題があると私は感じた。俳優達の演技は良い。脚本は監督が書いているから、監督の責任だろう。
それと音楽を担当したマイケル・ナイマンだが、私には優れた音楽には思えない。管弦楽は及第点を与えてもいいが、ピアノソロの音楽は私には平凡だった。
ハリー・ハンターは角度を変えると、私の好きなジェニファー・コネリーに似ている。邦題名は「ピアノレッスン」。映画を見終わると原題通りの「ピアノ」にした方が作品の内容を表している。主人公の頑なとなった心にを暗喩しているからだ。私にはそう思えた。
ギリシャ神話
苦手なジャンルなのだが、予告編にすごく惹かれたので観ることにした。
チャタレイ夫人的な?
今の時代だったら違う表現になっただろうなー、と思うところが多々あり、ここ最近で急激に男女観が変わったということを思った。
男ならではの愚かさ、女ならではの愚かさ、というのを描くとステレオタイプだと批判されてしまう昨今だけども、ぼくはそういう物語も抒情的で良いと思う。
主人公の病的で耽美な演技も良いのだけど、娘の明るく無邪気な感じもとても良い。
美しい母子というのは、ギリシャ神話のアフロディーテーとエロスを連想する。
娘が天使の翼をしょっているのでなおさら。
アフロディーテーは愛と美と性を司る、海の泡から誕生した女神である。
主人公がその美しさで男性たちを魅了したり、海からやってきて海に還っていくのも、主人公が美の神であるという暗喩だろうか。
また、アフロディーテーとエロスは怪獣におそわれたときに魚に変身し、逃げた、という物語がある。このとき、母子がはなればなれにならないように、「ひも」で結んだ。この「ひも」で結ばれた二匹の魚の姿が魚座の由来になったという。最後、主人公とピアノを結んだ「ひも」を思わせる。
言葉を話せないとか、黒鍵の数だけ来るように約束させるとかも、なんか神話っぽくていい。
最後、「悲劇」ではなく、「再生」の物語になるところも良かった。ピアノは海中に捨てられることによって、永遠になったのだなあ、というか…。「タイタニック」のエンディングを思わせる。
愛とは美しくて醜い
予備知識なく鑑賞。
そのためもっとピアノにフォーカスした作品かと思っていて、しかし恋愛.不倫でやや嫌悪感を抱きながら最後まで鑑賞してしまった。
大切なピアノを海辺に置き去りにされたエイダの気持ちも、海辺へ連れて行き陽が沈むまでピアノを弾かせ、そして調律しエイダに自由に奏でさせるベインズにエイダが惹かれていくのも理解できるが共感までは難しい。
不快感を感じたのはベインズがいやらしいから。エイダが家族を犠牲にしてでもベインズを追いかけるから。でも人間の欲望とは通常人に見せないだけで、本来はあんなものなのかもしれない。。
愛とは美しくて醜いもの。
愛って生々しい。
理性を無くしてまで愛せるなんて愛は怖い。
映像はアートのようで美しかった、
エイダもとても美しかった。
そして最後のシーンがとても印象的。
あの最後を観れたことで、この作品の美しさを少し分かったような気がした。
モヤモヤと鑑賞していた途中、最後のあのシーンで何だか全てを許せた気になれた美しい終わり方だった。
スチュアート夫人の恋人、または、NZ南島の精霊
観たか未見かの記憶さえ曖昧な作品がかなりあるのだが、本作もその一つ。
『海の上のピアニスト』の方は観たところ、どうやら再見らしいと結論したが、本作は、たぶん初見っぽい。
マイケル・ナイマンのテーマ曲だけは、聴き馴染んだ、いわゆる知ってる曲だったが、本作サントラは全世界で300万枚以上の売上げを記録した大ヒット曲だったので、未見でも知ってて可笑しくはない。
クラシック絡みの作品だなと思って気にはなってたけど、ちょうど今の仕事に就いて忙しい時期だったんで観られなかったんじゃないかと思う。
で、とにかく観はじめると驚くことばかり。
主人公エイダ(ホリー・ハンター 公開時34歳)が発話障がい者であること、
彼女はスコットランド生まれながら、一女フロラ(アンナ・パキン 10歳)を連れて(未婚の母か再婚かは説明されない)、嫁入り先として海を越えて渡ったニュージーランドが舞台であること、
も初めて知って驚いた。
荒れ狂う波が寄せ来る浜辺で、エイダがピアノを弾く姿や、その遠景、
器械体操よろしくフロラがクルクルと回転する様子の構図が美しいな、幻想味があるな、アートだな、
と思って観てたら、もっと驚く展開が待ってた。
‥‥邦題にもなってる「ピアノ・レッスン」は真のメインテーマでは全然なかった。
本当の主題は、スチュアート(サム・ニール 45歳)夫人となったエイダと通訳のベインズ(ハーヴェイ・カイテル 53歳)との性愛のレッスンだったってことだ。
*最後まで、入墨姿のベインズはマオリ(族)だと思って観ていたが、パンフレットの原田真見北大准教授によると白人でありながら自らマオリの世界に入って行った人物であるようだ。
それより、演じているのは、かのタランティーノの出世作『レザボア・ドッグス』(1991年)のいかついMr.ホワイト、ハーヴェイ・カイテルではないか!
どうも、どこかで観たような顔だけど、マオリの俳優って知らないしなぁ、とか思ってたら、その前提からして間違ってたって訳だった。
最初は、エイダが命より大事にしていたピアノをスチュアートが浜辺に放ったままにしておいたのを譲り受けて、まぁ本当にエイダのピアノ・レッスンを始める‥
ってか、実際は、彼女にだけ演奏させて、その姿を情欲の目で眺めることを日課にし始める訳だけれど‥‥
ここまで、妻となるエイダの意志を全く尊重しようとしないスチュアートも無理なら、
この人妻を我が家に通わせて肉欲の対象とするベインズも、「無ぅ理ぃっ!」てな感じで、‥
ベインズがひとり全裸になって着ていた肌着でピアノ全体を撫でまわすように拭き始めたのを観て、
なにぃッ、この変態はッ、
って思ってたら、いよいよエイダに、
裸になってこっち来い、
ってなるし、‥‥
‥‥かと思ったら、その様子を夫スチュアートが床下に潜んでうかがうだけで、介入して止めようともしないし、‥‥
何じゃ、こりゃ、変態映画か、
ってな感じで、‥‥
‥‥仕舞いには、エイダ本人から進んで、ベインズとセックスしに行くようになるし、
それを幼いフロラがしっかり覗き見るし、 エイダはベインズへの伝令役としてフロラを使おうとするしで、‥‥
もう、このあたりまでは、
何だか障がい者をエロの対象としてもてあそんでるし、
(ベインズがマオリだと思ってたんで)レイシズムを悪用した発情シーンがヤマ場になるわ、
子どもに不倫セックスを見せるわ、
で、
出て来る登場人物、主人公のエイダ含めて皆んな変態ちっくでマトモな人間ひとりもいないし、
と、いくら名作の誉れ高かろうと、パルムドール受賞作だろうと、スコア2点台は決定だな、の勢いではありました。
スチュアートは、てっきり性的不能者なのかな、と思ってたら、突然、エイダの方から性的な愛撫を受けるようになって一応喜んではいるし(でも、自らそれ以上に進もうとしないから不能説もまだありかも知れないが‥ まぁチャタレー夫人の要素はあるかな、と)、‥‥
それなのにスチュアート、エイダが、ピアノのハンマー抜いて、ベインズへの愛を伝えようとしたことを知ると怒り狂って、彼女の指を斧で斬り落とすし、‥‥
何ちゃら島の精霊かって‥
で、ああ、こりゃダメだ、この映画はッ、
て思いかけたところで、急転直下、
ベインズの家を訪ねたスチュアートが、曰く、
俺は、エイダが話す言葉が、この頭の中で聴こえたんだ。
エイダが本当に愛しているのはベインズ、お前だってことが、さ。
で、本当に、スチュアート、エイダをベインズのもとに送り出した。
‥‥ えッ?
これって、ハッピィエンドだったん??
マオリの伝統的な舟で、北(首都ウェリントンのあるノースアイランドならむ)に向かうベインズとエイダ。
エイダの大切なものだからと、横幅の狭いマオリの舟に、ピアノを無理に載せている。
エイダは、
もう壊れてるから要らない、海に捨ててよ、
ということで、ピアノを海に投じると、
それに引っ張られて解けた縄がエイダの足に絡んで、
ドボーンッ!
あぁ、やっぱりバッドエンドなのね、
って思ってたら‥
What a death !
What a chance !
What a surprise !
のナレーションとともに、エイダは自力で波の上に泳ぎあがり‥‥
無事ふたりはノースアイランドで、仲睦まじい夫婦となって、ピアノ・レッスンを糧とする生活を送るのでありました。
と本当に、ハッピィエンドで、めでたし、めでたし。
やれ、障がい者差別じゃないか、レイシズムじゃないか、登場人物みんなマトモじゃない、
とか思い込んでたら、障がいの壁も、民族の壁(ベインズが白人だとしても入墨して自らマオリとなったので)も乗り越えて、スチュアート(彼のその後は描かれないが)も、エイダも、ベインズも、最後には、ベストの選択をして、自ら望んだ幸福をつかみ取ったという結果に、まぁ、正直、うならざるを得なかった訳です。
とにかく望まない結婚に始まった不幸が、 エイダの、発話障がいも、不倫のそしりも、ドロドロのぬかるみも、物ともしない強い意志と行動によって、スチュアートをはじめとする全てを動かし、幸福に反転していく、っていう展開は、あっぱれと言わなくてはならないでしょう。
してやられたなぁ、って。
これは、3.5 以上でないと公平じゃないよなぁ、って。
脚本も自ら書いたジェーン・カンピオン監督(1954- )、女性監督初のパルムドールですって。
さすがは、カンヌです。
そうそう、マオリの血も引くNZのタイカ・ワイティティ監督の『ネクスト・ゴール・ウィンズ』にファファフィネと呼ばれるサモアの第三の性が出て来ましたけど、本作でもマオリのそれが登場してましたね。
ではまた。
ホリー・ハンター
公開当時未鑑賞だったが、当時観た同僚が「エロ映画だった」と言っていたことだけは覚えていたアラフィフS
4Kリマスター映画と聞くと居ても立っても居られないアラフィフS、今日は新宿へGO💨
ホリー・ハンターは、若い頃より現在のホリー支持派なのだが←ドーデモイイデスヨ~、今作では子悪魔っぷりを盾にハーベイ・カイテルとサム・ニールの二人のオヤジ俳優を狂わせます
文芸モノだと観ていると、結構珍味っぷり発揮する好き嫌い別れる映画なので
一人で観るのがイイデショー(・∀・) オワリ!
あの名曲はここから誕生
よく耳にするピアノのフレーズ。
この作品の曲だったのか!!
4kデジタルリマスターで初めて見ました。
当時の時代背景を考えると、このような出来事は少なくはなかったのかも。
愛されたい、愛されないがゆえに過激な行動をとったスチュアートの気持ちも分からなくはないが、斧で指を切り落とすのはやりすぎ。怖すぎ。
父が決めた結婚、先住民との出逢いから知った本当の愛……。
彼女が海にピアノを沈めて、自身も身投げするシーンは、過去の自分、前の夫たちたちとの決別を意味している。
そこから自力で這い上がって新たな人生と幸せを掴もうという決意の表れだと。
美しさ+エロス=最強
エイダと自然がとにかく美しい映画。
ベインズと横たわる時のエイダのお尻なんてまさに絵画から飛び出してきたような美しさ。あのお尻だけでもずっと見ていられる気がする。
エイダ、声を発するのなんでやめたんだっけ??
ベインズ、最後までなんでマオリタトゥーしてるのかよくわからなかったけど、無骨さの中に純粋に愛する姿が見られて素敵だった。
嫉妬に駆られた旦那さんがホラーな行動に出たときには自分の血の気が引いて一瞬ギブアップかと思ったけどなんとか耐え切った😅もう一度観るときにはあのシーンはスキップだーε=ε=ε= ┌(;´゚ェ゚)┘
女心は難しい
1993年制作にして、日本初公開は翌年1994年の本作。20年程前の作品でしたが、今回4Kデジタルリマスター版として改めて上映されたので観に行って来ました。
20年前の作品とは言え、舞台が1852年の当時イギリスの植民地だったニュージーランドということで、映像も一新されたこともあり、全く古さは感じませんでした。ニュージーランドがイギリスの直轄植民地になったのが1840年とのことなので、当時のイギリスにとってもニュージーランドは完全なフロンティアだったのでしょう。
そんなニュージーランドに、主人公のエイダが愛娘のフロラを連れて輿入れするところから物語は始まりました。彼女はあることをきっかけに喋ることが出来なくなり、結婚はしていなかったらしいフロラの父親も既に亡くなっている状態のようで、本国の家族とすれば扱いに困っていたのではないかと推測されます。そんな中、道路すら整備されていないフロンティアに進出していたスチュアートが嫁探しをしていて、両家の利害が一致した結果の輿入れだったと思われました。まあ厄介払いですね。
そんな結婚話にエイダの意思は反映されていないようでしたが、女性の自己決定権が認められていなかった時代の産物だったのでしょう。行きたくもないニュージーランドに行かされた挙句、荒れ狂う海原を乗り越えてようやく辿り着いたニュージーランドの海岸で、夫のスチュアートは、愛娘の次に大事にしていたピアノを家まで運んでくれず、海岸に放置してしまう。それに加えて海岸に放置されたピアノを、土地と引き換えに夫が勝手にベインズに渡してしまうに至り、彼女の夫に対する敵愾心とも言うべき気持ちは決定づけられました。
ここまでは彼女に対する同情を禁じ得ない展開だったのですが、ピアノを手に入れたベインズの求めに従って彼の家に行き、ピアノを弾いているうちに彼と男女の関係に陥っていくエイダの心情は、イマイチ理解出来ないものでした。確かにベインズは、ピアノが放置された海岸まで連れて行ってくれたり、ピアノを引き取って家まで運び、さらには調律師に調整させたりと、彼女の大事なピアノを保護してくれたのはその通りでした。それでも何故彼に惹かれたのかが、イマイチ分からぬまま、最終的に指1本と引き換えにベインズとの生活を手に入れたところで物語は幕となりました。まあ私が女心を解しない朴念仁だということなのかも知れませんが、モヤモヤ感が残るお話でした。
そんな訳で、俳優陣の演技は非常に良かったとは思うものの、お話自体は今ひとつヒットしなかったので、本作の評価は★4とします。
4Kリマスター版を2Kの映画館にて
現代人で日本人の凡人の自分には驚くストーリーでよくこんな脚本書けるなぁと驚く物語。
サム・ニールは「ポゼッション」、「イベント・ホライゾン」など変わりどころの演技が凄いが今回でも。
ハーベイ・カイテルも絶妙なアイデンティティーの役どころを見事にこなす。
後の「X-MEN」ローグ役のアンナ・パキンがオーディションで5000人の中から大抜てきされ、アカデミー賞史上2番目の若さとなる11歳240日で助演女優賞を受賞。
ジェーン・カンピオンはエイダ役に当初シガニー・ウィーバーをイメージしていたが、この役に惚れこんだホリー・ハンターが熱心に売り込み、また彼女がピアノを弾けることもあって出演が実現したらしい。
浜にピアノを置いてジャングルの中をマオリの案内で進むシーン(女の子がよろけて歩く直後)で、案内役のマオリの男が「あんな所、生きて通れねえ!」と日本語で言っているように聞こえる(1995年5月19日放送の『探偵!ナイトスクープ』の爆笑小ネタ集で紹介、本当はマオリ語で「あそこはあなたの向かう道ではない(Ana to huarahi kite kore.)」)。
美しい作品ではあるけど
ピアノ、曇り空だったり雨、寒々しい風景の中での美しい作品とは思いました
セリフなしで目だけの演技で気持ちの伝わってくるホリー・ハンター
ピアノとの決別が過去の自分との決別というラストも良い終わり方でした
そう思うと高評価ばかりなのも納得の作品でした
でも私には合わなかったです
面白くないってわけじゃなくて、しっかりストーリーに入り込めて観れました
でも主人公のエイダが私は無理でした
好きになってしまったから仕方ないっていうのも、娘に外で遊ぶように言い聞かせてその間にベインズとっていうのも母親のする事じゃないし、私の理解不足ですが、何でエイダがベインズを好きになったのかわからなくて、むしろあんな取引を持ち掛けてきたベインズは卑怯すぎると思えるし
娘にベインズへの愛を綴った鍵盤を届けさせるのも母親として理解不能
夫のスチュアートは2人の浮気現場を見た時怒鳴り込まず、立ち去りもせず覗き見するって変態じゃん…
最初に自分の大切なピアノを置き去りにした夫をエイダが受け入れられなくなったのはわかるけど、その後はちゃんとした夫だったのに
そんなんでエイダにもベインズにもスチュアートにも全く共感できず娘のフローラにだけ好感が持てました
💍
一回じゃ正直よくわからなかった。ただ、音楽と映像美に圧倒されて涙が出てくる。
追記:4/4二回目を見たが、前と全く違うところで涙が出てきた。余韻で鳥肌たつくらい内容も音もズシンとくるものがある。成人してから観たらまた違う視点を発見できそうな予感がして楽しみ。
この女嫌い
2024年劇場鑑賞69本目。
6歳の時に声が出なくなり、その後子連れの未亡人になった主人公が遠い地で見受けされることになり、唯一の趣味のピアノと共に海を渡るという話なのですが。
主人公の女性が納得の上で結婚したはずなのにとにかく夫に冷たく、そのうち夫もどんどんキレていくのですがそりゃそうだよなと。サム・ニールかわいそうだなぁという話でした。
聞いたことあるな、 予告の音楽が良かったから見るけど、 寝ちゃいそ...
聞いたことあるな、
予告の音楽が良かったから見るけど、
寝ちゃいそうだな
くらいの気持ちで見始めたのに、
どっぷりはまってしまった
しかも私の想像外の流ればかりで、
驚いたり呆気に取られたり
でも嫌な気持ちでもバカにする気持ちでもなく、
最後の最後まで気が抜けなかったという、
もうそこだけとってもすでに想定外
淀川長治さんの名批評があった!
19世紀の中頃、スコットランドから旅立って、娘を連れ、ピアノを携えて、当時未開のニュージランドに、入植者との結婚のためにやってきた口の利けない女性。結婚相手がありながら、現地の男との間で、ピアノを媒介として愛を育んでしまう。筋立ては、少しだけ「チャタレー夫人の恋人」に似ている。
ただ、主人公エイダ(ホリー・ハンター)の夫スチュアート(サム・ニール)と、彼女の愛人ベインズ(私の好みのハーヴェイ・カイテル)には、キリスト教の軛があったように見える。ベインズも、一度はピアノをエイダに戻している。また、スチュアートにしても、たしかに斧を持ち出したことはあったが、最終的に、二人に出奔することを許してさえいる。
本来ならば、荒海に船出したエイダとベインズを待ち受けていたのは、海に沈むことだったのだろう。しかし、エイダは自らピアノを海に沈めて、二人は助かった。ピアノの代わりに、エイダは愛情の対象を得た。これが、この映画の本質である。
エイダは、6歳の時、一度は、完全に話す力を失ったのだと思う。内的な言語はあって手話に移行しているし、ベインズと一緒になっても、話すためのトレーニングが必要だった。精神的に不安定なところも見受けられ、父親もそれを認めていた。
エイダの娘、フローラ(アンナ・パキン)は、母親の6歳の頃の面影を引き継いでいるのだろう。アンナは小柄で、撮影当時9歳、よほどおしゃま。おそらく、エイダは6歳の時、フローラが見たのよりも、ずっとひどい情景に接し、強い精神的なストレスを受けたのだろう。その後、ピアノに対象を見出したことから考えると、父親の愛情関係だろうか。
私が淀川さんの言葉に足すものは何もなかった、との思いがつよい。残念ながら、淀川さんの言葉を記すことはできない。今より、もっと活気にあふれた日本の当時を察してほしい。河出文庫などで読むことができる。
けっこうエロく、けっこうドロっと…
思ってたのと違った…
けっこうエロく官能的…
けっこうドロっと胸クソ…
静かめで暗くて、眠かった…
はよ終わらんかな…と思いながら観てました。
終盤の展開はスゴかったですけどね(笑)
ホリー・ハンター、話せない人の演技うまい!!
アンナ・パキンが子役で出てます。
最高賞パルムドールを取った作品らしいけど、個人的には60点ぐらい(笑)
30年経っても色褪せない美しい映画
好きな映画のトップテンに入る作品です。
4Kデジタルリマスター版として再びスクリーンで上映されるのは本当に嬉しいこと。
そう言えば、好きな映画のサントラはほとんど持っていて、
音楽もひっくるめて「好き」なのだ、と
あらためて気づきました。
この映画も、マイケル・ナイマンによる
美しい音楽とともに
心に刻まれています😌
公開されたのは1993年、
私がまだ20代なかばの頃でした。
こういう愛もあるのかと、
衝撃を受けました。
そして、ハーヴェイ・カイテルが好きな俳優のひとりになり、
あとから次々に彼の出演した映画も観ました。
その後もDVDなどで何度も観ていますが、
ピアノはもういらないと、
海底に打ち捨ててしまったのはなぜなのか…今ならわかる。
初めて観たときは
嫉妬による怒りから
主人公であり妻であるエイダの指を斧で切り落とした夫の気持ちなんてわからなかったけれど、それもわかる。
(そのシーンは何度観てもおそろしい…)
私の好きな映画の基準は、
美しいか否かにあります。
ストーリーの面白さだけではいつか飽きるけれど、
美しい映画は、年を経てなお輝き続ける。
この映画もそんな映画のひとつです。
ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター版 初鑑賞。ピアノで奏でる...
ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター版
初鑑賞。ピアノで奏でる曲がメインの作品かと思いきや三人の間に複雑な愛が絡み合う愛憎劇。
色んな愛の形がこの世に存在しそれは時として一般的には理解し難い愛の形も世の中にはたくさん存在する。エイダとベインズの愛の形もその一つと言える。その様な形は映画作品だからこそ理解したり触れたくなるものも沢山あるが、この二人の形は自分の中ではだいぶ理解できない距離にあり見ていて厳しい時間となってしまった。
主人公に対して嫌悪感を抱いてしまうと中々作品の良さに気付けないものであり今回の作品との相性は個人的には良くなかった。
個人的な2024年洋画新作鑑賞ランキング
1 ネクスト・ゴール・ウィンズ 4.8
2 Firebird ファイアバード 4.8
3 コット、はじまりの夏 4.7
4 アマグロリア(原題)Àma Gloria(横浜フランス映画祭2024) 4.8
5 コンセント 同意(横浜フランス映画祭2024) 4.7
6 ARGYLLE/アーガイル 4.7
7 アリバイ・ドット・コム2 ウェディング・ミッション4.5
8 バティモン5 望まれざる者(横浜フランス映画祭2024) 4.5
9 デューン 砂の惑星 PART2 4.5
10 愛する時(横浜フランス映画祭2024) 4.5
11 ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ 4.5
12 アクアマン/失われた王国 4.5
13 ニューヨーク・オールド・アパートメント4.3
14 異人たち 3.7
15 ミツバチと私 3.6
16 ブリックレイヤー 3.5
17 ネネスーパースター(原題) Neneh Superstar (横浜フランス映画祭2024) 3.4
18 12日の殺人 3.3
19 コール・ジェーン -女性たちの秘密の電話- 3.2
20 コヴェナント/約束の救出 3.0
21 僕らの世界が交わるまで3.0
22 ストリートダンサー 3.0
23 カラーパープル 2.9
24 弟は僕のヒーロー 2.8
25 RED SHOES レッド・シューズ 2.8
26 画家ボナール ピエールとマルト(横浜フランス映画祭2024) 2.7
27 関心領域 2.6
28 ジャンプ、ダーリン 2.5
29 エクスペンダブルズ ニューブラッド 2.3
30 けもの(仮題)La Bête(横浜フランス映画祭2024) 2.3
31 マダム・ウェブ 2.3
32 落下の解剖学 2.3
33 ダム・マネー ウォール街を狙え! 2.3
34 哀れなるものたち 2.3
35 DOGMAN ドッグマン 2.2
36 パスト ライブス/再会 2.2
37 ボーはおそれている 2.2
38 ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人 2.2
39 瞳をとじて 2.2
40 ゴースト・トロピック 2.2
41 葬送のカーネーション 2.2
42 Here ヒア 2.1
43 ハンテッド 狩られる夜 2.0
44 サウンド・オブ・サイレンス 2.0
45 ポーカー・フェイス/裏切りのカード 1.9
46 アバウト・ライフ 幸せの選択肢 1.8
47 サン・セバスチャンへ、ようこそ 1.8
48 VESPER/ヴェスパー 1.5
49 フィスト・オブ・ザ・コンドル 0.5
番外
QUEEN ROCK MONTREAL 5.0
私ときどきレッサーパンダ 5.0
FLY! フライ! 5.0
π〈パイ〉 デジタルリマスター 2.0
ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター版 1.5
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